G-log 日々思うこと

千葉県・30代会社員。ライターに憧れて文章を書く勉強中。テンションはいつも低位安定。読書記録、旅行、その他日常など。よろしくお願いします。

読書感想/桜のような僕の恋人

「桜のような僕の恋人」 宇山圭佑

 

 

泣きました。

 

以下、ネタバレもあるのでご承知おきください。

 

 

 

 

恋愛モノは食わず嫌いでしたが、

 

書店でたまたま平積みしていたのを見つけて購入。
 

 

<あらすじ>
カメラマンの夢をあきらめて悶々と暮らす朝倉晴人と、

 

自分の店を持つのが夢の美容師・有明美咲の悲恋話。

 

冒頭1ページ目から、明らかに美咲に不幸があったことが示され、

 

ハッピーエンドではないことが分かります。

 

 

 

といっても、最初は軽い始まりでした。

 

お互いの出会いや、惹かれあうまでの経緯は、

 

明るく、ともすればご都合主義的に進んでいきます。

 

しかし、ああこれ嫌な伏線だわ…というのがチラホラ。

 

 

 

その後、美咲の病気が発覚します。

 

早老病やファストフォワード(早送り)症候群といわれ、

 

名前の通り、急速に老化現象が進み、

 

初期症状から1年ほどで老人となり、死を迎える不治の病。

 

(ファストフォワード症候群でググったけど出てきませんでしたが)

 

 
病気によって日に日に老化・衰弱していき、

 

精神的にも荒れていく美咲。

 

それでも病気を恋人の晴人に隠し通し、

 

一方的に別れを告げ、晴人の前から姿を消しました。

 

 

もちろん小説ですので、その後再会はしたのですが、

 

望んだ再会とは言えないものでした。

 

それでも死の間際で、美咲も少しだけ救われたのが

 

読んでいる側にも救いでした。

 

 

 

 
<感想>
病気で老いていく恐怖と、それを晴人に決して言えない美咲。
 
その事実を最後に知って悲しむ晴人。
 
展開としてベタと言えばベタですが、王道だからこその感動がありました。

 

 
この小説のテーマはたぶん「思い出」だと思います。

 

晴人と美咲は、期間にして三か月程度の交際でしたが、

 

その短い間の思い出が濃密なものだったから、

 

二人は苦しんだ半面、最後に救われたのでしょう。

 

桜も一週間くらいで散ってしまいますが、

 

大切な人と見た思い出は残りますしね。

 

 

<美意識> 
ただ、それ以上に重く感じたのは、女性の美意識です。

 

美咲は24歳にして早老病にかかり、

 

1年程度で髪は白髪、歯も抜け落ち、立つことも困難な

 

老婆になり、そのことに苦悩し続けました。

 

特に死そのものよりも、老化による見た目の変化を恐れていた節があります。

 

ともすると、単に老人=醜いという評価をしているような。

 

 
個人的には(年齢相応なら)見た目が変化することは

 

仕方ないし、別にいいじゃないかと思ってますが、

 

やはり男女で全く意識が違うんだろうと再認識しました。

 

というわけで、口や態度に気を付けないと、

 

女性を傷つけるということも、改めて学びました。
 
 
後日、アラフォー女性の知人も読んだとのことでしたので感想を聞きましたが、
 
やはり老いとの闘いは熾烈だそうです。
 
誕生日おめでとうもうかつに言うなとのアドバイスをいただきました。