G-log 日々思うこと

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【読書感想】「発達障害」を読んで

『発達障害』 岩波明 著
 
私たちの社会の中で、
ASD(自閉症スペクトラム障害)の患者割合は1%、
ADHD(注意欠如多動性障害)の患者割合は5~10%いるとも言われているそうです。
学年に数人はいるようなレベルでしょうか。 
日本全国からすれば、数百万~1千万人レベルでいることになります。
 
私にも発達障害、ASD、ADHD、アスペルガー…何となくのイメージはあります。
ネット上では揶揄も含めて、「話が通じない=アスペ」と言われることもありますが、それは正しいのでしょうか?
そもそもアスペルガ―自体は悪口なのか、差別なのか?
 
少しでも理解を深めるために読んでみました。
 

おことわり 

以下、本書を基に私が解釈したものですので、
ミスの無いように気を付けてますが、その点ご承知おきください。
 

 

ASDとADHDとアスペルガー

最初に、ASD、ADHD、アスペルガーの3つの関係性を整理していきましょう。
3つとも発達障害の中の一つの症状です。その中にASDやADHDがあります。
さらにASDの中に、アスペルガー症候群が位置づけられます。
 
ざっくりと症状・特徴を述べます。

【ASD】:「対人関係の障害」と「常同的な行動」

  1. コミュニケーションに持続的障害(会話・非会話)=論理的思考や「空気」を読むのが苦手
  2. 特定のことに興味を持ち、反復する=拘りが強いことがあり、繰り返し同じことをする

【ADHD】:「不注意」と「多動性・衝動性」

  1. 人の話を聞かず、ケアレスミスが多く日常的に不注意である
  2. 多動性:落ち着いて何かをすることが極めて苦手=行列を待つ、椅子に座っているなど
  3. 衝動性:急に感情的になる=キレることがある
 
なお、【アスペルガー症候群】は、「対人関係の障害」+「常同的かつ脅迫的な行動パターン」が診断基準です。「常同的かつ脅迫的な行動パターン」は、変化への異常なストレスや一つの事への異常な拘りで、例えば必ず同じ道を通って帰らないと気が済まないといったことだそうです。
 
 
一方で、ASDやADHDの中には、「サヴァン症候群」と呼ばれる、天才的な能力を持つ人もいるそうです。
電話帳を丸々一冊暗記したり、絶対音感を持っていたり、何桁でも一瞬で計算できたり。
なので、逆に天才扱いされてしまい、「発達障害」とは認識されにくいようです。 
 

難しい…

以下、感想です。差別的な言い方もあるかもしれません。
 
具体的な症状については、ある程度理解することができましたし、ASDとADHDの違いも何となく判りました。
しかし、その基準が分かったとて、そのような人たちをどう捉えたらいいか、まだ答えを出すことはできませんでした。
 
これまで、例えば殺人を犯した未成年がアスペルガー症候群とされることもありましたが、筆者によればそれは間違いであることもあるそうです。
このことは、アスペルガー症候群に対するある種の誤解を解消する話であると同時に、何ら異常のなかった少年が殺人を犯したという事実の証左でもあります。
平たく言えば、「あいつはアスペルガー症候群だったから殺人をした」の方が、世間一般の人の安心感は増すでしょう。
 
ASD、ADHDとも判断基準があいまいな部分があるので、日常生活を送れている人もたくさんいるそうです。しかし、そういった人々は、どこか日常生活で他人と違ったり、皆ができることができなかったりと何らかの違和感があるそうです。
本書では、周りの理解と並んで、本人の自覚が大事との記載がありました。ADHDは薬物治療も進んでいるので、確かに自覚することは大事かもしれません。
 
これまで「健常」と自己認識してきた人が「障害」と診断されることが、本人はどう思うものなのでしょうか?
「障害だったんだ」と救われる気持ちもあるかもしれませんし、本書ではそのような事例も紹介されていました。しかし、「障害だから」と閉じこもる可能性もあるのでは?とも思いました。
 

単に性格の悪い人や、なじめない人は?

程度によっては、社会生活に支障がない人もいるとのこと。
しかし、発達障害ではないのに、単に性格の悪い人もいるのでは?
もっと卑近な話をすれば、単に性格が悪いOR怠惰な人を「発達障害だから仕方ない」としてしまうことは、改善のきっかけにつながりません。
(発達障害の人が必ずしもそうということではありませんよ)
 

とりあえず考えるきっかけということで

いずれにせよ、仮にASD、ADHDの方と付き合うのにどのようにすべきか、まだよく分かりません。
また、そのような人が友人なのか、上司なのか、家族なのか・・・
さらに言えば、既に診断されているのか、本人or周りの人が疑念を持っているだけなのかによっても異なるでしょう。
もしかしたら、こうして書いている私も少し思い当たる症状もありますので、自分もそうかもしれない。
 
考えるほど複雑な気持ちになります。
ただ、このような症状があり、このような事が苦手なんだということは少し分かりましたので、
周囲に現れた際には、理解を持って接するよう努めたいと思いました。 
 
 

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