G-log 日々思うこと

千葉県・30代会社員。ライターに憧れて文章を書く勉強中。テンションはいつも低位安定。読書記録、旅行、その他日常など。よろしくお願いします。

読書感想/嫌われる勇気

『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』

岸見一郎、古賀史健 著

 

どうも、嫌われ者です。

いや、そこまで嫌われてはいないと思いますが。

ブームにもなった本書の名前はもちろん知っていましたが、

判官びいき精神というか心根がねじれているので、

流行りものを読む気がしませんでした。

が、たまたま人から薦められる機会もあったため、読んでみました。

 

私が哲学的文章に慣れていないため、

解釈が間違っている・あやふやな箇所もあるかと思いますので、

突っ込みを入れていただけると幸いです。

そんな個人的解釈としては、ためになる部分もあれば、賛同しかねる部分も。

 

アドラー心理学の位置づけ

アドラー(心理学)は、ユング、フロイトと並ぶ心理学の三大巨頭だそうです。

フロイトは夢で見たら何でも性的欲求に理由を求めるイメージですが、

恐らくかなり間違ってますし失礼なイメージです。

ユングは何でしょう、名前以上のことは知りません。

 

アドラー自体は20世紀初頭にオーストリアに生まれました。

アドラー心理学はその内容から「個人心理学」とも呼ばれ、

カーネギー(人を動かすの著者)なども影響を受けたそうです。

 

会話形式で

本書の構成は、アドラー心理学を極めた「哲人」と、

自分に自信がなくアドラー心理学を疑う「青年」の会話形式です。

それを読みやすいととるか、読みにくいととるかは人それぞれですね。

私のような素人の代弁者として「青年」というキャラがいますが、

彼の意見がブレブレ過ぎるので、そっちに気を取られたという点が少し残念。

 

アドラー心理学の言う人間の目標

敢えて本書のまま書きます。

行動面の目標は、

①自立すること

②社会と調和して暮らせること

 

心理面の目標は、

①わたしには能力がある、という意識

②人々はわたしの仲間である、という意識

だそうです。

 

言葉をそのまま捉えるならば、特に異論はありませんでした。

が、読んでいくにしたがって腑に落ちない部分もあります。

本書を通読して得た感触と比べると、

①の自立・能力意識はいいのですが、

②の社会調和にやや違和感があります。

 

タイトルが「嫌われる勇気」とあるように、

他人の評価を目標にするなというのが基本の考え方です。

そのことと、②の部分が少し矛盾を感じたのが正直なところ。

 

もちろん、率先して迷惑をかけることは推奨していませんし、

利己主義とは違うと思いますが、いかんせん現実離れかなという気がしました。

 

自分と今を大切に、他人と過去は変えられない

上にも書きましたが、アドラー心理学の基本的な考え方は、

「自分と今を大切に、他人と過去は変えられない」です。

もう少し具体的に言うならば、

■他人の評価に左右される生き方は、自分の人生ではない

■過去の経験ではなく、経験の意味によって自らを決定する

(つまり、経験したことに悪い意味を与えればトラウマになる)

 

例えば、嫌な上司がいてその人に評価される必要があるのか?

アドラー心理学の答えは、「嫌われる勇気を持て」です。

「あの上司がいるから仕事ができない」は原因論となり、

目的論のアドラー心理学とは相反する考え方です。

 

…分かりますか?私にはあまり分かりませんでした。

というより、理解はできても納得はできませんでした。

 

教育は?

アドラー心理学では、自分と他人の課題を切り分けます。

あることをした・しなかったことで、

最終的に影響を受ける人=その課題を解決すべき人であり、

それが自分でないならば、そこには踏み込まないということです。

 

例で挙げられていたのは、子どもの勉強の話です。

子どもが勉強しないで困るのは子どもなので、親としては「勉強しろ」というのは間違いです。

ただし、放任主義ではないので、勉強の大切さと、必要なら手助けすることを伝え、

後は見守るだけ、というのが他人の課題に踏み込まないということ。

…だそうです。

理屈は分かりますが、それでいいのでしょうか?

 

同様にアドラー心理学では、全ての人は対等としていますが、

勉強の例のような状況で、小さい子まで対等とした場合に、

「教育」という視点は果たして残っているのでしょうか?

子どもを尊重するのと、教育の否定はイコールではないでしょうね。

 

同様に、やや強引と感じた部分もあります。

アドラー心理学では、

「過去によって自分が決定されるならば、今日を生きる我々は何も有効な手がない。

だから過去によって今の自分が決定される決定論は間違いだ」という立場のようです。

 

「未来」についても否定的であり、

「人生は『今』という点の連続であり、線で考えるのは間違い」という考えです。

それ自体はある意味正しいと感じる部分もあるのですが、

読んで感じた印象では「将来の夢」どころか「来週の予定」をも否定するような論調でした。何だかなあ。

 

私なりの解釈

個人的に大切だと思ったことをまとめました。

■自分の評価を他人に求めるな

■自己受容(自分のありのままを受け入れる)が大切

これくらいですかね。

読んでる途中は少し納得していた部分もありましたが、

改めて思い返してみると、意外と少ないなあという印象でした。

 

結局はバランスですよね

たまたま会社で本書を読んでいたところ、

同じく読んだという上司に話しかけられました。

彼が昔、本書のようなことを実践した際、部下から言われたのは、

「最近、話を聞いてくれない」「少しこちらのことも考えて欲しい」

といった内容だったようです。

実践方法が間違っていたということもあるかもしれませんが、

現実には、全ての人がアドラー心理学を理解して実践していないと難しいでしょうね。

 

彼と話して見解が一致したのは、

「他人に影響を与えることを恐れてはいけない」。

これはたぶんアドラー心理学とは反する考え方なんでしょうね。

先ほどの「教育の否定では?」という私の解釈と似ていて、

ある程度は「指導」や「教育」「注意」「評価」といった概念が必要なのが、

今の現実の日本社会だと思います。

 

とはいえ、本書を読んで前向きに捉えられる部分も多々あります。

少し否定的な文章になりましたが、読んでみるといい刺激になるでしょう。