LIFE SHIFTという本を読んだことはありますか?
2016年11月に出版され、1年半ほど経った今でも本屋で平積みされる名著です。
人生100年時代というキーワードを世に知らしめ、日本でも「人生100年時代構想会議」が発足しました。
改めて再読しているところですが、ぜひ新入社員の方にも読んでもらいたいなと思います。
ただ、新しい就職先でこの考え方が通じるかは別の話。
私も一応、大企業(の片隅)に所属していますし、他所の企業様とのお付き合いもありますので、現実に即した話ができればと思います。
50-60代で尊敬する人もいますが、今回は主に負の話。
目次
LIFE SHIFTの概要
物凄くざっくり内容を言えば、
- 2007年に生まれた赤ちゃんの半分は、100歳まで生きる「人生100年時代」が来た
- 「教育(学生)」⇒「仕事(就職・起業)」⇒「引退(老後)」という3ステージの区分の時代は終わった
- 常に「学び直し(リカレント)」が必要である
- 会社や業界、立場等が固定化しない、常に流動化できるスキルと心構えが必要
こんな感じでしょうか。
新入社員は、終身雇用を期待するのか?
私も分かっていないのですが、今の新入社員(学生達)は、終身雇用を期待しているのでしょうか?
マイナビ辺りがアンケート取ってそうですけど、見つかりませんでした。
仮に終身雇用を期待するのであれば、その会社の維持と繁栄を願えば済む話です。
その会社の文化の中で、評価される方法を考えてキャリアを積んでいけばいいだけです(これが悪いとは言いません)。
しかし個人として成長したい人は、終身雇用制度には乗っからない方がいいでしょう。
様々なスキルやノウハウ、人脈は、1つのところで得る量に限界があります。
特に、大企業では仕事の極一部を受け持つことがほとんどで、
若いうちに自分で大きな判断をする機会はありません。
そこで判断力や実践力はなかなか身に付きにくいものでしょう。
唯一、終身雇用と大きな成長を両立できるのは「副業」でしょうね。
今の50~60代は「人生100年時代」の対象外
話を元に戻して、LIFE SHIFTの話です。
特にこれから働き始める方は、自分の可能性を閉じ込めないことが重要です。
一方で、会社に入って管理職の中心世代は、50代~60代となるでしょう。
彼らは人生100年時代なんて今更言われても…という人達です。
これが非常に厄介。
私の体験談ですので、あくまで主観ですが…
今の50代~60代は、概ねバブルを経験してきた世代です。
終身雇用に乗っかって、サービス残業やパワハラなんて概念もなかった。
彼らが勤め始めた約30年前は、パソコンも一般化したばかりで、徐々に業務が電子化された頃。
特に大企業において、この世代の多くは深刻に厄介です。
彼らは「もうすぐ定年」という考えを、意識的または無意識的に持っています。
経営が安定している企業において、もう数年「無難に」勤めれば退職金が貰える。
一旦、定年になっても子会社やグループ会社、取引先に席は用意され、ボケない程度の仕事は与えられる。
彼らはいまさら自分が成長すると言う考えがありません。
そして、部下に対しては「会社で必要なスキル」の成長を期待しても、
「部下個人のスキルアップ」という視点はありません。
残業は強いても副業は駄目というのは、根底にこの考えがあるでしょう。
良く言えば、会社への帰属意識は高いと言えます。
もちろん、彼らの全てがそうではありません。
50代でも日々研鑽を続け、成長しようとしている方もいらっしゃいます。
ただ、私が会う「大企業」の50~60代の方々は、「これまでの知識と経験があるんだ!」という謎の根拠にご執心な方が多いです。
時代は変わっているというのに。
成長する気のない50~60代社員との付き合い方
では、こうした人々との付き合い方をどうしたらいいか。
一番良いのは「極力付き合わない」ですね(本末転倒ですが)。
会社も組織ですし、今現在はさておき、若い頃は貢献した方々ですから、「顔を立てる」部分はどうしても必要になります。
ただ、その場面は最大限省いてしまうことが、会社にとっても自分にとっても大事でしょう。
私も彼らに成長を促すよう、努力してきました。
具体的に言えばこんな感じ。
パソコンの使い方が分からんとか、最近の時事用語がわからないと私に聞きに来るのですが、
「私はネット等で調べたり、家で勉強して覚えたんですから、自分でも調べたらどうですか?(あなた暇なんだし)」と何度も繰り返し言ってきました。
が、まったく心に響かないようで…
最近では邪魔にしかならないので、角が立たない程度に突き放すよう接しています。
ついでに言うと「一般職・事務職」で入ってきた社員も同じような場合が多いです。
彼(というより彼女が多いですが)らは、「自分は今の仕事しかやらない」「日々の仕事を今日も明日も明後日も同じようにやること」しか考えていません。
キャリアとか成長とか生産性という概念がないので、一言で言えば真っ先にAIにしたい部分ですね。
まあ相手の年齢に限らず「得るものがない人とは付き合わない」ということですね。
相手が直属の上司で、自分のキャリアに関わるような場合では、嫌でも付き合わなければならないですし。
まとめると「柔軟な人」を目指そう
これは自分自身のことですが、思考・スキルの柔軟な人を目指したいです。
言い換えれば、適応力でしょうか。
それは、仕事面でも生活面でも、適応力があれば何かあっても大丈夫。
合わせて、それに伴う自信も持てるようになりたいですね。
生物でも、種の保存に一番重要な能力は「環境適応力」と言われています。
私より一回り上の40代の人は、もう少し思考が柔軟な方が多い印象ですので、
これから10年で世代交代・自然淘汰が進むことを期待します。