『月の上の観覧車』 荻原浩 著
鹿児島中央駅で一人で観覧車に乗る勇気がなかったGOです。
最後に乗ったのは、葛西臨海公園だったか。
本書は、8人の独立した短編集。
それぞれ繋がりはありませんが、みな半生を振り返る構成になっています。
帯には「人生に二周目があればいいのに」と書かれていました。
以下、ネタバレを含みます。
あらすじ
あらすじと言っても、8編もの短編のためなかなか書きづらいですね。
基本的には40代~60代くらいの主人公たちが、
自らの半生を振り返っていくスタイル。
離婚や子どもとの死別、貧乏など…思い出は輝かしいものだけではありません。
そして、主人公たちの「今」も、客観的には幸福とは言い難いものが多いです。
それでも前を向いて
主人公たちは思い出に耽り、後悔を抱える人物も多いです。
しかし、現状はそれを受け入れ、前を向いている主人公たち。
そういう意味では、悲しい過去や切ない思い出に対し、
今の現実ではそれを振り切った、明るい話とも言えるでしょう。
人生を観覧車に例えると
人生を観覧車に例えると、私(32歳)はどれくらい回ったところでしょうか。
平均年齢という意味で言えば、まだ半分過ぎてないですね。
ただ、体感的には0~32歳と、これからの50年程度では、
前半の方が長いのではないでしょうか。
二周目は要らぬ
「人生に二周目があればいいのに」と帯に書かれてましたが、
皆さんはそれを望みますか?
個人的には、二周目が欲しいと思える人生は、素晴らしいと思います。
上手くいかなかったから二周目が欲しいと思うのかもしれませんが、
そこまでの執着を持てるという点では素晴らしいことだと思います。
私は二周もしたいほどは執着がないかな。
ゲームで言えば、「強くてニューゲーム」も最近見ないし、
あってもやらなくなったなあ…
井上陽水
でも、井上陽水「人生が二度あれば」は好きな曲です。
変わった曲だとは思いますが。
叫ぶような「人生が二度あれば」という歌いっぷりは、
初めて聞いたときに衝撃を受けました。