『魔術はささやく』 宮部みゆき
宮部みゆきさんは名前は昔から聞いてましたが、今まで読んだことがありませんでした。
何となくですが、シリーズものが多い気がしていて、どこから読んでいいか分からず。
本書は元々平成初期=1990年代前半の作品とのことですので、パソコンすら出てきません。
その頃の私は幼~小学生でしたが、懐かしいですね。
以下、ネタバレを含みます。
あらすじ
2人の女性の死亡ニュースが新聞に載った。
1人はマンションから飛び降り、もう1人は電車への飛び込み。
主人公の高校生・日下守は、親戚の浅野家の家に居候している。
父である日下敏夫は市役所職員であったが、多額の横領を行った後に失踪。
以来、母と二人暮らしをしていたが、その母の死去に伴い、浅野家に引き取られた。
浅野家の家族、父・大造、母・より子、娘・真紀とは仲良く暮らしていた。
しかしある日、タクシードライバーの大造は、一人の女子大生・菅野陽子を轢死させてしまう。
そのまま刑務所に拘留された大造。浅野家、日下守も暗い日々を送った。
家には「人殺し」といった中傷も投げつけられた。
日下守は、父が横領事件を起こした際にもクラスメイトらから心無い言葉・態度をぶつけられており、その記憶を思い出していた。
浅野家にいたずら電話もかかってくるなか、
年老いた声で「菅野陽子を殺してくれてありがとう」「あいつは殺されて当然」という電話がかかってきたことが気になった。
そこに大造の無実を晴らすきっかけがあるのではないかと、日下守は立ち上がった。
彼の持つピッキング技術などを用い、菅野陽子の死の真相を探り始めた。
死は計画されたものであり、「電話の主」の復讐劇が描かれていた。
初の宮部みゆき作品
名前は知ってましたけど、読んでいない作家さんシリーズ。
ブレイブストーリーをよく書店で見かけたので、冒険ファンタジーの印象が強いです。
この作品については、率直に言えば「散らかってる」という印象でした。
高校生探偵的な立ち位置の守ですが、行動原理が少しふらふらしてるかなと。
あねごの存在や黒幕の老人も、もっと深掘りされてもいいかなあと感じました。
まあ一作で判断するのは良くないので、もう何作か読んでみたいですね。
催眠術にかかった(?)経験
本作の肝として、「催眠術」があります。
今もそうですが、不眠症の気が少しあったため、安眠を求めて「催眠音声」なるものを聞いてみたことがあります。
(大人向けの音声も多いようなので注意。興味のある人はお好みで)
基本的には、
■深呼吸
■何も考えない
■呼吸に集中
■脱力
といったことを音声指示で促されます。
うまーくいくと何となく催眠にかかった(?)ような感覚はありました。
が、そのかかってるような感覚がある間はいいのですが、
結局30分くらいで目が覚めました。
で、何かと似てるなと思うと流行りの「マインドフルネス」にそっくり。
瞑想状態と催眠状態にはどこか通ずる部分があるのでしょうね。
ただ、安眠は何となく催眠からつながりそうな気がしますが、
本書のようにキーワードをきっかけに走りだしたり飛び出したりするのは難しそうですね。
プロの催眠術師が面前でやれば、かかるのかもしれませんが。
一度体験してみたいと思いつつ、少し怖いですね。
さいみんじゅつ⇒ゆめくい
本書と全く関係ないですが、ポケモン初代では、この技の流れが一番好きでした。
威力が高い、回復できる、しかも相手は寝たまま。
しかし、友達がいなかったため、ゲンガーがなかなか手に入らず、
スリーパーにわざマシン42のゆめくいを覚えさせて使っていました。
わざマシンの番号をまだ覚えてる辺り、かなり印象深い技だったようです。
今ポケモンGO等で見ると、スリーパーが変態にしか見えないけど。
久しぶりにポケモンやりたくなってきたなあ。
読書感想だったのに、そんなオチです。