5月24日、新しく「日本遺産」が13箇所指定されました。
北は北海道、南は宮崎まで幅広い遺産が選ばれています。
そんな中で、今回認定された中できちんと行ったことがなく、私の住む千葉県から一番近いのは「箱根」です。
※今回認定された13件は、後で記載してあります。
そんな箱根にさっそく行ってきた話。
…の前に、日本遺産について調べた結果です。
<目次>
「日本遺産」って?
何となく「歴史的に大事なもの」という認識がある「日本遺産」。
選ばれると、物凄く価値があるように感じてしまいます。
まずはそんな「日本遺産」について、簡単にご説明です。
文化庁のHPから引用すると…
我が国の文化財や伝統文化を通じた地域の活性化を図るためには, その歴史的経緯や, 地域の風土に根ざした世代を超えて受け継がれている伝承, 風習などを踏まえたストーリーの下に有形・無形の文化財をパッケージ化し, これらの活用を図る中で, 情報発信や人材育成・伝承, 環境整備などの取組を効果的に進めていくことが必要です。
文化庁では, 地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定し, ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある有形・無形の様々な文化財群を総合的に活用する取組を支援します。
世界遺産登録や文化財指定は, いずれも登録・指定される文化財(文化遺産)の価値付けを行い, 保護を担保することを目的とするものです。一方で日本遺産は, 既存の文化財の価値付けや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく, 地域に点在する遺産を「面」として活用し, 発信することで, 地域活性化を図ることを目的としている点に違いがあります。
…ちと長いですね。
簡単に言えば、「歴史的価値だけでなく、現在の地域活性化につながる遺産(=歴史資源・自然・文化)をまとめたセット」を認定するものです。
なので、保存するために認定するというよりは、その一連の「遺産」によって人が集まって観光として成り立ったり、雇用が生まれたり、新たな産業につながったりすることが目的です。
日本遺産の現状
今回追加されたものも含め、日本では67件が認定されています。
市や県をまたいだものも多く、一概に「ここ」とは言いづらいですが、
北は北海道、南は沖縄まで各地に点在しています。
そして、一つ一つのタイトルが長いです。
今回選ばれた13件も、良くも悪くもスタイリッシュ感があります。
- 北海道「カムイと共に生きる上川アイヌ~大雪山のふところに伝承される神々の世界~」
- 山形県「山寺が支えた紅花文化」
- 栃木県「地下迷宮の秘密を探る旅~大谷石文化が息づくまち宇都宮~」
- 栃木県「明治貴族が描いた未来~那須野原(なすのがはら)開拓浪漫譚(ろまんたん)~」
- 富山県「宮大工の鑿(のみ) 一丁から生まれた木彫刻美術館・井波」
- 山梨県「葡萄畑が織りなす風景-山梨県峡東地域-」
- 長野県、山梨県「星降る中部高地の縄文世界―数千年を遡さかのぼる黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅─」
- 静岡県、神奈川県「旅人たちの足跡残る悠久の石畳道 ―箱根八里(はこねはちり)で辿る遥かな江戸の旅路」
- 和歌山県「『百世の安堵』~津波と復興の記憶が生きる広川の防災遺産~」
- 岡山県「『桃太郎伝説』の生まれたまち おかやま~古代吉備の遺産が誘う(いざなう)鬼退治の物語~」
- 広島県「瀬戸の夕凪(ゆうなぎ)が包む 国内随一の近世港町~セピア色の港町に日常が溶け込む鞆の浦(ともうら)~」
- 大分県「鬼が仏になった里『くにさき』」
- 宮崎県「古代人のモニュメント -台地に絵を描く 南国宮崎の古墳景観-」
ただ想像するに、こんなタイトルにしているのは「ストーリー性」が評価項目として重視される点だからかと思います。
ちなみにこの中で行ったことがあったのは、「地下迷宮の秘密を探る旅~大谷石文化が息づくまち宇都宮~」だけでした。
旧・大谷石の採石場は夏には涼しくてオススメですので、いつか紹介できれば。
ストーリー性とは
日本遺産におけるストーリー性とは何でしょうか?
一つはもちろん、歴史学上に価値のある史実が遺されていること。
例えば、当時の暮らしや政治制度、歴史上の人物のエピソードが分かったりすることですね。
もう一つは、感覚的な話になってしまいますが、『そこに「歴史的なロマン」を感じられるかどうか』が重要だと思います。
例えば、どんなに立派な城があったとしても、
城主もよく分からないし、いつ頃造られたものかも不明。
となると、これはストーリー性が無いと判断されます。
(そこまで不明だったら「謎の城」として売り出せば人気になりそうですが)
逆に、見た目で判断するとただの「獣道みたいな荒れた古い道」だったとしても、
「関所と江戸を結ぶ交通の要であった」ということが分かれば、ストーリー性が加わります。
さらに、「〇〇藩の大名行列が通っていた」とか「将軍〇〇が宿泊した宿があった」といった要素が加わると、さらにストーリーが深まっていきます。
このような歴史的なストーリーというのは、
そこに思いを馳せたり、史実を確認できたりといった、
学術的価値&感覚的価値が合わさったものと言えるのではないでしょうか。
というわけで、新・日本遺産となった箱根八里を一部歩いてきたので、そのレポートを書きたいと思います、疲れたので後で。
ここまで読んでくださった方、次もぜひ読んでいただけると幸いです。