今更ながら映画「カメラを止めるな!」を観てきました。
「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」がキャッチフレーズ。
もう本格上映から3か月を過ぎておりますので、ネタバレも含めた感想を少し。
どのようにブームになったのか?
低予算・無名俳優(失礼)・当初2館のみの上映から、
SNSで火が付いて大ブームとなった映画「カメラを止めるな!」。
6月の上映から話題になったのは7月くらいでしたか。
そして9月に入り、映画に疎い私ですら観ようと思ったのだから凄いことです。
ただ、その前段として2017年11月に6日間の先行上映会があり、その頃から大反響だったそうです。
元々は、監督&俳優育成スクールの「ENBUゼミナール」という専門学校の企画から生まれたというのも、珍しい話ですね。
この「カメラを止めるな!」は第7弾だそうなので、過去6作もあったのでしょう。
あらすじとネタバレ
冒頭は、B級感満載のゾンビ映画です。
開始10分くらいで気が付いたのですが、全て「ノーカットワンカメ」で撮影されています。
編集を一切していない、つまり一度でも失敗したら撮り直しの撮影。
しかし、綺麗なノーカットワンカメ作品と比べると、かなり見劣りしてしまいます。
間が悪かったり、セリフが間違っていたり…
そんなB級映画パートが、約37分続いたのち、スタッフロール。
それが終わるとともに、ここからがこの「カメラを止めるな!」の本編の始まりと言えます。
この冒頭のB級映画パートは、映画内のテレビ会社が企画・制作した、
「ワンカメ、ノーカット、生放送でゾンビ映画」です。
つまり「カメラを止めるな!」は、「ワンカメ、ノーカット、生放送でゾンビ映画を撮ることになった監督の物語」です。
後半の1時間ほどは、B級映画パートの撮影風景を裏側から撮った、(もちろんフィクションだけど)ドキュメンタリーのような作品です。
生放送でもあるため、様々なトラブルが発生するのを、機転を利かせて解決していくスタッフたち。
最後には無事にゾンビ映画を撮り終えますが、そこに至るまでのドタバタが映し出される「コメディ映画」です。
感想
企画と言うのか、構成力と言うのか、それが素晴らしい作品だと思いました。
最初10分くらいでワンカメ・ノーカット撮影には気が付きましたが、まずそれを37分間もやったのは凄いことです。
(本当にやったのかどうかは知りません。今の技術なら隠し通せるのか?)
ワンカメ撮影で凄いなあくらいにしか思わなかったところに、ストーリーが急転していきます。
そして、B級映画内での違和感(フラグ)を次々と回収していく様子を映し出していくのは、気持ちいいものがありました。
総製作費300万円
総製作費が約300万円ということですが、恐らく有名俳優を一人使っただけで消し飛ぶ金額でしょう。
一説には、日本の映画制作費は平均5,000万円くらいだとか。
(スタジオジブリの「かぐや姫の物語」は50億円とか…?)
かといって、出演俳優たちに能力がないかというと、そんなこともありません。
私は芸能情報に疎い上に興味もないので、「〇〇が主演!」と言われても何の関心も湧きません。
映画の面白さは予算には比例しないということがよく分かる映画でした。
観た方が言うように、こういう意欲作に出演された方や監督・スタッフの方々がきちんと評価されるといいですね。