環境省が、小売業者に対して「レジ袋の有料化」を義務化する方針との報道が。
そこでレジ袋について思うこと。
レジ袋の原価は?
今から12年くらい前、ホームセンターでバイトをしていたときのこと。
レジ袋のコストがバイトにも周知されていました。
その時、コンビニでペットボトル1本買ったときの大きさの袋がだいたい0.1円、
ホームセンターの一番大きい袋(トイレットペーパーとか小さい衣装ケースくらいなら入る大きさ)が0.8円程度だったと記憶しています。
ちなみに、紙袋はもっと値段が上がり2~4円くらいしていました。
レジ袋を有料化するコスト・リスクは?
分かりやすく、スーパーはレジ袋有料、コンビニはレジ袋無料を前提に、
レジ袋を有料化することで考えられるコストやリスクを考えると
- 「袋入りますか?」⇒「はい」⇒「〇円ですけどよろしいですか?」というやり取りが、店員に負担増(レジの混雑にもつながる)
- レジ袋が無料だったからコンビニで買っていたが、有料化すれば他の店に流れてしまう可能性(優位性の消失)
- レジ袋の大きさまでの量で済ますように消費を抑える(買い控え)
ざっとこんな感じでしょうか。
個人的には、1番目が最も影響が大きいと思います。
一人ひとりの顧客に袋が要るか要らないかを確認するのは、何百人と来店するコンビニ等では、時間と手間がかかります。
ただでさえ、ポイントカードやら箸をつけるかなど、確認事項も多いのに。
大型スーパーに行くと「レジ袋不要ですカード」みたいなのがレジ前に置かれている場合もあります。
しかし、あれをコンビニのレジ形態で実現できるとは考えにくい。
目に見える負担より、目に見えるお得を
金融投資における心理状態として「人間は得(儲け)より損の方が心理的インパクトが大きい」と言われます。
つまり、「1万円儲かった」という喜びより、「1万円損した」という不満・不安・後悔の方が、より心理的に影響・衝撃を受けやすい(マイナスならもちろん悪い方に)ということです。
「これまで無料だったものが有料になる」のは、たかが1円程度でも、けっこう反発を食らいます。
ホームセンターでバイトしている時に、袋の有料化も議論に上がりましたが、顧客アンケート等で大反対でボツとなりました。
なので、「レジ袋を有料化」よりも「レジ袋を不要なら1円引き」の方が、消費者が受ける印象は、まだマシなものになるでしょう。
商品の価格やPOSシステムなど、そう単純ではないかもしれません。
ただ、1円取られるか1円引くか、私なら後者の店の方が良い印象を受けますね。
ついでに、無人レジ・セルフレジについて
最近、コンビニやスーパーでも無人レジ・セルフレジが増えたように思います。
あれは人件費削減の施策のひとつだと思いますが、
せっかくなので、消費者にポイントでも1円引きでもいいから、
もう少しメリットを還元してほしいと思います。
近所の大型スーパーで、最近セルフレジを導入しましたが、
みんな大量に食料品などを購入するため、
店員さんにレジ打ち・袋詰めしてもらった方が遥かに楽。
そのため、6個ほどあるセルフレジはガラガラで、有人レジは混雑しています。
かといって、それでもセルフレジを使う人はほぼ皆無です。
エキナカのコンビニ「New Days」では、Suicaによるセルフレジがありますね。
うろ覚えですが、セルフレジなら〇円引きセール(クーポン?ポイント?)をやっていたように記憶しています。
非常に画期的だし、率先してセルフレジ使うようになるなあと感心しました。
というわけで、人を動かすには、損を前面に出すのではなく、お得感を出した方がいいというお話でした。
それが「朝三暮四」のような、単なる言い方を変えただけでもね。