西表島自体も秘境と評されることがよくありますが、その中でも島の西部、奥西表はさらに秘境です。
今回は、人が住む最果ての地、船浮(ふなうき)集落に行ってきました。
- 道路が無いので船でしか行けない地域
- 船浮港に着いたよ
- 集落の様子はドラクエの街の様だ
- カフェ巡ラーのミスと、幻のふなうきパン
- その他:イリオモテヤマネコ発見の地らしい
- 山道を歩いてイダの浜へ向かう
- 船浮集落まとめ
道路が無いので船でしか行けない地域
船浮集落は、西表島の南西部に位置しています。
何と、ここには道路がつながっていないため、船でしか行くことができません。
船浮集落に住んでいる方は自前の船を持っていますが、当然ながら私は持っていません。
しかし、幸いなことに今では白浜港から一日複数回の「定期便」が出ていますので、秘境と言いながらも比較的簡単に行くことができます。
こちらが白浜港ターミナルの待合室。トイレとベンチくらいは完備されています。
白浜港には、バスで行くこともできます。
ここが日本最西端のバス停です。
ちなみに、最南端も西表島では?と思って調べてみると、島の反対側(大原港寄り)の終点、「豊原」という停留所だそうです。
こちらが定期船「ニューふなうき」の時刻表。
季節によって時間が異なりますが、午前8時前後から夕方17時前後までの間、おおむね2~3時間に1便の計5往復が出ています。
私は、白浜港から始発便8時45分に乗るため、レンタカーで駆け付けました。
今回「やまねこレンタカー」という会社で借りたのですが、
そのスケジュールを伝えたところ、営業時間前に迎えに来てくれました。
この場を借りて御礼申し上げます。
船代は往復で960円。時間にして10分程度で着きますので、酔いやすい人も恐らく大丈夫でしょう。
そんなに大人数が乗れるわけではありませんが、この時は私ともう一人しかいませんでした。
私の友達の青けろは別カウントですが。
船浮港に着いたよ
海や森を見ながら、あっという間に船浮港に到着しました。
ものすごくのどかな雰囲気が伝わってきます。電柱は結構多いんですね。
一応、観光地でもあるため、英語・中国語・韓国語で看板が書かれていました。
船浮港の待合所は、壁はありませんが、一応トイレは存在しています。
また、ソフトバンクの電波は壊滅しておりましたが、この待合所の周りにはWi-Fiが飛んでいました。
ただ、拾うにも不安定でしたが…
集落の様子はドラクエの街の様だ
この船浮集落ですが、人口はわずか40人程度しか住んでいません。
もはや一軒一軒に壁はなく、道路も舗装されているところはほとんどないため、全てがつながっているような集落です。
また、集落全体を歩いて回っても5分ほどで全て回れるくらいの距離です。
お店としては、民宿が2~3軒、カフェ・レストランが2~3軒あります。
また、真珠の養殖会社が海岸沿いにありました。
こちらは民宿の「ふなうき荘」さん。お世辞にも綺麗とは言い難いですが、味がある建物ですね。他にも「かまどま荘」という民宿もあり、お客さんが泊まっていました。
ふね家という民宿もあるはずなのですが、看板だけでやっている気配はありませんでした。
船浮集落全体は、規模といい、お店の数と言い、人口と言い、「小さめのドラクエの街」みたいだなあと思いました。(ファミコン~スーファミの頃)
新しい街に着くと、ぐるっと回るのに5分くらいかかりますし、これまでと違った雰囲気を楽しめるというか。
人は少ないんですが、地元の人(子どもも含む)が歩いている様子などもけっこう見られましたしね。
そしてなんと、小中学校も建っています。けっこう立派そうでした。
昔は児童がいっぱいいたのかな?
公園と呼べるのか、滑り台も近くにありました。
カフェ巡ラーのミスと、幻のふなうきパン
カフェ巡ラーとしては、この「cafeいかり」には行きたかったのですが…
残念ながら、11時から営業開始でした。
私は10時35分の船浮発の定期船で戻る予定であり、カフェのために一本後にすると、2時間以上待たされることになるので、泣く泣く諦めました。
もう1つ、「ぶー家」というレストランがあるのですが、そちらは臨時休業中となっておりました。
そしてこちらの「はまごう」と書かれた民宿「かまどま荘」では、「船浮パン」というちょっとした名物(?)があると聞きかじりました。
しかし、残念ながらこの日は「ないねー、ごめんね」とのことでした。
まあ結論から言えば、食べ物と飲み物は持って行った方がいいよということです。
船浮集落には自動販売機もありませんからね。
その他:イリオモテヤマネコ発見の地らしい
その他、集落をぷらぷらしていると記念碑的なものがいくつかありました。
こちらの「殿様節之歌碑」は、「殿様」と呼ばれる美男子・石垣高端と、「カマドマ」と呼ばれる絶世の美女の恋物語だそうな。
そしてこちらがイリオモテヤマネコ発見捕獲の地の記念碑。
1965年に初めて見つかったそうです。たぶんそれまではただのネコ扱いだったのでしょうかね。
これは「東郷平八郎上陸の地」の看板。残念ながら、文字はほとんど読めません。
連合艦隊司令官として、視察に訪れたそうです。私は気が付きませんでしたが、この近くに防空壕もあり、戦争の際の要所の一つだったのかもしれません。
山道を歩いてイダの浜へ向かう
この船浮から行ける名所として、イダの浜というビーチがあります。
山道を歩かねばなりませんが、せいぜい15分くらいで到着します。
行き方ですが、港からcafeいかりを左に曲がると、このような道に出ます。
そのまま、ひたすら道なりに進んでいきます。
基本的には、舗装されていませんし、山道ですので虫も出ますし木や草も絡みついてきます。
また、この日は2月下旬ながら、日光が強く、気温も27~8度あり非常に暑かったです。日焼けもしましたしね。
下る場面もあります。朝9時くらいの話ですが、誰ともすれ違いませんでした。
ずんずん進む。
更に進む。
看板が見えてきて、道が合っていることを確認。ここまでくればもうすぐ。
森を抜けると、ビーチが見えてきた!
こちらがイダの浜です。何もなく、ザ・南国というような白い砂浜。
聞こえてくるのは波の音だけ。
よく見ると、真っ白いカニや、色とりどりの貝を装着したヤドカリが大量に歩いています。
しばらく波の音を聴きながら、ヤドカリを眺めて過ごしました。
このイダの浜周辺は、ダイビングやシュノーケリングに人気だそうですね。
西表島だけでなく、石垣島方面からもアクティビティツアーが組まれているそうです。
現に私がついて10分ほどすると、船がやってきて10人くらいがガヤガヤと降りてきました。
私のプライベートビーチとしては、もう終わりでしたね。
余談ですが、山道を歩いているとずっと見えていたこの建物。
沖縄県では有名(?)な沖縄セルラー電話の基地局のようでした。
同社は、auブランドをKDDIと同様に使っている連結子会社とのことですが、auとの関係性はいまいちよく分かりません。
沖縄セルラーまたはauなら、船浮集落でも携帯電話が使えるのかも?
船浮集落まとめ
というわけで、船浮集落のご紹介でした。
イダの浜まで行って帰ってするだけであれば、1時間もあれば十分だと思います。
ただ始発便で来るよりは、カフェなどの営業時間に行くか、民宿に泊まってゆっくりしてみるのも面白いでしょうね。
小さい子とお母さんらしき人が、港で凧揚げして遊んでおりました。
こんな場所で育った子供は、将来どんな子になるんでしょうね。
住んでいる間は不便さも多々あるでしょうが、生まれながらの大きな財産だろうなあと思いました。