THE YELLOW MONKEYの2019年4月17日19年ぶりの9枚目のアルバムが発売されました。
「9999」と書いて、「フォーナイン」。
9枚目でもありますが、4桁の最高の数字=4人のメンバーのベストという意味もあるそうです。
これを書いているのは厳密には発売1日前の4月16日ですが、先にAmazonより到着しましたので、一曲ずつ気に入った歌詩と感想など。
初めて聞いて勢いで書いているので、感覚的な文章が多いことはご了承ください。
- この恋のかけら
- 天道虫(9999 Version)
- Love Homme
- Stars(9999 Version)
- Breaking The Hide
- ロザーナ
- Changes Far Away
- 砂の塔
- Balloon Balloon
- Horizon
- Titta Titta(チッタ チッタ)
- ALRIGHT
- I don't know
- (追記)毛皮のコートのブルース
- 9999:全体の感想
この恋のかけら
「少ない色しかない良さもあるね」
哀愁ただようギターから始まります。風景としては、荒野が頭に浮かびました。
遠くまで来て、いろいろなものを得て失ったきた主人公が、今は年老いて孤独を感じながらも、そこに新しい味わいを得ているかのよう。
しかし、恋の思い出がカケラのように心残りになっていて、居心地が悪いかのよう。
「この恋のかけら」という曲名・歌詞はあるが、恋愛ソングではなく、後半に差し掛かった人生そのものを見つめなおしたような歌詞。
天道虫(9999 Version)
「ハマりまくって抜け出せないのは恋もおんなじね」
シングルでも出ていたので、初めてではないです。突き抜けるようなギターサウンド。
「天」という麻雀ドラマの主題歌であるため、麻雀用語が出てきます。
また、漫画「カイジ」などで有名な「ざわ…ざわ…」という歌詞も。
非常にロックな曲調で、流れるような歌詞がカラオケで歌うと楽しい。
テンパるもパイパンも麻雀用語なんですよね。
Love Homme
「やりたいうちは猿みたいにやれ」
ベースの聞いた、これまでにあまりなかった曲ですね。ちょいエロスが入った、初期のイエモンのような歌詞。
リズムの取り方や雰囲気が、Queenの「Crazy Little Thing Called Love」に似てる雰囲気かなあ。
Stars(9999 Version)
「人生半ばで 大事なこと見つけた」
こちらもシングルから。アラフィフなのに、PVが格好いいのでご覧ください。
上に書いた歌詞の、「人生半ばで大事なこと見つけた」の歌詞が好き。
ロックってこういうもの、という感じ。
Breaking The Hide
「最後はどこへ帰ろう うちへ帰ろう 土へ帰ろう」
「Breaking The Hide」の意味は「隠し場所(秘密)を暴く」ということでしょうか?
hide(隠す)は名詞だと、隠し場所の他、「皮」という意味があるようです。
皮を剥ぐというようなニュアンスかもしれませんね。ヴァンパイアだし。
これまでに似ている曲が浮かばないようなダークな曲調を出してきたなあ。
ロザーナ
「凍り付くような悲しみ 溶けるような喜び」
シングルですが、非常に限定的な方法でしか入手できなかったため、ずっとYoutubeで聞いていました。
恋人との最後の思い出を歌ったような、だけど明るく前を向いていくような歌とリズム。
「ドアを開けたら見たような見たことない景色が 綺麗な色で塗り替えられて見えた」
新たな旅立ちによって、今まで見ていた景色も一変することってありますね。
爽やかで駆け抜けるような曲。
Changes Far Away
「欲しいものが全部手に入ったのなら 次に欲しいものはシンプルな生き方と よく聞く話だよね」
昭和歌謡のようなメロディーで、どこか懐かしく優しい曲です。
歌詞も語り掛けるように、会話のようにするすると流れていく。
最近の曲では珍しく「愛だけを支えにして」という愛を推しています。
欲望の向こう側では、シンプルに愛だけで生きられるのでしょうか?
イントロが、吉井和哉が以前カバーした「おまえがパラダイス」に少し似ているように感じました。
(追記)この優しい曲が一番好きかもしれません。
「ひとりきりなら 食事も寂しい でも噛みしめる孤独もオカズだよ」はステキな詩。
私のような独身者にはね。
砂の塔
「積み上げた喜びも すぐにうずもれた」
こちらもシングルから。「砂の塔~知りすぎた隣人」というドラマの主題歌です。
ドラマは観ていませんが、高層マンション内の人間関係の陰湿さ等を描いたドラマだったそうな。
その雰囲気は非常に良く出ていてダークな印象です。</pオーケストラがいいですね。>
バベルの塔は神の怒りに触れましたが、塔というのは昔から孤独で閉鎖的なイメージがありますね。
「雲に太陽のナイフが刺さって」という歌詞。そこから浮かぶ情景が好きです。
曇天の隙間から、太陽の光が直線のように幾重にも伸びて見えることがありますよね。
あんなイメージなのですが、まさに「太陽のナイフが刺さって」、これから天気が良くなるのかなあと期待を生み出します。
Balloon Balloon
「いつかは誰もが風に吹かれて 全ては若いせいだと笑う」
バルーンバルーン。ノリ・テンポの良い曲ですが、少しもの悲しさが漂います。
これも少し昭和歌謡の趣があるように感じました。
半音上げ等の変調(正確な音楽用語が分かりませんが)が多く、最期の「割れます割れますバルンバルン」の響きがいい。たまに頭から離れなくなる。
Horizon
「アルバムの中の思い出は とても優しくて」
こちらもシングルから。
再結成した後の曲で唯一、吉井和哉ではなく菊池英明の作詞作曲。
(Breaking The Hideは作曲は菊池英明ですが)
仲間たちと共に旅立つような、思い出だけが残っているような。
何年も離れていても、仲間は仲間だったというメンバーへのメッセージソング。
Titta Titta(チッタ チッタ)
「お日様サンサン 星もキラキラ この世は最高だよ」
かなり明るい曲で、吉井和哉ソロ曲でいえばChao Chaoのようなノリです。
聴いてて楽しいですね。長さも3分弱なので、気分転換に良い。
「愛と平和の呪文だよ ラーマ シータシータ ラーマラーマ チッタチッタ」
という歌詞があるのですが、少し意味を調べてみました。合ってるかは分かりません。
インドで紀元前3世紀頃に書かれた、「ラーマーヤナ」という長編叙事詩においてラーマ王子と、妃のシータという人物が登場します。
ヒンドゥー教の伝承やら、ラーマ王子の伝説などが盛り込まれた物語で、今でもインドでは親しまれているそうです。曲名の「チッタ」は心という意味のようです。
ALRIGHT
「何よりもここでこうしてることが奇跡と思うんだ 命はいつか絶えるだろう だけど最高の出会いが」
2016年に発表された曲で、再結成の曲です。
復活のニュースを知り、そのホームページを見たとき、この曲のイントロと、サナギが孵化するアニメーションが流れていました。
言葉にするのは難しいのですが、初めてイントロのギターを聞いただけで、「帰ってきた!」と感じたことを覚えています。
復活のライブは、私にとってTHE YELLOW MONKEYのライブとしては初参加。
その時のこの「ALRIGHT」では、私の涙腺にもグッときました。
15年間、待たせやがって。
I don't know
「私は誰かと空に尋ねても答えてくれない」
ライブで初披露された曲です。最初のギターのチュイィィィンという音がセクシー。
吉井和哉ソロ時代のBeautifulという曲に「分からない方がBeautiful」という歌詞があって非常に好きなのですが、答えなんて出さない方がいいこともありますね。
過去に素敵な思い出があり、未来に希望があれば、細かいことはI don't knowでいいと思います。
(追記)毛皮のコートのブルース
ダウンロード販売限定収録。この曲のために、2,300円出して買いましたよ。
昨年のライブで披露されました。
しかし、元々デビュー当時の曲で、コアなファンしか知らなかったとか。私も知りませんでした。
そんな初期ということは、20代前半くらいに作ったんですかね。
切なさが強く表現されてる曲調、歌い方でした。
Happy Birth Day To You。
ちなみに、ダウンロード版には、全曲のインストバージョンが付いていますので、音楽だけを楽しみたい方はどうぞ。
9999:全体の感想
これまでのTHE YELLOW MONKEYの「ロック」な像に囚われずに、新しくやりたいことをぶっこんできたなあという印象です。
音楽のジャンルに詳しくありませんが、単なるロックではなく、クラシカルだったり、マイルドだったり、いろんな表情の曲が散りばめられています。
既発表曲と未発表(アルバムで初披露)が交互という構成も良かったです。
メンバーが50歳を超えており、もう恋愛ソングというよりは、人生・仲間といったテーマにシフトしつつあるなあと思ってましたが、それだけではないまた新たな側面をみられた気がします。
2019年の4月27日からはアルバムを引っ提げての全国ツアーが始まります。
私は今のところ、7月のさいたまスーパーアリーナ(七夕!)に行く予定ですが、今から楽しみですね。