古来から山岳信仰は日本人に根付いており、富士山に感銘するのもある程度は山岳信仰のDNAが息づいていると思います。
かの有名な高野山も比叡山も、山の上の寺院(群)です。
今回は、通称「山寺」の山形県・立石寺(りっしゃくじ)です。
↑ここには住みたくないですね。
山寺駅から行こう
山寺には、「山寺駅」という便利なJRの駅があります。
JR山形駅からは15分程度、JR仙台駅からは40~50分で到着します。
きてけろくん!きてけろくんだ!
山寺さ来てけでありがとさま!だそうです。ネイティブではないのですが、たぶん山寺に来てくれてありがとう!と言っているのだと思います。
駅から山寺の方を見上げるとこんな感じ。この画像では見づらいですが、ところどころに寺っぽい建物が見受けられました。
そして警告文がありました。
奥の院までは駅から往復で約2時間かかるとのこと。
ちなみに、私の実測は1時間弱でしたので、無視してもいいです。
駅前の様子。コンビニはありませんが、ちょこちょこ飲食店とお土産屋さんが並んでいます。
駅から出て、橋を渡り、下の山寺ホテルの前を右に曲がっていきます。
営業しているのか外観から分かりませんが、山寺ホテルという古民家も。
最上川か広瀬川か?と思ったのですが、立谷川という川らしいです。
日枝神社。これが入口かと思ったら封鎖されていました。
ここが入口のようです。駅からは徒歩10分程度といったところでしょうか。
それでは、登っていきましょう。
山寺の歴史など
この山寺が創建されたのは西暦860年なので、1,100年以上前だそうです。
天台宗に属し、慈覚大師という方が開いた寺だそうです。
また、松尾芭蕉が訪れた場所としても歴史に名が残っています。
「静けさや 岩に染み入る 蝉の声」という句は、ここで詠んだそうな。
夏に来たんですね。
松尾芭蕉の像も置かれています。
門前でこんにゃくを食べる
唐突ですが、カフェ巡りのコーナー!
寺の敷地に入ってすぐのところに、門前カフェなるお店がありました。
山寺の名物は「力こんにゃく」だそうです。玉こんにゃくとの違いは分かりません。
1本100円というお手軽さ。子供やお年寄りはノドに「ぬるん」と入りかねないのでご注意を。
ここからが本当の登り道です。
入場には入山料として、大人300円がかかります。
奥の院を目指して登っていく
頂上には、「奥の院」というのが最終ゴールとして鎮座しています。
道中は、石や岩に彫られている地蔵や壁画(と言えばいいのか?)が無数置かれています。
岩に直接彫り上げたものも。
また、垂直に切り立った崖もありました。採石場みたいですが、これは人の手は入っていないのでしょうか?
ところどころ、こういった解説の立て札が建てられています。
また、奥の院までの階段の段数なども示されていました。
ちなみに、全部で約1,000段です。
昔の方は、こうして岩壁に彫ることで、信仰心を高めていたのですかね。
岩の様子も少し風変りです。虫食いのような状態になっているのですが、これはどうなってるんでしょう。
鍾乳洞のできかけ?
残り数百段というところで、新しく建物が見えてきました。「仁王門」ですね。
続いて、「性相院」です。
ここまで登ってくると、景色もだいぶ変わります。
これは3月中旬の景色ですが、雪が少し残る山々が広がっています。
空気も綺麗…と言いたいところですがスギ花粉の時期なので、マスクしっぱなしです。
ここにも変わった岩が。
相当なバランスの元に成り立っているのでしょう。
さらに見づらいですが、崖というより岩の先っぽにも建物があります。
ただ、ここは危険な修行場と書いてあり、立ち入り禁止でした。
こちらは眺めは奥の院よりも良い、展望スペースです。
こういうところに落書きがあると、残念な気持ちになりますね。
落書きで初めて名前を聞いたけど、バンクシーも嫌いになりました。
展望台からは、東北の街並み(?)が見渡せます。
7~8割は山と自然ですが、それなりに人が住んでいるんですねえ。
この瞬間だけ、青空が見えましたが、少し雪がぱらついていました。
展望台からの観測映像は以上です。
また別の建物です。
ここに建物を建てるだけでも、結構スリリングだと思うんですよね。
この赤い建物は立ち入り禁止ですが、非常に小さいです。
何か祀ってあるのでしょうね。
戦国時代、山形は最上領でした。
少し調べたら、最上義光(もがみよしあき)は、伊達政宗の伯父らしいですね。
恥ずかしながら、全く知りませんでした。
そんな最上義光の御霊屋(おたまや)を過ぎると、いよいよ山頂です。
奥の院へ到着
こちらが最終目的地、奥の院です。
左右に大佛殿があり、高さ5mの阿弥陀如来像などが鎮座しているとか。
ここまで、総石段数は1,000段以上。
マスクをずっとしていて、かつところどころ凍り付いていたので足元が悪く、けっこう疲れましたね。
お地蔵さんは寒そうでした。
笠でもあればかぶせてあげたいところですが、見返りをくれるかしら(煩悩)。
さらに先がありますが、こちらも修行の場所なので危険らしい。
逆に言えば、どんな危険な修行をしているのでしょうか…
真ん中の鬼太郎ハウスみたいなのが、修行場です。
中(といっても壁がないように見えますが)で何が行われるのか…
看板の解説によれば、危険な岩場を通ってお釈迦様のところへ行く修行だそうな。
なので、岩場からの転落死が多かったと伝えられています。
帰り道は、少しだけ晴れ間が見えました。
しかし、雪がパラついていたので、降り注ぐ雪に太陽が反射する、幻想的な景色が見られました。
残念ながらiPhoneのカメラでは撮影できませんでしたが…
結局、所要時間は…
さて、山寺駅からは往復約2時間かかると書かれていました。
また、立石寺の入り口では、1時間半はかかるとも。
果たしてその結果は…駅までの往復で約50分でした。
じっくり見るということはしなかったですが、かといって急ぎ足ということもなく、少し時間については盛られていましたね。
下山してお土産屋さんで、さくらんぼソフトクリームを座って食べる時間もありましたし。さくらんぼのアイスは初めて食べたけど美味かったです。
ただ、多くの店が冬季休業のせいかお休みでした。
時刻は15~16時頃でしたので、さすがに閉店時間ということもないと思うのですが…でもこういうところだと、ランチタイム営業のみかもしれませんね。
駅前のこのお店がゆったり休憩もしつつ、山形郷土料理なども食べられそうでした。
電車の時間の都合もあったので、残念ながら寄れませんでしたが…
というわけで、再び山寺駅に戻ってきました。
仙台~山形のどちらからも近いですし、景色も良く運動にもなるので、東北に行く際はぜひお立ち寄りください。
また来てけろ
さようなら、きてけろくん。来るとしたら、違う季節に。
【石段を登りまくった話】