「1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養」 デイビット・S・キダ―、ノア・D・オッペンハイム 著(小林朋則 訳)
教養というのは人生を豊かにする知識だと思います。
そして、社会人として知っておいて全く損のないものです。
教養の定義について考えると長くなりますのでここでは避けますが、そんな教養を身につけるための1冊。
恐らく、本屋で未だに平積みされてますので、見たことある方も多いでしょう。
その名の通り、1日1ページ
本書は、7つのジャンルの教養について1つのセクションが1ページにまとまっています。
それが365ページあり、1日1ページで365日分という構成です。
7つのジャンルは曜日ごとに振られています。
月曜日:歴史
火曜日:文学
水曜日:視覚芸術
木曜日:科学
金曜日:音楽
土曜日:哲学
日曜日:宗教
1ページなので、ゆっくり読んでも5分あれば読み終えます。
とはいえ、そのペースでいけば本当に365日かかりますし、毎日は読めなかったので、私は数日分まとめて読むという読み方にしていました。
内容は少し難しいので、高校生くらいからでないと理解できないかなあ。中学生でもいけるかなあ。
歴史・科学・哲学・宗教は面白い
歴史や科学、哲学、宗教は比較的面白い内容が多かったですね。
1番最初は、「アルファベットは4000年前のエジプト人が、ヒエログリフ(神聖文字)が読めない奴隷に命令を伝えるために考案した」(たぶん諸説あり)というところも、短い文章でスッと言われると「なるほどのう」と感心しました。
哲学も万物に宿るイデアの概念といった初心者向けの内容で分かりやすかったし、科学も物理から化学まで、なかなか興味のわく内容でした。
文学・視覚芸術・音楽
逆に上で褒めなかったジャンルとして、芸術と音楽は正直なところイマイチ。
文学は、それほど悪くはないのですが唐突に「この作品は~」と語りだされるので、全く知らない読書感想文を見せられているような感じ(というと、このブログを否定することにもなりかねませんが)。
あらすじについて歴史的背景などありますが、逆にそれも分かりにくい時がありました。
視覚芸術は絵画に関する記述が多いのですが、ほとんどの場合肝心の絵がないので、そのまま読んでもイメージが湧きません。
音楽はさらに分かりにくく、「〇〇式はこういう曲調で~」などと書かれても何のことやらさっぱりです。
ただいずれも、画家や音楽家の話題であれば文章だけでも理解は進むので、結局は内容次第です。
感想まとめ
まあジャンルごとに面白い、面白くないは言いましたが、教養が身についたかと言えば別の話。
記憶力が低下している私にはあまり「身についた」とは言えませんが、「身につくか?」と聞かれれば、一般にはYESと言えると思います。
1ページずつに全く別のジャンルについてまとまっているという構成は良いですね。
1度ざっと読んだので、最近は枕元に置いて、適当なページを開いてぱらぱら読んでいます。
また、脳の活性化のために高速音読に取り組んでいますが、良い感じの難易度かつ1ページ分というのがちょうどいいです。
難易度という点で言えば、難しい用語がありつつ、かつカタカナ語(人名など)が多いので、簡単に音読はできないので、トレーニングになりそうです。
約2,500円と少し値の張る本ですが、読んでみるのもいいかなあと思います。
最近は「人物編」も出版されたようですので(既に人物もかなり紹介されてますが)、いずれ買ってみようかなあ。
どんな人物だろうと、365人も覚えられる気がしないけど。