これは、GO氏のある一日の仕事ぶりに密着したドキュメンタリーである。
以下は、時系列で彼の行動を追ったものである―
それでは、彼の一日の行動を見てみよう。
午前7時、家を出る
GO氏の朝は早い。彼は午前3時にはたいてい起きている。
しかし、眠気と不眠と戦っているため、かなり意識は朦朧としている。
そして起床が早い割に、普通の時間に家を出ていることが分かる。
そんなGO氏だが、この日は都内某所まで直行の出張である。
前日に、同僚が顧客へのアポイントを取っていたのを聞きつけ「明日一緒に行っていいけろ?」と突然言い出したからだ。
何でも、「一部上場企業の本社に行けるらしく、それは面白そう」という理由だったらしい。
駅からは快速があるのに、あえて各駅電車を選びゆっくりと座っていくのが氏のスタイルだ。
午前9時、顧客の元へ
顧客の立派なビルの前で、同僚と合流。
「ところで、YOUは何をしに?」とGO氏。
そもそも、あまり目的を知らずに同行しているのである。
インターホンを押して先方が出てくるまでの間に、全ての状況を把握したGO氏。
「これは厄介な話だから、黙っていよう」と心に強く刻んだ。
それでも、同僚のフォローくらいはしてやろうと、適当な茶々を入れていく。
演技かもしれないが、顧客も笑っていたので仕事をしたつもりでいる。
そして打ち合わせの最後に「貴社のニーズ、弊社のニーズがざっくばらんに話せて良かったです。今後ともお互い情報交換できればと思いますので、引き続きよろしくお願いします」と、締めのあいさつを飾るGO氏は、やり遂げた顔をしていた。
午後1時、帰社する
午後1時、会社に戻ってきたGO氏。
快速に乗れば早いのに、座りたいから各駅停車主義をここでも発揮。
会社に戻るや否や、本日の報告書(3行)を秒速で終えて一息つく。
彼は、仕事をしている風に見せつつ、ネットニュースなどをザッピングしていた。
不意に後ろから画面をのぞかれることを警戒してか、画面の最小化にカーソルが当てられている。
午後3時、おもむろにメモリを増設する
社内パソコンをWindows10にしたおかげで重くなったとの声があったことを思い出したGO氏。
そこで破棄予定のパソコンからメモリを引っこ抜いて、新たに差し込んでみる。
氏はメモリの増設は初めてであったが、ネットニュース閲覧のかたわら、メモリの増設方法も学んでいた。
「意外に簡単でしたよ、まさかただ刺すだけとはね」と後に語った。
なお、メモリはヨドバシカメラで購入し、ポイントは手間賃としてもらう宣言をすることを忘れていなかった。
午後3時30分、お昼休み
GO氏の昼休みは遅い。元々は昼休みを取らない主義であったが、最近はたまに取得しているようだ。
しかし、休憩時間中にも、彼の元には何かしらの出来事が来訪する。
氏が休憩スペースでまどろんでいると、女性社員が話しかけてきた。
「君は、ピーチは好きかい?」見ると、切られたモモを持っていた。
取引先からもらったのだろう、と判断したGO氏は「いただきます」と答えた。
桃を食べてピーチ&まったりしていると、今度はベテラン男性社員が話しかけてきた。
「うちの娘を、君が通っていた高校に行かせたいのだが」という相談だ。
もう15年以上前の話になるが、受験の頃や学生生活を語るGO氏。
しかし、部活もやらず大した勉強もしていない氏の話は薄っぺらかった。
午後4時15分、急にやる気を出す
今日の仕事っぷりに危機感を覚えたGO氏。
急にやる気を出し、これから1か月程度のスケジュールの確認と、明日~直近3日分の打ち合わせや業務の準備を始める。
午後4時20分、雑談
やる気を出して疲れたので、隣の同僚と雑談。
オリンピックのチケットが当たったとかハズレたとか。
ちなみにGO氏は外れたが、開会式の10万円を払わずに済んだことは少し安堵していたようだ。
午後5時30分、帰社
仕事がなければさっさと帰る。GO氏はそれが正しいと考えている。
まだ仕事に追われている同僚もいるため、険しい表情をしているが、GO氏は帰る瞬間を一番の楽しみにしている。
そんなわけで、GO氏の一日の仕事は終わった。
「英気を養うのもまた仕事さ」と言い残し、彼は夜の街に消えて行った。
しかし、酒もたばこも女遊びもしない彼は、帰ってNintendo Switchで遊ぶことを知っている。
一応言っておくと、ヒマな日バージョンですからね
念のために言っておくと、普段はもう少しちゃんと仕事してますからね。
それにしても、この一日は暇でした。前日の昼くらいから「明日は何もやることねえけど、一応会社には行かんとなあ」と考えていました。
たまたま、午前中はお客さんのところに行っていましたが、それがなかったらどうやって時間を潰していたのやら…恐ろしいものです。
たぶん、ほぼ使わないExcelマクロ製作などをしていたことでしょう。
本当は、上に書いた以外にも「実はGOさんにお見合い相手を紹介したいんだけど…」という65歳の高齢社員からの相談を一蹴したシーンもあったのですが、割愛しました。
まあこういうヒマな一日があってもたまにはいいじゃない。
それで仕事が回って、お金がもらえるのであれば。