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【映画】「ドラゴンクエスト ユアストーリー」感想。面白い云々より、これは評価が荒れる。(ネタバレ有り)

この「ドラゴンクエスト ユアストーリー」は、大人気のスーファミソフト「ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁」を基にした3DCG映画です。

最後まで観た感想としては、確かに大どんでん返しがありつつ、「これは賛否分かれる、むしろ否が多そう」と思いました。

個人的には、過剰に批判はしませんが、これでいいのかという疑問もあります。

 

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いろんな人がいろんな感想を言っているので、これを書き終えたら拝見したいですね。

後半には、ネタバレもありますので注意してください。

 

RPGの映画化って ありそうでそんなにないですよね。

ポケモンなんかも、アニメ化を経てからの映画化ですし。

ゲーム原作でいえば、バイオハザードとかがありますね。

そういえばファイナルファンタジーの映画が…いや、気のせいかもしれない。

スーパーマリオの映画も観たことありますが、あのC級っぷりは是非また観たい。

 

 

導入は、スーファミ版を完全踏襲

ドラクエⅤのスタートと言えば、パパスが玉座の前でうろついていて、サンチョが主人公の誕生を伝えに来るシーン。

そのお馴染みのシーンは、ゲーム画面、ウインドウともに完全にそのままでした。

そこから、「スーファミのゲーム画面」を使ったままフローラとの出会い、ビアンカとレヌール城へ行ったことなどがダイジェストで流れます。

再現したのかそのままなのか分かりませんが、これは懐かしかったです。

 

以降、ネタバレします。

 

ストーリーは少し改変されている

普通にプレイすれば何十時間もかかるのを2時間にまとめるので、かなりカットされていますが、ストーリー自体も大幅に変わっています。

パパス死亡、ヘンリーとともに奴隷になる辺りまではおおむね同様ですが、その後はマリアの助けもなく、自分たちで樽に乗って脱出します。

 

その後、フローラやルドマンのいるサラエボへ。

彼らとは、子どもの頃に会っているので旧知の仲でした。

フローラとの結婚条件ですが、ゆびわ2つを取ってくるのではなく、ブオーンを倒してこいとのこと。

実際のゲームで考えると、いきなりブオーンは激しい炎で即死亡でしょうね。

 

そこでブオーン討伐に協力したのがビアンカ。

ビアンカの助けを借りてブオーンを倒した後、フローラではなくビアンカがいいということで結婚。

ついでに、ブオーンが仲間になり、天空の剣も手に入れました。

 

その後はビアンカ出産を経て、再びゲマと会いますが主人公・ビアンカとも石化。

サンチョとともに逃げた息子がストロスの杖で元に戻して、最大の敵・ゲマへと挑みます。

 

登場人物についての違和感

主人公の名前はリュカ(小説版書いている人が、勝手に名前を使われたと訴えてるみたいですけど)。

ドラクエの主人公は基本的にしゃべりませんが、もちろん今作では喋りまくりです。

3D映画特有の人物の気持ち悪さはやや残りますが、それより性格に違和感がありました。

勇者を探す、ゲマを倒すのは面倒そうですし、フローラと結婚できると聞くとはしゃいでブオーンを倒しに行く。

やはり喋らない方がいいなあと思っていました(エンディングを見るまでは)。

 

次にヘンリー。高慢な性格は原作通りでしたが、一人称が「余」というのに違和感。

余を使いこなせるのは、ダイの大冒険のバーンくらいかと思っているので。

さらに大人になっても主人公がヘンリーに敬語なのにも違和感。

サラサラヘアはいいけど、声もイマイチでしたね。

 

続いて天空の花嫁候補たち。

フローラは、原作通りというか、私のイメージ通りでした。お嬢様でおしとやか。ただ、CGに違和感があり、不気味の谷(そんなリアルじゃないけど)感が少しありました。

ビアンカは、「名の知れた旅の魔法使いの姐御で酒豪」みたいなキャラになっており、実際にいたら迷惑だろうなあという感じでした。ただ顔はかわいい…かと思いましたが、四白眼がちょっときつい。

デボラ?知らない子ですね。

ルドマンはワンピースに出てきそうな奇形になっていました。

 

そして、一番悲惨なのが娘。原作では主人公の子どもは双子設定ですが、娘の存在は今回はバッサリ消されました。

息子はアルスという名前が付けられてますが、オーソドックスな少年キャラです。

 

映画とは関係ありませんが、大人になるとサンチョの忠臣っぷりに涙が出ます。

 

違和感の回収とエンディングについて(ネタバレ)

この作品を語るうえで、エンディングについて触れないわけにはいかないので、完全ネタバレで書いていきます。

作中、登場人物に感じた違和感はアレンジ・脚色なので別にいいかと思っていたのですが、それ以外にも、いくつか細かい違和感がありました。

しかし、これらはエンディングにて回収されました。

例えば・・・

・子ども時代がずいぶんあっさり過ぎたこと

・主人公にやる気がなかったこと

・モンスターを倒すと、細かいブロックのようにバラバラになること

・ドラクエの世界観で「ロボット」という単語が普通に通じること(これは普通?)

 

それではエンディングについて述べていきます。

 

リュカ達はマスタードラゴンの力を借り、母・マーサがいる空中神殿へ向かいます。

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リュカ、ビアンカ、アルス、ゲレゲレ、スラリンのパーティでゲマ軍団に挑みます。

圧倒的な数を誇るゲマの配下のモンスター達に、パーティはいきなりピンチに。

 

そこへ一隻の船と巨大なモンスターが登場。

ヘンリー率いるラインハットの兵隊たちと、それを担いできたブオーンが援護にかけつけ、一気に逆転。

 

リュカはゲマと一騎打ちになり、何とか倒したかに見えました。

しかし、最後の力を振り絞って魔界の門を開こうとするゲマ。

そこにアルスが天空の剣を投げ込み、門は封じられたと思われた…が。

 

しかし、そこでリュカを除き、世界の全ての時間が完全に止まります。

 

突然のことにうろたえるリュカでしたが、魔界の門から降りてきたのは、我々がゲームで戦った、魔導士の姿または変身後のピンクっぽいミルドラースでもありませんでした。

強いて言えば、ポケモンのデオキシスから色を抜いたような、白い坊主。

(一応、これもミルドラースという名前らしいです)

 

時間を止めたミルドラースは主人公に語り掛けます。

「思い出せ。お前はVRでドラクエの世界を体験しているだけ。この世界はプログラムであり、ここにいる仲間もモンスターも全てはデータに過ぎない」(内容は適当です)

 

つまり、主人公は近未来のただの青年で、これまでの冒険や結婚は、ゲーセンのようなアミューズメント施設で、「VRドラクエV 」のプレイを申し込み、脳内でドラクエ5の主人公の仮想体験をしているだけだった。この世界も当然、ヴァーチャルの世界。

 

先ほどの違和感についても、それで説明されていました。

主人公が時折やる気がないのは、ただの若者だから。

少年時代がダイジェストだったのは、「ようしょうきカット」オプションを選択していたから。

倒されたモンスターがバラバラのブロックになるのは、プログラムが破壊されていたから。

「ロボット」(実際はメタルハンターみたいな敵)が出てきたのは、主人公がオプションサービスで「ロボットと戦いたい」という希望を店員に告げていたから。

などなど。

 

そして先ほどのミルドラースの正体は、このゲームのバグでありコンピューターウイルス。

本来の「VRドラクエⅤ」のミルドラースを消し去り、自分が成り代わったとのこと。

エンディングを迎えさせず、主人公をゲームの世界から現実に戻そうとする、どこかの愉快犯が作ったウイルスでした。

 

そんなミルドラースに対して「子どものころから、ゲームの中で冒険してきたのは現実だ!だから、これはもうひとつの僕の冒険だ!」と立ち向かう主人公。

しかしウイルスには勝てない…と思ったときに、スラリンが立ちはだかる。

実はスラリンは別のプログラマーの作った「アンチウイルス」だった。

 

スラリンの力を借り、偽ミルドラースを倒した主人公。

世界に平和を取り戻し、仲間たちとともに祝福を受けて、映画としてもエンディングを迎える。

恐らくその後、ゴーグルを外して現実に戻ったのでしょう。結局、この冒険はただのVRですからね。

 

ゲームの思い出というのは素晴らしい

私の、この映画を観るきっかけは「ドラクエⅤが映画化かあ、面白かったし観てみるか」というもの。

この映画のエンディングにあったのが「プログラムでできたゲームの中だって、立派な冒険だ!」というメッセージだとするならば、それには大変共感できます。

 

ドラクエⅤの思い出については過去にも軽く記事にしています。

父親が殺され、奴隷となったところから、結婚・家族の形成などストーリーとしてもワクワクしましたし、モンスターが仲間になる等のゲームシステム、ちょうどいい難易度のゲームバランスなども好きでした。

 

そのような思い出について「所詮ゲームでしょ」と言われたとしても、「だけど楽しかったし、良い思い出だ」と言えます。

(大人になると少し同意しなくもないですが)

 

www.gk-gk21.com

 

「ドラクエの映画」としては、どう評価したらいいだろうか?

しかし、ドラクエの「映画」に期待するのはそれで良かったのでしょうか?

結果、どこかの青年がVRドラクエをやっていただけの話であり、流行り(?)の言葉で言えば「子ども部屋おじさん」のような。

ミルドラースも「大人になってもゲームばっかりやってんじゃねえ!」っていう説教臭い意見のウイルスでしたしね。

 

純粋にきちんとドラクエの世界観のまま、終わっていた方が良かったのではないでしょうか。

奇をてらう必要のない、十分な世界観とストーリーを持つのが、ドラクエⅤという原作ゲームだと思います。

 

かといって「つまらない」または「ぶち壊しだ」と言われると、そこまで酷評するでもないかなあと。 

レイトショーにしてはずいぶん多くの人が入っていましたが、若者よりも私のようなスーファミ版ドラクエのストライク世代には、「気持ちは分かる」という共感は得られるかもしれません。

ただ、共感できるからといって面白いかは別の話。

 

意見が私の中でも賛否行ったり来たりですが、総じて10点満点で5~6点かなあ。

荒れてそう…と思ってここまで書いてみて、Twitter等みると、案の定でしたね。 

どちらかというと、やはり否定的な意見が多いようです。

 

まあ内容だけ知るのではなく、実際に観てみないと、ご自身が感じることは違うと思いますのでぜひ観てほしいなと思いました。

それが、あなただけの”ユアストーリー”になるかもしれません。

↑↑上手いこと言おうとして失敗したパターン。

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