色違いニョロモを捕まえる旅が予想よりも早く終わり、かつ体力が限界だったので、芸術に逃げることにしました。
Twitterなどを眺めていて知った、森美術館で開催中の「塩田千春展 魂がふるえる」に興味が湧いたので、寄ってみることにしました。
ただ、私にはよく分からなかったんですよね。
まあ作品は基本OKなので、ざっと概要と感想などを。
- 塩田千春と、塩田千春展の概要
- 森美術館は(ほぼ)撮影・ネットUPがOK
- 作品を観てみよう
- どうやら赤い糸が好きらしい。
- 別の作品を観て行こう
- 終わりに、別の人の映像作品も
- 塩田千春展の感想まとめ:イマイチ!
- 森美術館について
- 過去のアート系記事
塩田千春と、塩田千春展の概要
塩田千春氏は、1972年生まれの現代美術家。ドイツ在住。
詳しくはWikipedia様をご参照ください。
作品については、同氏のホームページにはこんなことが書かれていました。
生と死という人間の根源的な問題に向き合い、「生きることとは何か」、「存在とは何か」を探求しつつ、その場所やものに宿る記憶といった不在の中の存在感を糸で紡ぐ大規模なインスタレーションを中心に、立体、写真、映像など多様な手法を用いた作品を制作。
【塩田千春 公式ホームページ】
森美術館は(ほぼ)撮影・ネットUPがOK
さて、通常なら美術館の話で画像なんてほとんどないのですが、今回は違います。
森美術館の作品は、ほぼSNS等でアップしてOKですので、今回も堂々とあげておきます。
これは個人的には良いと思います。
他の美術館でも、(一部のみでも)撮影OKにしてもいいのではないでしょうか。
アートなんて生で観るのが一番ですし、特にこうしたインスタレーション(覚えたて)は、体感することがメインになります。
とはいえ、そのきっかけにはネット・SNSによる画像の情報インパクトはかなり強力ですし、これを上手く使わない手はありません。
写真目当てで来る輩は、本末転倒だと思いますけどね。
作品を観てみよう
塩田千春展の作品には、絵画などもありますが、ほとんどが「インスタレーション」と呼ばれるもの。
こちらは少なめな絵画。
私も知らなかったのですが、インスタレーションとは、部屋・野外など空間にオブジェや装置を置いて、芸術表現とするものだそうです。
つまりは、パレットや石膏だけが対象ではなく、空間そのものをアートとする技法ということですね。
そういう意味では、音や匂いも含まれるでしょうし、場合によっては温度や風など触覚も関連するということでしょうか。
まず、一番インパクトがあり、拡散もされているのがこちらの作品でしょう。
糸はもつれ、絡まり、切れ、解ける。
それは、まるで人間関係を表すように、私の心をいつも映し出す。
というわけで、部屋一面に赤い糸が張り巡らされたこの作品。
こういうのがインスタレーションというのでしょうね。
多くは、天井や壁に張り付いていて、ところどころ、ボートのような形をした器部分が柱になっています。
色、大きさといいインパクトはありますし、この写真を観て、私も行きたいと思いました。
ただ、実際に観て体感してみると、思ったほど感動がありませんでした、というのが正直な感想です。
こういうのは感覚的かつ衝動的なものなので、生で観ることで、その空間に入っていくことで「うわああああ」と感動することもあれば、「ふーん」と思うこともありますが、それを上手く説明できません。
ただ、私のたましいは震えなかったのが事実です。
そのせいか、こんなことして遊んでいました。
ほぼ全員が写真を撮っていましたね。作品の解釈は、いまいちわかりません。
どうやら赤い糸が好きらしい。
別の場所で発表された同種の作品が、写真として掲載されていました。
学校?のようなところで、天井から大量の赤い糸が垂れ下がり、そこに塩田氏(だと思います)が横たわっている「作品」。
その他、自らも赤い色をかぶり、自身もキャンパスとして作品の一部になったとのことです。
以降、自分自身の体も作品として使い始めたそうな。
これなら俺でも描けるわ!と思ったら、5歳の頃の作品だそうです。
別の作品を観て行こう
その他の作品について、いくつかご紹介。
まずこちらは、牛の頭骨を大量に並べ、その真ん中に横たわるという作品。
映像作品なので、画像はありませんが…
こちらは、塩田氏が全裸で崖に登っては転げ落ちるという作品。
こちらは「一本の線」という作品。
こちらは、張り巡らされた黒い糸に赤い絵の具をつけ、その垂れた様子を展示した作品。
神々の戯れという作品。
こちらは、長さの泥まみれのドレスを吊り下げ、上のシャワーから水が流れ続ける作品(作品名:アフター・ザット)。
「ドレスは体の不在を表し、どれだけ洗っても皮膚の記憶は洗い流すことができない」
同じく、映像作品ですが…
泥水の湯船に入った塩田氏が、延々と頭から泥水を被っている作品。
透明の管に赤い水を流していき、全部が赤くなるまでを記録した映像作品。
ここでも全裸です。ポロリもあるよ。
作品というよりは、ドイツでの塩田氏の自宅では、このようなミニチュアを大量に並べていたとか。
今度は、黒い糸だらけの作品。
黒は広大に広がる深い宇宙を、赤は人と人とをつなぐ赤い糸、または血液の色を表す。
まるで、私のなかの心の宇宙と外の宇宙をつなぐように、糸は絡まり、ときにピンと張り詰める。
その関係性はいつまでも途絶えることはない。
焼け焦げた(匂いもあるので、実際に焼いたようです)椅子やピアノが糸に絡まれています。
ピアノも大半が焼かれていますが、ピアノの体は保っています。それを鑑賞するかのように焦げた椅子が並べられています。
ベルリンの窓ガラスを集めて貼り合わせた作品。
その他、舞台美術もやっていたそうです。
こちらは映像作品なので、なかなか説明が難しいのですが…
先ほどの黒い糸の作品のような、蜘蛛の巣状に糸が張り巡らされた空間を、ダンサーが縦横無尽に登っている舞台作品が上映されていましたが、それは観たことあるような。
最後は、たくさんの旅行用トランクが、階段状に続いている作品で終わり。
終わりに、別の人の映像作品も
塩田千春とは別に、映像作品がいくつか別室で上映されていました。
ただ、観る人を選ぶというか…私は不快感の方が強かったですね。
塩田千春展の感想まとめ:イマイチ!
ファンの人がもし読んでいたら、怒らずに読んでもらいたいのですが…
私には、正直なところほとんど面白くなかったです。
それは私が氏の事も知らないですし、美術鑑賞のレベルも低いせいもあるでしょう。
逆に言えば、一般の方は本当に面白いと言っているのでしょうか?
確かに、「ああこんなこと考えてるのね」的な物珍しさは多少理解できましたが、私にはそれ以上でもそれ以下でもありませんでした。
その世界観はやはりアーティストのモノであり、私のモノにはなり得ません。
それは当たり前なのですが、それでも面白いものと、よく分からないまま終わるものとが分かれてしまいます。
今回は後者だったのですが、最後は好みの問題ですから、それもまあ仕方ないんですかね。
「インスタレーション作品は、行って体感してこそ」とは思っていますが、先ほども言った通り、私の魂は震えなかったです。
直島のアートも、今にして思えばインスタレーションというジャンルだったのかと学びましたが、そちらはそれなりに響くものがありました。言葉にするのは難しいですが。
お値段も1800円と、美術館の中ではそこそこのお値段しますしね。
実は「PIXARのひみつ展」と共同チケットで入れるのですが、この日はあまりに混雑していたので「値段は1800円で変わらないけど、塩田千春展のみなら並ばなくていいよ」という甘言に乗ってしまったのが失敗でした。
ふなっちょをPIXARから出してもらうには、きちんとPIXARも研究すれば良かった(値段一緒だし)。
森美術館について
森美術館って行ったことがなかったかもしれない。
仕事で森ビル自体は何度か行ったことがあるんですけどね。
受付が3階で、実際は52階で、帰りは一度51階に降りて…と極めて分かりにくかったですね。
そしてやたらとドラに染まっていました。
「PIXARのひみつ展」と「進撃の巨人展」が大盛況のようですが、
もっと美術慣れしている方は、良い感想が得られ、そして書けるのではないでしょうか。
私も他の人の感想をもう少し読んでみたいと思います。
過去のアート系記事
そのほか、こんな美術館や企画展等に行っています(企画ものはもう終わってますけど)。