珍しく、超ローカル話。
2019年8月31日に88年の歴史を終えて閉店を迎えた「中島書店」について。
昔は千葉市民だったのですよ。
千葉市民は中島書店を知っているか
私は千葉市内の高校に通っていたのですが、同じ千葉市内の高校に通っていた同世代の方は「中島書店」を知っているのではないでしょうか。
なぜなら教科書販売と言えば中島書店であり、好むと好まざるとに関わらず、行く機会は結構あったのです。
教科書以外でも、大学受験の参考書などはここで買っていました。
どこの出版社か探しても思い出せませんでしたが、数学や古文の問題集が1冊5~600円という破格で売られており、予備校に行かずお金もなかった私には非常に助かった思い出があります。
大人になると必要な用事はなくなり、また実家を出てからは物理的距離も出てきたため、少し足が遠のいてしまいました。
それでも千葉県庁から近いため、県庁仕事の後に千葉駅に向かう道すがら、時々寄っていたものです。
しかし、近年は年に数回レベルの訪問でした。
銀座通りの衰退
商業環境的に言えば、中島書店のある銀座通りは厳しい環境でした。
「銀座」がつくことから分かるように、かつては栄えた地域でした。
特に中島書店の周辺は昔は「蓮池」と呼ばれる花街で、多くの飲み屋があって芸者などが闊歩していたそうです。
しかし、JR千葉駅が今の位置に移転して以降、商業の中心はどんどん今の千葉駅周辺へ。
決定的なのが、2016年以降のJR千葉駅(駅ビルのペリエ)のリニューアルと、銀座通りにあった「PARCO」の撤退。
これによって、駅前の商業機能が更に強化され、一方で銀座通りの商業機能は失われました。
今では空きテナントも目立っています。そして立ち並ぶビル群もいかんせん古めかしい。
そんな銀座通りにある中島書店でしたが、報道等によれば近年は本業の書店業は赤字、教科書販売などで何とか経営していたそうです。
やはり、人通りも激減し、書籍離れの続く現代では小規模(ここは中規模?)書店では生き残ることは難しい。
老舗であっても、勝てないと分かれば撤退を余儀なくされます。
私自身も、店の前を月に1度通るか通らないかくらいの頻度でしたので、閉店するという事実はネットニュースで8月下旬になって知りました。
約88年というのは重みがあるなあ。
これからの銀座通り
同報道では、「新しい街づくりに理解のある人に場所を譲る」的なことが書かれていました。
PARCOの跡地には、これから大型マンションが建設予定。
その他、周辺にはタワマンなど、まだ人口としては残っている地域です。
また「周辺地区再開発のため移転します」という看板が貼ってある店もありました。
もしかしたら、銀座通りの復興もあり得るかもしれません。
こういう、面白いカフェもありますしね。
その際、千葉駅周辺と被った、どこにでもある商業街にしても仕方ありません。
また、千葉駅周辺の客引きのレベルの低さは、私がこれまで行った駅前でも最低レベルです。
徒歩10分程度しか離れていないとはいえ、そういったところと差別化できるような街になってくれるといいのですが。
最後のお買い物
最終日には買い物に行ってきました。
店員さんからも「長い間ありがとうございました」と言われ、「こちらこそありがとうございました」と返しておきました。
ちなみに最後に買った本はこちら。
興味のないものもありますが、半ば無理やり記念として買ってみました。
やはり教科書や参考書を買う店という印象が強かったため、小説より学術的な本を買ってしまいました。
漢検は万年筆の練習帳的に買いましたが、せっかくだから受けるか?