「文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る」 松原隆彦
物理学を学校で学んだことがないので、いまいちピンときていません。
天文物理、理論物理、実験物理などいくつもジャンルがあるようですが、個人的には物理学が最強の学問ではないかと考えているので、少しかじってみることにしました。
月ってよく考えると凄い
地球の地軸が公転面に対して23.4度傾いており、それによって太陽光の入り方が変わってくるため四季が生まれてくる、というのは知っていました。
しかし、23.4度で安定しているのは、月の重力があるからというのは初めて知りました。
月が無ければ、公転面に対する角度がぐるんぐるんと変わってしまって、四季どころか朝が来ない、なんてこともあり得るとか。
また、1周24時間のペースで回っているのも月の引力のせいで、それが無ければ5~8時間と4倍以上のスピードで回るそうです。
月の引力で潮の満ち引きが起きるというのも未だに信じがたいのですが、月のパワーと言うのは私の想像以上に強いんですね。
相対性理論も分かるようで分からない…
ニュートンは万有引力の法則を発見しましたが、それ以上に重力と時空の理論を進展させたのはアインシュタインでした。
相対性理論で有名ですが、一言で言えば「光速は常に一定」ということ。
言い換えると「時間ですら一定ではない」ということです。
光速に近づくと時間がゆっくりになる…というのは聞いたことがありました。
光速に極めて近いスピードで光と並走すれば光は遅く見えるはずですが、そんなことはなく秒速30万kmのまま、というのが相対性理論の基本です。
つまり、光はさておき、光速に近い速度(亜光速)で走るふなっちょから見ても、光は同じ時速30万kmのスピードで駆け抜けます。
つまり、速さ=進んだ距離÷時間なので、時間がずれているというのがアインシュタインの気づきです。
そんなふなっちょを停止した人が見た場合、停止した側から見れば、ふなっちょは時空が歪んでいて時間がゆっくり進んでいるように見えます。
ただ、あくまで観測者からみただけであって、高速・光速移動すれば時間が止まるとかそういうスタープラチナ的な話ではありません。
時空の歪みが日常でも起きている感覚
スカイツリーのてっぺん(634m)と地上0m地点でも「時空の歪み」は起きているそうです。
スカイツリーのてっぺんの方が、「1日当たり100億分の1秒」だけ時間がズレているので、100億日経てば1秒間の時間のズレがあるそうな。
当然、実感できるわけもないのですが、それでも時間がズレているなんて、全くピンとこないなあ。
ちなみに先ほどの引力の話も、ニュートンは単に「あらゆるものに引力がある」という話でしたが(実際は私が理解できないくらい高度なんでしょうけど)、アインシュタインは「質量を持つものは時空の歪みによって引き合っている」という、引力の正体まで明かしました。
で、この辺りからもう付いていけないというか、理解できない領域に…
光は波でもあり、粒でもある。観測したときは粒だが、それ以外は波の状態。
なので、波として存在している場所を知ることはできず、あくまで「確率」として「ここに多く存在しそう」ということしか言えない。
物理学の中で、「存在が確率に依存する」という時点で、物理素人の私の感覚では、もう科学の大前提が崩壊してしまったような感じがしました。
かのアインシュタインも、量子力学の確率論については最後まで批判的だったそうで、私とアインシュタインの数少ない共通点です。私に理論はないけど。
物理学は果てしないなあ
途中から、私も何を書いているのかよく分からなくなりました。
そもそも高校でも物理を学んだことがないので、ほとんど物理学の基礎知識からありません。
等速直線運動の滑車とか、ピサの斜塔から鉄球を落とすくらいしか知らないのです。
そこでいきなり宇宙について、時空について、というのは高度過ぎます。
そして本書では、「これは証明されている」となっていることが多いのですが、どうやって証明できているのか全く想像がつきません。
光速が(光以外で)再現できるとは思えませんし…理論物理学ってことか?
うーん、難しい、難しい。
しかし壮大なロマンは感じるように思います。
時空が歪んでいることが実証され、かつ再現されれば、いつかワームホールによってタイムマシンができることもあるとか。
本書の話に戻りますが、そんな興味を惹くような話題については豊富に載っています。
肝心なところは「証明されている」程度の説明ですが、入門書としてはそれくらいでいいように思います。
E=mc^2くらいしか物理の式を知りませんが、それ以上の数式やら論文やらを出されても困りますしね。