「生き抜くチカラ ボクがキミに伝えたい50のことば」 為末大 著
ほとんどスポーツ知識のない私でも知っている数少ないアスリート(オリンピアン)である為末大氏。
他に分かるのは、室伏広治、高橋尚子、吉田沙保里、北島康介くらいでしょうか。
為末選手といえば障害物競走ですが、引退した今ではビジネス界で投資家的なこともされているようです。
そんな彼の最新著作がこちら。
こどもに向けた50の言葉
あらすじというものはありません。
為末大氏が選んだ50の言葉が書かれており、そこに簡単な解説があるというもの。
1つ目を抜粋いたしますと。
失敗は「すべて」ではなく、成功への道のりの「一部」
少しの失敗で「すべてが台なしになる」「いままでの努力が無駄になる」なんてことはない。
失敗も含めて成功。失敗の先には成功が待っているよ。
(本書より、以下同じ)
こんな感じのキーワード+解説+挿絵で見開き2ページ構成。
ところどころに「為末さんへの質問」というコラム的なものが入っています。
全編がこんな感じで、平易な文章で書かれています。
単純に子供向けの綺麗ごとだけではない
この本で最も評価するところは、綺麗ごとだけではないことです。
よく子どもの可能性は無限大だとか言いますが、そんな子供いるわけありません。
例えばこんなもの。
人生には、がんばっても「ダメなものはダメ」ということもある。
努力を無駄と言い切るのは難しいですが、無駄な努力はしない方がいいということ。
何でもかんでも否定から入るのもよくありませんが、かといって諦めが肝心ということも大切なことですね。
「好きなことをやる」ではなく「世の中に求められていることをやる」もアリ
「好きなことで生きていく」というフレーズが、動画サイトのCM等を通じて何年か前に流行ってました。
まあそれで生きていくのも自由ですが、そんな人ばかりでは今の利便性の高い社会は成り立たないでしょう。
「人の役に立つ」という価値観は大事なのかもしれません。
私は「自分の役に立つ=収入が得られる」という視点が一番の仕事の動機です。
今の仕事が果たして人の役に立っているかは分かりませんしね。
このブログは「時間の大切さを伝える」ブログですので、人の役に立っていると信じています。
「やればできる!」は、成功した人だからいえるセリフ
これも然り。
だいたい有名人の講演などを聞いたところで、結局は「違う世界の人」と思ってしまうこともしばしば。
同じ努力をしたところで、タイミングや運に大きく左右されます。
さらに、それが行き過ぎると、どこかの居酒屋の社長みたいに「自分ができたから全員できる。無理というのは言い訳でしかないんですよ」というブラック化につながります。
大人向けと言ってもいいと思う
子供に贈る言葉だそうですが、と言ってもどのくらいの年代が対象なんでしょうか?
全ページに振り仮名が振られていますが、例えば「人生(じんせい)」が読めないような子供にはまだ早すぎるような。
と考えると、小学校高学年~中学生くらいがメインなのでしょうか。
ただ、上に例文を書いた通り、大人(新社会人など)が読んでも十分な気もします。
なるほどなあと感じるところもありますし、逆にこういった文章・文体の方が刺さる人もいるんじゃないでしょうか。
読むだけならば10分で読めますが、噛みしめると3~5倍くらい時間がかかるでしょう。
こんな絵本もあるよ!
一部地域で大好評を博した、実話を基にした「ふなっちょ絵本」。
まだ出版は可能です。
デジタルでも大丈夫なように、イラストレーターで画像が保存してあります。
印税お待ちしております。