先斗町のバーで一杯飲むという行為に憧れがありました。
今回のひとり旅は、そうした細かい「積み残し」を埋める旅。
というわけで、先斗町のバーで一杯やった話。
- 先斗町への憧れ
- 体調が致命的に悪かったけど
- BAR 凛ト に入る
- 鴨川を臨むバー空間
- バーでカクテルを頼む
- コロナウイルスの影響と先斗町と
- 「先斗町でお酒をたしなむ」をクリア
- 余談:夜は短し歩けよ乙女に出てきたバー
- 酒っぽい過去記事
先斗町への憧れ
先斗町(ぽんとちょう)というのは、最初全く読めませんでした。
感じでパピプペポって少ないですし、「せんとちょう」かと思ってました。
初見では日暮里と同じくらいの難易度だと思います。
いずれにしても、その変わった名前に興味を惹かれました。
たぶん最初に先斗町を知ったのは、森見登美彦作の「夜は短し歩けよ乙女」もしくは「有頂天家族」のどちらかだったと思います。
その後、実際に京都の先斗町を歩いたのち、何とも言えない風情を感じたモノでした。
で、こんなところで酒を飲みに行けるようになれば、私も大人だろうなあと思いまして。
そんな気持ちを持ったまま京都には2回ほど行ったのですが、何となく先斗町界隈をうろつくだけで、「ぶぶ漬けでも投げつけられたらどうしよう」とか怯えておりました。
しかし、今回でそれも終わりです。
体調が致命的に悪かったけど
この時、体調はかなり悪かったんですよね。
元々むち打ちのせいで背中が痛くなる時があるのですが、それがものすごく悪化して肺の方にも痛みが周り、呼吸がやや苦しく、軽く吐き気を催すくらいでした。
それが常にというわけではなく、1分くらい平気⇐⇒1分くらいその状態という繰り返しでした。
そのため、何度か先斗町を出たり入ったりしながら、「この状態でバーなんぞに入るのは平気なのか」と躊躇ったり、「今行かなければ、また何年か空くぞ。そもそも今は観光客も少ないチャンスだ」と思いなおしたり。
そして「先斗町のれん会」のホームページなどを見ながら、結局は1件のバーに入ることにしました。
こういう所で紹介されているところならば、理不尽に高いということもないでしょうからね。
BAR 凛ト に入る
そして今回お邪魔したのがこちらのバー「凛ト」さんです。
「りんと」と読みます。
四条河原の交差点側から先斗町の通りに入ると、すぐ右手にあります。
のれんは地上からも見えますが、実際にはお店は地下にあり、のれんの先はすぐに下り階段です。
恐る恐る階段を下っていくと、トビラがいくつかありましたが、そこでバーテンダーの方が気が付いてくれ、中に通してもらいました。
鴨川を臨むバー空間
中はカウンター10席ちょいと、個室1個。
茶室をイメージしたとのことで和風テイストも残りつつ、バーっぽさもありつつ。
そして先斗町の地下1階ということは、隣を流れる鴨川とほぼ平行の高さ。
カウンターの向こうには、鴨川がよく見える立地となっています。
写真は反射しちゃって少し見づらいですけどね。
バーでカクテルを頼む
普段全く酒を飲まないですし、飲むとしても居酒屋が中心で、恥ずかしながら三十路をとうに過ぎてもあまりバーに行ったことがありません。
まして、けっこう本格的な、お酒を楽しむためのバーでした。
カフェバーみたいなところとか、ビールバーとかなら行ったことも多いんで分かるんですけどね。
まあここは知ったかぶっても仕方ないので、バーテンダーさんに「甘めのをください」と注文。
メニューを見せてくれ、フルーツ系の「せとか」入りのカクテルをチョイス。
「せとか」という果物を知らなかったのですが、有名なんでしょうか…
そこも正直に「せとかって何どす?」と聞いたところ、「ミカンとオレンジの良いところ取りみたいなもの」とのことでした。
味が柑橘系というよりもパイナップルっぽいなあと感想を漏らしたら、クリームチーズなども入れているとのこと。
カクテルにクリームチーズという発想はありませんでしたが、これはこれで美味しかったです。
2杯目は「なんか京都っぽいのありますか」という無茶ぶりに近い注文でしたが、ありました。
画像がブレッブレですが、「季の美」という京都で作られたドライジンがあるとのこと。
それを使ったのがこちら(名前は忘れてしもうた)。
柑橘系(シトラス?)も入っていて、さっぱり系でした。
バーテンダーの方が渋かったですね。
たぶん年齢はそれほど変わらないと思うんですが、武田真治がヒゲを生やしたような濃い目の顔をしておられました。
客も私だけでしたので、ちょこちょこ話をしていたのですが、つかず離れずな絶妙な距離感で良かったです。
コロナウイルスの影響と先斗町と
この日(3月上旬)はコロナウイルス流行が真っ只中。
バーテンダーの方とも話をしたのですが、やはり京都も激減だそうです。
私が少し祇園~四条~先斗町~京都駅辺りを歩いた感じでも、数年前より明らかに空いていました。
まあそれでもバスは満員でしたし、人混みができているところもあるんですけどね。
そして話は先斗町について。
先斗町も老舗が立ち並ぶイメージですが、店舗の新陳代謝も結構盛んらしく、短いと半年程度で撤退していくお店もあるとのこと。
先斗町は南北に伸びていますが、ざっくり言うと東側=鴨川側は老舗が多く、西側は一部新店が出たり入ったりするところもあるそうです。
確かにチェーン店である牛カツ屋の「勝牛」が先斗町にあったのは驚きました。
また、コロナウイルスのこのブームの最中に開店したお店もあるそうで、せっかくのデビューなのにかわいそうな話もあるもんです。
「先斗町でお酒をたしなむ」をクリア
席料で1,000円かかり+お酒2杯で4000円ちょいですが、立地と雰囲気を考えればこれくらいかなと。
フードメニューもあればもう少し長居したのですが、私の体調に不安もありましたので、30分ほどで退店しました。
というわけで、凛トさんは大変落ち着けるいい雰囲気のお店でした。
デートなどにもいい場所なんじゃないでしょうか。
この日は日中は雨も降っていましたが、夕方からは晴れ渡り、夜には満月も。
南座のライトアップと合わせていい雰囲気ですね。
これで長年の小さな夢「先斗町でお酒をたしなむ」というのをクリア―しました。
次は何を目指そうかなー。
余談:夜は短し歩けよ乙女に出てきたバー
さて、森見登美彦作品で「夜は短し歩けよ乙女」に出てきた(モデルになった)のは、ここではありません。
モデルとなったのは、正確には木屋町(先斗町のほぼ隣の通り)にある「moonwalk」というバーのようです。
1杯200円という格安のお店だそうですが、実際には結構ガヤガヤしていてバーというより大衆居酒屋っぽいような感じのクチコミでした(店内はオシャレっぽいですが)。
元気だったら行っても良かったのですが、凛トさんが思ったより満足度が高かったので、これもそのうち行くかもしれないリストに追加しておきます。
酒っぽい過去記事
【越後湯沢駅で日本酒】
【西表島で酒】
【もはや存在すら透明になった、透明な酒(ノンアル)】
【酒蔵のカフェ】