今回はショート記事です。
昨日の続きのようで、そうでもない話。
「好きの反対は無関心」の由来
元々は、マザー・テレサの言葉である「愛の反対は憎しみではなく、無関心です」という言葉に由来するようです。
そのマザー・テレサの思想は聖書に大きく傾倒しているため、つまりは聖書の中にある「隣人を愛せよ」とかといった考え方に基づいています。
私は宗教に明るくないのですが、「神に関心を示さないこと」自体が罪であるため、「神を愛する」の対義として「無関心」が出てきたのではないでしょうか。
それでも一般的に「好きの反対は嫌いじゃないの。無関心なの。」ということをよく聞きます。
よくある説明を解釈すると、嫌いということは少なからず対象に関心を示しているということになり、感情・興味を抱いているという点では等しいということのようです。
単なる言葉遊び
マザー・テレサを否定する気はありませんが、「愛情の反対は無関心」というのはあくまで一つの解釈であって、私にはあまり腑に落ちません。
この言葉は単なる言葉遊びであって、シンプルに「好きの反対は嫌い」というのが私の意見です。
無関心の反対は「興味がある」であって、そこに好き・嫌いは関係ないと思います。
強いて言えば、「好きも嫌いも関心がある状態⇔無関心は無の状態」という対比はできるかもしれませんが…
ならば嫌いの反対も無関心となってしまい、もはや論理破綻してしまいます。
マーケティングにおける好きの反対は…?
で、私のようにひねくれた人間にはだいたいテレビCMなんて大半が嫌いなんですよ。
特に携帯電話関連のCMは狙い過ぎてつまらない上にすぐ更新してばかりで、そんな金があるなら1円でも安くしてくれとしか思いません。
後はインフラ系ですね、東京ガスのCMに深田恭子やら寺田心がいるのか?とか。
まあこれらは選択肢が少なく、ほとんど選べないので文句を言いつつも使わざるを得ないのが悩みどころですが。
それでも、代理店や広告担当がよーく考えたCMがつまらないのは仕方ないとして。
いわゆる「炎上マーケティング」のようなものがありますね。
つまり、最初から炎上して話題になることを狙って過激なことを発信するというもの。
そこで出てくるのが「話題になる=関心を集めたら勝ち」みたいな思考がまかり通るわけですね。
確かにPV数や検索数が指標であれば、それはいいかもしれません。
また、タレント的な存在であれば話題性さえあればいいでしょうし、その「話題性」のみを抽出して使いたがる企業もいますから、それはそれでいいのでしょう。
嫌いになった企業の商品買いますか?
ただ、BtoC企業においてこの理屈が成り立つでしょうか?
皆さんは嫌いになったものは買うでしょうか?
私にとっては「CMが嫌い」というだけで十分に不買の理由になりますし、選べるならばそんな企業には関わらないようにします。
「CMが嫌い」も「つまらん」とか「うるさい」とか「繰り返し過ぎ」程度のことでも嫌いになります。
まあCMはほとんど観ないため影響が少ないですが、一度嫌いになったお店には基本的に行きませんし、商品が悪かった場合には2度と買いません。
酷いものについては、恐らくSNS・Twitter等で文句の一つも書くでしょう。
個人的に「伝説の〇た丼」には二度と行かないという話は、昔このブログでも書いたように思います。
もっと昔で言えば、電機メーカーの「SANYO」製品は買わないと誓ったこともあります。
私が根に持つねちっこいタイプというのもありますが、嫌いになったところは極力避けるのが普通ではないでしょうか。
ただしSNS時代が難しいのは、ある人は「嫌い」だと思って「負の情報発信」をしたとしても、それが多くの目に留まると「いいじゃん」と思う人も出てくるんですよね。
嗜好が多様化した現代においては、万人受けはあり得ないので、数%でも「いいじゃん」という人がいれば「マーケティング成功」ということも十分あり得ます。
購買したい度は当然好感度に比例する
とはいえ、「購買したい度」を表すと、以下になると思います。
【好きな企業>>特に何とも思わない企業(無関心)>>嫌いな企業】
広告代理店と話をすると、たまーに「話題になってPVが増えて~」みたいな話をする人もいるんですが、HPを閲覧した後の行動は、単なる話題性だけではコントロールできません。
好きになって見てくれた=PV数が増えたなら、もちろん購買にもつながるでしょうし、SNS等で好意を持って拡散してくれるかもしれません。
逆に嫌いだけど見るタイプの人は、PV数には貢献してくれますが、購買には至らないでしょうし、負の発信・拡散をするでしょう。
どうせ愛されないなら、知られなければいい
ちょっと名言っぽくしてみましたが、結論としては「どうせ愛されないなら、知られなければいい」と思います。
告白しても振られるのが分かり切っていて、あまつさえ「キモイ」とか言われるくらいならば、そんな気持ちは伝えない方がいいのです。
それと同じで広告・発信するくらいなら、きちんと正統派で言って欲しいものです。
「嫌われても勝ち」という考え方のモノほど、見苦しいモノはないですからね。
というわけで、炎上マーケティングは嫌いだし、無駄にCM打ってないでサービスに還元してほしいなあという話でした。
そんな話だったか?