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【読書感想】「星の子」。宗教にハマる両親とその子どもと。2020年映画化。

「星の子」今村夏子 著

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幼い自分を健康にしたことから、宗教にハマった両親と暮らす少女の物語。

2020年に芦田愛菜さん主演で映画化されるそうです(撮影できてるのかな)。

芦田愛菜さんってポニョじゃない方でしたっけ。

 

 

あらすじ以降、ネタバレを含みます。

 

星の子のあらすじ

主人公・林ちひろは中学三年生。

幼い頃は体が弱く皮膚も傷だらけであったが、両親が落合さんに教わった「金星のめぐみ」という水の効果で健康体になった。

以降、両親は金星のめぐみ、落合さん、更にはその裏にある宗教団体にのめり込んでいく。

ちひろは集会にも楽しく参加し、両親が家の中で、いつも頭の上(宇宙に一番近い場所)に金星のめぐみを含んだタオルを置いて悪い気から身を守っていることも気にならなくなっていた。

姉は15歳になったころ、そんな両親と折り合いが付かなかったため、出て行ってしまい、以来行方不明になってしまった。

 

成長していくにつれて、友達ができたり、恋をしたりするちひろ。

宗教の事は親戚や友達の間でも知れていって、周りから何か言われることも多く一部の人は去っていったが、それを気にせず受け入れてくれる友達もできた。

家族は相変わらずはまり込んでいるが、ちひろはそれを是とも否ともしないで過ごしていく。

 

以降、ネタバレを含みます。

 

伏線のようで消えていった姉

宗教にハマる両親と、その子ども。

普通のストーリー展開だと、子どもは宗教から逃れるとか、親が「行くとこまで行ききっちゃう」展開かなと思ってましたがそんなダイナミックな展開はありませんでした。

ちひろは親の宗教的行為も比較的受け入れていて、頭にタオルを乗っけていてもそんなに気になりません。

一度、学校の先生がその様子を見たときに「(ちひろの親とは知らずに)不審者がいるから気をつけろ!」と言われてショックを受けていましたが、それで両親に反発する様子もありません。

 

母方の叔父である雄三おじさんは、金星のめぐみを水道水とすり替え効果が無いと主張しましたが、それをきっかけに両親からは「出禁」を食らいます。

しかし、その水道水とのすり替えを手伝ったのは、ちひろの姉の「まーちゃん」でした。

まーちゃんは親に反発して出て行ってしまい、行方不明になりました。

両親は毎日祈りを捧げていたそうですが、その後は一切まーちゃんは話にも出てきませんでした。

とまあ、これは結局どうなったのやらというエピソードでした。

姉も存在感をあまり大きく発揮せず、本当に存在していたのでしょうか。

 

テーマは宗教?家族?

最後は、その宗教団体での全国合宿中のエピソードで終わるのですが…

 

↓こんな感じです。

 

行きのバスも宿泊施設も全国から集まった信者で溢れていて、両親ともすれ違ってしまうちひろ。

ようやく夜になって、両親に会うことができました。

施設から外出して、「星空」を観に散歩しようとなった親子3人は、「みんなで流れ星を見るまで帰らないぞ」ということになりました。

頭に乗せたタオルが凍り始めるほどの気温で、ちひろは少し疲れた様子でしたが「あ、流れ星」と立て続けに見つけていきます。

しかし両親は「流れ星あった?」「見えなかったなあ」「まだまだ」と見つけられずにとぼけた様子。

次第に、両サイドから両親が力強くちひろを抱きしめていきます。

「その夜、いつまでも星空を眺めつづけた」で終わっていきます。

 

↑こんな感じでした。

 

率直に言えば、ホラー的な終わり方だと感じました。

心底宗教を信じる両親が、急にちひろに関心を示し、受験勉強の具合などを聞いてくる。

流れ星は明らかにたくさん流れているのに、「いや見てないなあ」とすっとぼけた言い方をする両親。

次第に、ちひろへの両親の圧(物理)が強くなっていき、一晩を過ごしたらしい。

これはもはやホラー的な何かではないでしょうか。

 

ちひろはあたたかさを感じている一方で、「このまま眠ってしまえば、ICチップを埋め込まれ、薬を飲まされ、催眠術をかけられ、明日の朝には私は変わっているんだろうか…」と思っています。

これは変わりたいという願望なのか、はたまた「ハマってしまう恐怖」に負けた諦めなのか、最後の家族愛なのか…

 

ちひろの成長とともに当たり前だった両親と宗教。

まーちゃんや雄三おじさん、友達、先生など、周囲からおかしいと指摘されて違和感を覚えつつ、一方で家族も時に「普通の親」の面を見せていたため、「思うところはあるけどそれはそれでよし」と落ち着いて受け入れている感じですかね。

 

感想まとめ:どんな映画に?

これまたつかみどころのないお話でしたが、先が気になるという意味では面白い作品でした。

最後のオチが何を示唆するかは、それぞれの読み手に委ねられているのでしょう。

私ははっきり明示された方が好きですけどね。

 

宗教関連の小説では、もう少しえぐい話で「カリスマ(新藤冬樹著)」というのを読んだことがありますが、創作ならばという前提付きで面白かったですね。 

うろ覚えなので、機会があればまた読もうかな。

内容的にR-15~18くらいのイメージです。 

 

この「星の子」は、うさん臭い宗教が出てくる割にはクリーンな内容に感じました。

主人公がのめり込んでいるわけでもなく、両親もタオルを乗っけたり生活様式をがらりと変えたりはしているものの、カルトな表現はややマイルドだからでしょうか。

芦田愛菜さん主演で映画化もされるそうなので、そこにエログロカルト教団を持ってくるのも難しいでしょうしね。

 

ただあの終わり方で、どんな映画になるんでしょうか?

宗教があっても家族は家族、みたいな方向になるのか?

キャッチコピー、宣伝文句が気になりますね(観るとは言っていない)。 

 

 

あやしい水の話

今思うと、極めて何だかなあという話ですが、宗教ではないまでも、同じような経験が我が家にもあります。

私が確か中学生くらいの頃だったと思います。

今もそうですが、当時はアトピー性皮膚炎により全身が傷だらけであったため、夏でも肌を出すことがなく、顔には傷が無かったのは幸いでしたが、まあそれなりに不自由な生活を送っていました。

そこで母親が買ってきたのが、アルカリ成分がどうたらとかいう「ボトルに入った水」で、確か月当たり1万円くらいだったような気がします。

 

その水を全身に浴びればアトピーが治る…という触れ込みで、母親からは試しなさいと強く言われました。

まあそれなりの年齢だったので、意味ないだろと思いつつ、困っていたのは確かだったので一応試しましたが…

まあ単に水を浴びているだけですので、「冷たくて気持ちいい」程度の水道水と同じ効果以外は実感できませんでした。

私の「これは効果に対してお金がもったいない」という強い要望によって、2か月分くらいで済みました。

当時はもう少し強い言葉で否定したと思います。

今にして思えば、親も私を憐れんでの行為であったことは間違いありません。

自分で言うのもなんですが、「親思う心に勝る親心とやら(byさだまさし)」というのは、ありがたい反面、時として判断力を奪うのだなあと実感した思い出でした。

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