G-log 日々思うこと

GOです。旅・ゲーム・その他なんでも。雑記ブログなので、散らかしています。仲良くしてね。お問い合わせはTwitterかコメントで。

【読書感想】「マクベス」。シェイクスピアは初めてなの。

シェイクスピアといえば、劇作家界の最大の有名人でしょう。

彼の4大悲劇「マクベス」「リア王」「ミュージカルテニスの王子様」「ハムレット」も、名前だけなら私も知っています。

しかし、中身を全く知らないため、教養として一度触れておきたいと思ってました。

 

f:id:GK_GK21:20200626211514j:image

 

というわけで、今回は「マクベス」に手を出してみました。

ネタバレはあります。

 

 

あらすじ(ネタバレあり)

主人公であるマクベスは、優秀で忠実な武将として、スコットランド王ダイアンに仕えてきた。

ある日、同じくスコットランドの武将であるバンクォーと行動を共にしていると、3人の魔女に遭遇する。

そこでマクベスは「あなたは将来、コーダの領主となり、王になる」と言われる。

すぐさまコーダの領主の座に就いたことで、魔女の予言を信じ切ったマクベス。

 

そんな予言を聞いたと報告を受けた妻にも煽られ、マクベスはダンカン王を暗殺する。

さらに、王への造反罪は別の者に着せて、容疑者を殺害。

ダンカン王の息子たちは逃げ出し、マクベスは予言通り王の座につくことになった。

 

自らの手を汚したことで、罪の意識に苛まれるマクベス。

その反動からか、民衆に圧政をしき、暴君と呼ばれるようになっていた。

そして心には不安を抱えており、手を汚してまで得た権力に憑りつかれていた。

「子孫が王となるであろう」と予言を受けていたバンクォー。

親友であったバンクォーも、その予言が成就する=自身が王位を追われることを恐れ、刺客を送り暗殺してしまう。

 

一方、ダンカン王の息子の一人マルコムは、スコットランド貴族マクダフと手を組み、亡命先のイングランドの支援も受けながら、マクベス打倒を計画していた。

そんな中、マクダフはスコットランドに残した妻子が、マクベスによって全員殺害されたことを知り、激しい恨みを募らせた。

 

いよいよ決起したマルコム。

1万のイングランド兵を引き連れて、心の乱れた暴君マクベスを攻め入ります。

最後は、家族を殺されたマクダフによって首をはねられたマクベス。

マルコムは無事に王座に還りつくことになりました。

めでたしめでたし(?)

 

独特の表現

私も一度だけ地方テレビのニュース解説みたいな仕事をやったことがありますが、それ以外に台本というものをほぼ読んだことがありません。

あぁ高校の文化祭の劇もあったかな。さておき。

 

この「マクベス」は勝手に小説だと思い込んで買ってきましたが、実際には舞台の台本です。

さらに17世紀頃の作品であり、かつ外国語を翻訳したものということで、独特な表現が多々あります。

 

まず文章は、ほとんどセリフのみです。

マクベス ああ、不安が。本当にやっていいのだろうか?

夫人 何を言いだすやら!

セリフは適当ですが、表記もこんな感じ。 

 

セリフ部分以外はほとんど補足程度にしか描写されないため、

(マクベス、部屋を出る)といったような、カッコ内で多少の動きが表現されています。

ただ、すごくシンプルに(戦った末、死んだ) みたいな表現が多いです。

少年 あ、だめだ。お母さま、逃げて(死ぬ) 

こんな感じです。

なので、情景がイマイチ伝わってこない部分もありましたね。

 

またセリフ回しや理屈もちょっと珍しいです。

例えば、最後のマクベスとマクダフの決闘シーン。

マクベスは「俺はまじないつきで、女の腹から生まれた者には負けん!」という謎の理屈で自信過剰になっていました。

一方、マルコムも「俺は月足らずで、母の胎内から引きずり出された(現代風に言えば帝王切開的な?)のだ!」と自信満々に返します。

するとマクベスは、「その一言で勇気がくじけた!」と弱気に転じます。

そして殺されます。

 

謎の理論と、それをひっくり返した謎の理論と、そして心を折られた謎。

どっちみち女の腹から生まれたのでは?と思いましたが、そもそも女の腹から生まれた者には負けない、というのもよく分かりません。

翻訳の過程で、膣・産道を通っていない、というような表現をやわらげたのでしょうか?

 

マクベス感想まとめ

マクベスは冒頭では善人で有能、忠実な武将として描かれています。

が、魔女の甘言に瞬殺され、その後も罪の意識でおかしくなりながら、その不安を民衆にぶつけていたので、相当心の弱い人間だったのでしょう。

そういうサラリーマンも多そうですけどね。

と書きましたが、反乱分子になり得る貴族たちは殺害まで追い込もうとしていますが、民衆に対して圧政を行っている描写はほとんどありません。

 

最初の主人公はタイトル通りマクベスなのでしょうが、王となってからは、どちらかというとマクダフやマルコムが主人公のようです。

マクベスは人間的弱さを抱えているものの悪として描かれていますし、マクダフやマルコムは復讐と正義のための闘いに臨むヒーローのような存在です。

 

ストーリー的にはありきたりと言えばそうですが、これが数百年前の作品だと考えると感慨深いものもあります。

 

それにしても名前が紛らわしいんですよね。

マクベス、マクダフ、マルコム。

日本人で言えば、山田、山本、山村みたいな。

 

とはいえ、とりあえず4大悲劇のひとつのストーリーなどは多少分かりました。

ん、悲劇だったのか?誰にとっての悲劇なのか?

マクダフやマルコム、そしてスコットランド全体なんでしょうか?

 

次は他の悲劇作品をと思いましたが、「ロミオとジュリエット」も一緒に買ってきたのでそっちが先になるかもしれません。 

 

〝こんな記事もあります〞