「ニューロマンサー」 ウィリアム・ギブソン 著
SFの有名作品。
SF自体をあまり読まないのですが、年末年始で家にこもるために買ってみました。
買ってみたのはいいんですけどね…
先に言っておくと、私の読む体力が無くなって途中で諦めました。
(赤毛のアンに続いて2回目)
ニューロマンサーのあらすじ
主人公はケイス。
様々な依頼を解決に導く有能なサイバースペース・カウボーイだったが、依頼主を裏切った結果、能力を破壊されてしまった。
その結果、サイバースペースにジャック員することもできなくなった。
薄暗い「千葉シティ」で鬱屈として暮らすケイスだったが、謎の男・アーミテジから治療を受けることになる。
しかし、代償として体に毒物を埋め込まれ、さらなる難局へと引き込まれていく。
ハイテクでダークな世界
電脳空間(サイバースペース)なんてものができているくらい、ハイテクな世界です。
他にもホログラムがものすごく進化していたり、他人と感覚共有などもできます。
しかし、ドラえもんの22世紀みたいな華やかな世界ではなく、暗く重圧的で、退廃的な雰囲気が漂っています。
世界観と用語がさっぱり分からなく…
とにかく、内容を理解することが非常に難しい作品でした。
最初の100ページくらいまでは、何とかついていけたんですが…
例えば「最下層の棺桶(コフィン)」と急に言われても分かりませんが、これはカプセルホテルみたいなもののようです。
「ROM人格マトリックスがどう作用するか、知っているよね」
「ああとも。ファームウェア構造物だ」
「じゃ、おれの使ってるバンクにつないだら、逐次的(シークエンシャル)な実時間記憶(リアルタイム)を持たない」
「たぶんな」と構造物は答えた。
全ての文章がこんな感じです。
また地の文章はケイスの主観によるものなので、サイバースペースに長く暮らした彼には分かる状況描写も、私にはほとんど分かりません。
用語としても、ジオデシック・ドーム群とか普通分解(フィールド・ストリップ)とか、擬験(シムステイム)とか、遊離単量体(フリーモノマー)とか。
私が無知なのもあるのかもしれませんが、SF用語が雪崩のように降り注いできて、もう内容についていくことができなくなりました。
だいたい見開き2ページのうち、5個くらいは知らない用語が出てきて、それに基づく描写が理解できないことが多数ありまして。
一応、勢いで読もうと思えば読めそうですが、楽しいというよりは理解しようとすると結構な苦痛でした。
というわけで、残念ながら途中で力尽きてしまいました。
凄く丁寧に、かつ時々戻りながら読んでいけば、多少は理解できそうですが、そこまでして読むほどの気力はありませんでした。
千葉シティは関係あったのか?
千葉シティとか浅草とか新宿といった地名が出てきますが、特に関係ないようです。
また、他にも滋賀通りとか、三菱銀行や日立とか、日本っぽい名称や企業も数多く出てきます。
が、それらも特に日本感はないですし、解説文章によると、著者のギブソンはそもそも現地取材などはしていないようです。
SFやファンタジーが苦手
前にも海外ドラマ系の記事で書いたことがありますが、私はSFやファンタジー系の作品がそもそも苦手です。
その世界観や舞台設定、用語についていくのが大変で、その理解を得るまでに時間がかかってしまうからです。
何らかの形で、その最初のハードルを乗り越えればハマる可能性もあるのですが、歳のせいか、そこまで労力をかける気力がなくなってしまいました。
具体的には、「ゲームオブスローンズ」を何度か見ようとしたことがありますが、1話の途中でだいたい飽きてしまっています。
思えば、「海底二万マイル」を読んだときも、「よく分からない生き物の描写が多過ぎる」という印象で、読んでいて大変疲れました。
一応、この作品が影響を与えたとされる映画「マトリックス」などは面白かったとは思うんですけどね。
ニューロマンサーは、未だ映画もアニメもマンガもないみたいです。
何らかの形で映像化されたら見てみたいとは思うんですが。