昨日の続き的なお話、というか思い出。
昨日の話
ダイアログ・イン・ザ・ダークとは
ダイアログ・イン・ザ・ダークとは、真っ暗闇で行われるエンターテイメントです。
【公式HP】
…と、公式ホームページを貼ってみたものの、若干分かりづらかったので補足すると。
完全に真っ暗闇の空間を作り、そこに参加者が入っていって、様々な体験をする、というものです。
ガイドは視覚障害の方が担っており、(乱暴な言い方ですが)元々見えない彼らにとっては、案内も手慣れたもの、ということです。
ちょうど、コロナの影響でストップしていたのが、本日(2021年3月31日)に再開されるみたいですね。
参加した思い出
私が参加したのは、もう7~8年前、当時は渋谷だったか、目黒だったかにあったような。
ひとりで行くのは怖かったので、相棒を連れて参加してみました。
私が参加したときは、他に家族連れが1組3人(母親&中学生姉妹くらい)と、若者カップルが2人、我々も入れて計7人くらいだったと思います。
まずは明るい部屋で簡単な説明を受け、白杖を渡されます。
視覚障害の方が持っている杖ですね。
そしていよいよ、真っ暗闇の部屋へと移動していきます。
ドアが締められると、本当に何も見えません。
日中、目をつぶっているよりも遥かに暗いです。
目の前に手をかざしても、全く見ることはできません。
そこでガイドの人が声で案内をしてくれます。
白杖の持ち方は、お箸を持つような感じで持つのがいいと教わりました。
それを前方にゆらゆらさせながら、たまに壁やちょっとした段差を避けつつ進みます。
また、人同士も時々ぶつかるので、ゆっくり動くしかありません。
細かい設定やメニューは忘れてしまいましたが、森や草原にいるという設定だったと思います。
それっぽい効果音(川の音や鳥の声)が流れていました。
また、特徴的だったのは、ブランコが設置されており、真っ暗闇の中でそれに乗ってみるという体験がありました。
実際には大したことないのでしょうが、何も見えないと上下の感覚も少しなくなるせいか、いつも以上に揺れている感覚がしました。
あとは、最後に喫茶店が用意されており、財布からお金を取り出してジュースを買うというのがありました。
これもカウンターも見えなければ、財布の中の小銭の種類も見えないので、触覚で何とかやり取りをします。
コップも見えないのですが、置きましたよと言われたので手さぐりでつかみ、何とか飲んでみるというものでした。
見えないのを良い事に、まさかオレンジジュースを頼んだはずが、ポン酢にすり替えられていたとは。
というのは嘘です。
悲しい事故
ブランコの手前ぐらいの段階で、白杖をガイドさんに取り上げられてしまったため、歩く難易度は更に上昇しました。
この時に私の相棒が「白杖を取り上げるなんて薄情な」と言ったので、顔が見えていたら殴っていたのですが、暗闇で拳を振りかざすのは他の人もいて危ないので実行できませんでした。
「ちゃんと皆さんに謝りなさい」と言うに留めました。
そんなこともありましたが、その後、そいつが何かの拍子で私に触ろうとした際に、指が眼球を直撃しました。
後で聞くと、暗闇に乗じて接吻をしようとしたそうですが、真面目なイベント中に何を考えていたのやら。
暗闇の中では、痛みだけで目に異常があったかどうかは判断できませんでした。
が、明るいところに戻ったら、ものすごく視界がボヤけていました。
急に明るくなったせいか?とも思いましたが、どうやらコンタクトレンズが見事に破壊され、どこかに行ってしまったようでした。
イベントの最後に、「皆さん、見えなかったとは思いますが、思い出を想像で描いてみてください」というコーナーがあったので、みんながブランコやジュースのことを描いている中、私だけコンタクトレンズの絵に「サヨナラ」と添えました。
使い捨てじゃないから、2万円弱するんですよね…
もっと身近に暗闇を
裸眼&全裸で視力を測ると0.02くらいしか見えない私ですが、やはり情報の8割以上とも言われる視覚に頼って生活をしています。
しかし、視覚の一切ない状況というのは、なかなか面白い体験でした。
この記憶力を喪失している私が、7~8年経ってもこれだけ覚えているくらいですからね。
もうちょっと、身近にこういった体験ができる施設や場所があるといいんですが…
自宅でカーテン&アイマスクで暗闇は再現できますが、何となく自宅内の構造は分かってますしね。
経験したことの無い方は、ぜひ一度試してみると面白いと思います。
今は「サイレンス」という静寂を楽しむイベントもあるみたいですね。