「スマホ脳」 アンデシュ・ハンセン 著
発刊は2020年末ですが、2021年の新書の中では最も売れたんじゃないでしょうか(あたい調べ)?
進化しきっていない人間
スマートフォンとまではいかなくても、世の中の大半がデジタル化され、人々が「画面」をのぞき続ける生活になったのは、せいぜい100年くらいのこと。
その100年前は夜になったら暗くなりますし、まばゆい光を放つのは太陽と火くらいのものでした。
しかし、電気ができ、テレビが出て、パソコンになり時代は大きく変わりました。
そして今では、スマートフォンが我々の手の中にいつでも存在し、暇さえあればそこから享楽を得ています。
享楽を得ている認識があればまだマシで、知らず知らずのうちに弄っていることもあるかもしれません。
人間が何億年と過ごしてきた脳の構造、そこにスマートフォンは十数年でかなりの部分で居座るようになりました。
結果、人間の脳はスマートフォンにやられてしまう…というようなお話です。
(実際はドーパミンの話などもう少し論理的な部分もありますが、だいたい合ってると思います)
巨大IT企業と中毒
「電車に乗ったら、乗客全員スマートフォンを見ていた」なんてことが話題になったのも、もう5年くらい前ですかね。もっとかも。
それくらい、スマートフォンは誰もが持ち歩き、そして見続けています。
SNSなどは膨大なデータが取れるので、本書にもありますが、色合いだけでなく、使い勝手も計算されているんでしょうね。
我々を中毒にするように。=広告を見させるように。
使い勝手は、明らかに悪化することもあります。
が、それも長く使わせる手段、またはサンプル的に使わせてみているのか?と思うと、もう巨大IT企業の手のひらにいるのかもしれません。
まあ、もはやGoogleやAmazon無しの生活は(段階的ならまだしも)無理ですし。
Facebookなら、インスタもやらないし、なくても何とかなるか…ただ、あそこもいろんな企業を買収しているからなあ。
子どもとスマホ
私は子どもがいませんが、子どもがいたとして。
子どもにスマートフォンを持たせる年齢は、かなり迷うと思います。
防犯や緊急連絡用ならば、相当機能を限定すればいいと思いますし、学習ということであれば、スマホよりはタブレットかPCでしょう。
スマートフォンそのものの是非もありますが、Youtubeなんて見せたくないですしね。
もちろんYoutubeにもためになる、勉強になるコンテンツがあることも分かりますが、子どもがそんなものを率先して選ぶとも思えず、「まだテレビのバラエティの方がコンプライアンスが機能しているだけマシ」なレベルのYoutuberばかり見そうな気がします。
というより、外でYoutube見ているキッズの大半は、そんなのばっかりですしね。
スマホばかりで育つと、筋肉だとか器用さはどうなるのか気になります。
今はGIGAスクール構想もあって、小中学生からタブレット配布しているところも増えているそうですが、昔ながらの「ノートに手書き」が減る影響はあるのでしょうか。
タブレットをスッといじるのと、鉛筆でノートにカリカリ書き込むのとでは、使う筋肉も脳も異なるように思います。
幼少のころからそういった違いがあると、筋肉や記憶力などもどうなるんですかね?
スマホを持つ前と持った後の自分を比べると(加齢による衰えはさておき)、子どもに好影響が出そうな気は全くしませんが…
対処方法
本書の内容に戻ります。
キーワードは、デジタルデトックスと運動。
仕事でデジタルからは離れられないので、まずは寝室にスマホを持っていかないことが大切。
また、スマホを白黒にしてみる(iPhoneだとアクセシビリティ⇒画面表示とテキストサイズ⇒カラーフィルタでグレイスケール)なども効果があるようです(私は不便過ぎてやめてしまいましたが)。
運動も、最近はエアロバイクでスマホで動画を見ながら、とやっていましたが、エアロバイクに集中した方が、脳の回復にはつながるかもしれませんね。
幸い(?)、本はやっぱり電子書籍よりも遥かに紙の方がいいので、読書中はスマホから離れられています。
感想まとめ
私もスクリーンタイム(使用時間)を見ると、1日12時間超となっています。
画面をつけっぱなしで放置している時間もかなりありますが、それにしても多いでしょう。
自分への警告として、少しは役に立つ本でしたので、スマホをいじりすぎてるかも?という人にはオススメです。
私個人としては、読書や運動など、少しでもスマホから離れる時間を増やしていきたいですね。
ただ最近はUdemyなど動画で勉強する&プログラミングなどもやっているので、パソコンからも離れられなくなっているのがなあ。
肉体的な負担は、スマホよりはパソコンの方がマシかなあ。
首を丸めて指ですっすっとやるよりも、キーボードやマウスの方がまだ姿勢なども良くなりそう。
にんともかんとも。