G-log 日々思うこと

GOです。旅・ゲーム・その他なんでも。雑記ブログなので、散らかしています。仲良くしてね。お問い合わせはTwitterかコメントで。

【読書感想】「ぺスト」。死の病が流行るってどんな世界なんでしょうね。

「ペスト」 カミュ 著

 

 

有名作品です。

ご時世的に…というには1年くらい遅れていますが、読んでみました。

 

 

 

ペスト(作品)の設定等について

だいたいWikipediaから。

出版は1947年で、タイトルのペストは実際の病気のペスト。

舞台はアルジェリアのオランという市であり、病気自体は実在のモノですが、フィクションです。

なお、Wikipediaには完全にネタバレが書かれているので、読後に見ることをお勧めします。

 

あらすじ等

オランという街で、ある時からネズミが大量に死んでいる姿が見られるようになった。

その後、一人、また一人と腫瘍ができ、高熱にうなされて死んでいった。

医師のリウーは、そのような病人を複数診てきて、かつてヨーロッパを襲った「ペスト」だと判断する。

その後、オラン市は封鎖され、人々は外部との接触を絶たれてしまう。

積み重なる遺体の処理すら追いつかなくなる街の中で、リウー、タルー、役人グラン、コタール、パヌルー神父らはペストと向き合う様子。

なお、本作品はオラン市の様子を見てきた「語り部」という登場人物が語るという形式。またその「語り部」が知らない部分は、「タルーの手帳」によって補完されるという手法で進みます。

なので、語り部は時々、読者に語りかけるシーンも出てきます。

 

感想

語弊があるかもしれませんが、この作品ではペストそのものはそれほど重要ではありません。

ある日突然襲い掛かってきて、そしてそれによってこれまでの生活が壊れてしまった災厄としてペストがあるだけです。

なので、症状や治療方法にさほど細かい描写があるわけではありませんし、ある日急にペストは収束します。

一方で、人々のいったんは「すぐにやむだろう」と楽天的になる様子や、隔離生活に送り込む医師への誹謗中傷と医師の武装化、封鎖の外で離ればなれになった夫婦・恋人たちとの関係性のあり方など、そういった社会情勢や人間観察が中心の作品です。

 

今のコロナ禍にも通じることもあり、その辺りはリアルだなあと感じます。

それなりに価値観が変化することがありましたし、それ以上に他人の評価も変わりました。あの人ってああいう人なのね、とか。

一番変わったというか変えざるを得なかったのは行動ですね。

行動が変われば思考も変わる、それも含めて、必ずしもマイナスだけではないと思います。

 

コタールという人物

中でも、コタールという人物が気になりました。

犯罪者であり、ペストによって刑務所から出ることとなった人です。

彼は社会的に孤立していましたが、ペストによって「自分も含めて全員が平等になった(誰もがペストに怯えている状況)」ということに、希望を見出したかのようになっていました。

私はそこまで卑屈ではありませんが、世の中にはそういう人も多いんじゃないかなと思います。

自分が幸福なところに上がっていくことよりも、他人が不幸に貶められる方が安心するタイプ。

 

よくある思考実験として「1億円あります。知らないオッサンの言い値で、2人で分けなさい。オッサンの提示額は拒否したらゼロ円です。オッサンが自分の取り分を9999万円を提示してきた場合、どうですか?」というようなものがあります。

この場合でも1万円もらえるので得ですが、オッサンが9999万円を貰うことに気が済まない人も多いでしょう。

皆さんの周りにもいませんかね。

 

最後に

ペストの勝利(そもそも勝利と言えるかは微妙ですが)で得たものは、「知識と記憶であった」という言葉が非常に印象的でした。

今のコロナ禍にしても、「勝利」が確定したところで何か得られるものはあるんですかね。

俗っぽい話で言えば、テレワーク制度や時差出勤といった労働に関するものが思いつきますが…

上に書いたように、行動や思考は(一部強制力をもって)変化しているので、それが良い方に転がるといいなと思います。

 

また、ペストの中では、「富裕層は更に富み、貧困層は更に困窮する」といった描写もわずかですが書かれていました。

全ての富裕層というわけではないでしょうが、コロナ禍でも同じようなことが起きていそうですし、戦争でも同じことがありそうです。

もっと言えば、貧富だけではない分断も起きているように感じます。

 

本当に最後に

「ペスト」という作品で「ペスト」という病名を打とうとしても、「コロナ」と打ち間違えることが2回ほどありました。

それくらい、生活に身近になってしまっているんだなあと感じました。

 

真面目な感想も書いたので、真面目じゃない過去記事をいくつか貼っておきます。

 

www.gk-gk21.com

 

 

www.gk-gk21.com

 

 

www.gk-gk21.com

 

 

www.gk-gk21.com

 

www.gk-gk21.com

 

〝こんな記事もあります〞