「木曜日にはココアを」 青山美智子 著
帯の文句としては、「わたしたちは、知らないうちに誰かを救っている」だそうです。
夏休みの宿題(読書感想文)には向かないかな。
あらすじと概要
静かな住宅街にある喫茶店「マーブル・カフェ」。
マスターのワタルは、アルバイトのつもりが正社員、すぐに店長を任され、ひとりで忙しく店を切り盛りしていた。
そこには毎週木曜日、同じ席で海外へエアメールを書きながらココアを飲む女性「ココアさん」(あだ名)が常連で通っていた。
ワタルはひっそりとココアさんに憧れていた。
そんな二人から広がっていく、相互に絡み合った12話の短編構成の作品。
点と点がつながる
最初は現代の東京から始まりますが、12話のそれぞれが主人公がバラバラです。
登場人物たちの名前は結構伏せられていることが多く、「あぁこの人は以前の話に出てきたあの人ね」みたいなパターンです。
時代や国さえも異なる人達が、どこかでつながっていて、それがお互いの主観からは違った背景が見えてきます。
良くも悪くも軽く読める
良くも悪くも、非常に軽く読める話だと思います。
悪い人は誰もいませんので、入り込んでストレスを受けることもありません。
非常に「優しい話」だと言えるでしょう。
あまり好きな言い方ではありませんが、「ほっこり」ですかね。
一方で、文の量もそれほど多くなく、それほど各人物が掘り下げられるわけでもないので、入り込むこともありません。
文庫の帯には「泣けた」みたいな感想が書かれているのですが、そんなに心を動かされることもありませんでした。
一気に読んでしまえば、恐らく1時間ちょいで読めるでしょう。
ココアに換算すれば、3杯分くらいの時間ですかね。
なので、感想も短めです。
過去記事
夏の読書感想文向けスペシャル。