「スモールワールズ」 一穂ミチ 著
2022年の本屋大賞の第2位です。
本屋大賞は個人的にはハズレは少ないので、手に取ってみました。
1位の話はちょっと話が重そうでしたので、2位にしました。
本の概要
本書は、全6編からなら群像劇です。
1編は50ページくらいなので、短編集とも言えるかもしれません。
薄気味悪い話、豪快な話、心温まりそうな話、書簡形式などそれぞれバラバラです。
どちらかというと、薄気味悪い話というか、そこはかとなく不気味な話の方が多いですかね。
うまくいっていない夫婦と妻の前に現れた少年。
孫殺しの疑いがかかる祖母。
犯罪者と遺族の手紙のやり取り。
LGBTの話。
そんな感じです。
感想まとめ
群像劇がどこかでつながっている…というパターンですが、本の帯に堂々と「最終話に仕掛けられた一話目への伏線。気づいた瞬間、心を揺さぶる。鳥肌モノの衝撃が襲う!」と書かれています。
やや台無しでしたね。
それはさておき、短編の積み重ねなので、さらりと読むことができます。
テーマもバラバラですので、それほど飽きません。
感想がふわふわしてますが、つまりは良くも悪くも、可もなく不可もなく…という感じですかね。
程よく気分が悪く、程よい長さ。読みやすさもそこそこ。
スモールワールド現象:6人たどると?
友達の友達はまた友達。世界に広げよう友達の小さな輪。
笑っていいとも!が終わって久しいですが、「テレフォンショッキング」では毎回ゲストがお友達を紹介するというコーナーがありました。
(だいぶビジネスライクな「お友達」も多数あったと思いますが)
6人の知り合いを辿っていくと、全世界の人と繋がれるという理論をスモールワールド現象というそうです。
前提としては、「44人」の重複しない知り合いがそれぞれ必要です。
Aさんの知り合いが44人、Bさんの知り合いが重複しないで44人。
そうすると、2人の知り合いが繋がれば、44の2乗で1,936人が知り合いに。
これを6回(44の6乗)繰り返すと、72憶人になって、世界人口を上回るというもの。
この理論、本書では6つの短編が集まっているのかもしれません。
自分に置き換えてみると…
叔父辺りは顔が広いので、6人もたどれば総理大臣くらいまではいけそうですが、知り合いのつながりが海外に渡るまでが難しそうです。
さすがに「友達」ではなく「知り合い」ならば44人くらいは何とかなりそうです。
(テレフォンショッキングと同じで、ビジネスライクも含む)
「友達」だったら…私から次の1人目に行くまでが一番難しい。