「倒産続きの彼女」 新川帆立 著
本屋で買う際に名刺プレゼントとあったので、せっかくなので栞替わりに貰ってきました。
ちゃんと帯を読んでいなかったのですが、2021年の「このミステリーがすごい」大賞を取ったのは前作だったようです。
多少のネタバレがあります。
あらすじ・概要
主人公は美馬玉子。大手弁護士事務所に勤める若手弁護士です。
玉子という名前は、これまで野比玉子しか知りませんでした。
事務所のトップである津々井弁護士に、「ゴーラム商会」という大手企業が倒産するため処理に入っていることを告げられる。
だが倒産処理の手伝いではなく、その企業であった内部通報を調べるよう言い渡される。
そこには「近藤という女性が勤める先々の会社を潰して回っている」との通報があった。
早速、先輩の剣持麗子弁護士とともにゴーラム商会と近藤という人物を調べていく。
確かに近藤は、過去勤めた3社を全て倒産・破産が原因で離職・退職している。
その間もゴーレム商会は業況不振の折、通称「首切り部屋」という解雇通告を受ける部屋まで用意されていた。
美馬と剣持がゴーラム商会を訪れた際、首切り部屋で首を刃物で切られた死体が見つかった…
プライベートでは、剣持への嫉妬、高齢になって世話が必要な祖母・シマの存在、様々な場面で挫折や成長を遂げていく。
感想
倒産はするんだろうと思いましたが、人が死ぬような話とは思いませんでした。
主人公に変なキャラ付けがないので、異性ながら共感というか心理状態は非常に伝わりやすかったです。
ストーリーも先々が気になる感じで、テンポも良かったように思います。
ただ人が死ぬ動機は少し弱いかなあと思いましたが…逆に死んでいるのに重たい話には感じませんでした。
文章はかなり平易で、変に凝った表現もなく、終始一人称視点で書かれているため、かなり読みやすかったです。
300ページ超でしたが、2時間もあれば読めてしまいました。
スルスルと軽ーく何か読みたいときにちょうど良かったです。
せっかくそれなりに楽しめたので、冒頭に書いた通り、前作がミステリー大賞を取っているので、買ってきました。
倒産
銀行にいたころ、何度も会社の倒産場面には遭遇したことがあります。
最近はどうか知りませんが、手形の不渡り通知がFAXで来ることが多かったかな。
倒産後の処理には、少しだけ関わったこともあります。
そういう仕事はだいたい40代後半~50代くらいがやるので、ちょっと付き添った程度ですけどね。
債権者団体(正式名称忘れましたが)として、元社長といろんな銀行など債権者が一堂に会し、返済のためにはどうするんだ、あーでもないこーでもないという場面の立ち合いが何度か。
うちが融資を断ったおかげで、その翌月にビルの前に「廃業しました」の貼り紙がしてあったこともあります。
これはうちが倒産させたと言えなくもないですが、メインバンクでもないから仕方ない。
倒産後は基本的には弁護士案件でしょうし、銀行側も債権回収専門のチームに移るためどうなるか分かりませんが、人生が終わるようなことになってなければいいのですが。
私が関わったケースではないですが、社長自殺で終わったこともありますしね(正確には終わらないんですけど)。
(おまけ)筋トレのコーナー
今月は筋肉強化月間です。
- アームカール:30回
- レッグレイズ:たくさん
- ボクササイズ系:30分(ハード)
VRを使ったボクササイズをやっているんですが、コントローラーがそこそこ重たいですし(150gくらい)、フィットボクシング2と比べて休憩もなくテンポも速いため、なかなかに疲れます。