「君のクイズ」 小川哲 著
クイズを巡る作品って結構珍しいかもしれませんね。
この間一冊読んだけど。
概要・あらすじ
主人公の三島玲央は、中学生の頃からクイズにハマり、クイズ研究会などを経て、数々の大会などでも入賞していた。
あるテレビ番組「Q-1グランプリ」に出場し、そこでも順調に勝ち上がる三島玲央。
最後の相手は、世界の全てを記憶したといういわれを持つ本庄絆で、これに勝てば賞金一千万円を獲得できる。
生放送でカメラの回る中、早押しの7問先取ルールでお互い6対6でほぼ互角の勝負を繰り広げる。
しかし最後の出題でアナウンサーが「問題」と言っただけで、本庄絆が回答ボタンを押した。
問題を1文字も聞くことなく出した答えが「ママ。クリーニングの小野寺よ」。
それが正解となり、本庄絆の優勝が決まった。
当然、ヤラセを疑う三島玲央やクイズ仲間たち。
テレビ局の説明にも納得できない三島玲央は、これまでの本庄絆のクイズ出場歴や自分とクイズとの関係、ひいては自分の人生におけるクイズについて見つめ直していく。
感想まとめ
本書は、本庄絆とのQ-1グランプリでの勝負を1から振り返りつつ、三島玲央自身の半生とクイズとの関わりや、本庄絆がなぜ「問題」だけで解答できたのかを探っていくという、様々なシーンに移り変わっていく作品です。
クイズというものを真面目に考えたことがありませんでしたので、そう言った視点で物事を切り取るというのは斬新でした。
ただ強いて苦言を言えば、オチがイマイチと言うか、俗っぽ過ぎるというか…
途中がクイズという新鮮な目線だったので、最後どうなるのかなと期待してた分、ちょいと拍子抜けでした。
深夜の馬鹿力とフクロウ交番
本書の問題で、私の人生にも関わるクイズが2つ出てきました。
「深夜の馬鹿力」は(途中ブランクがありますが)20年近く聞いている伊集院光の番組で、それが作中にも出てきています。
また、フクロウ交番は私の実家に程近い、JR千葉駅にある交番です。
お世話になったことはありませんが、千葉市民的にはなじみのある建物です。
本書でも「クイズの正解とは、自分の人生で何か関わっている」的なことが述べられていましたが、こうしてみるとそれも分かるような気がします。
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