「変な家」 雨穴 著
変な家。普通の訳アリ物件じゃあないんだぜ。
あらすじ・概要
主人公のオカルト系ライター「私」は、友人から「中古住宅を買いたいんだけど、いわくつきかもしれないから見てほしい」と相談を受ける。
確かに、家の中に四方を壁に囲まれた謎の空間が描かれている。
その他にも、全く窓のない部屋や、二重に閉ざされた子供部屋など、ちょっとした違和感を覚えた「私」。
建築に詳しい知人・栗原にも見てもらうため、間取り図を送ってみた。
オカルトにも詳しい栗原が間取り図を見て出した答えは、「この家は、殺人のために建てられたかもしれない」という。
その後、因果関係は不明であるが、その住宅の近辺でバラバラ遺体が発見される。
薄い根拠ながら記事を書いた「私」であるが、その記事を見て「その家に心当たりがある」という連絡をしてきた女性が現れて…
感想
ネタバレにならない程度ですが、少し中身に触れます。
面白いと言えば面白かったんですが、最初の方の間取り図で、「これ上下移動とかどうなってんの?」といった細かい所が気になってしまいまして。
トリックが分かってるからこその推理ですが、ちょっと推理というより妄想かなと。
ミステリーとしての話はまあまあで、少しホラーチックな要素があり、間取り図スタートという視点が新しかったなと。
ちょっと否定的ない表現になってしまいましたが、特に「そこはかとない不気味さ」を醸し出した作品という点で十分面白かったかなと思います。
なお、本書内に間取り図が何度も再掲されるので、いちいち戻って見返さなくても大丈夫になっています。
また、文体もネットのインタビューのように書かれています。
筆者 相変わらずすごい本ですね
栗原 いやあ、稼ぎのほとんどを使っちゃうんですよね
(本文より)
こんな感じです。
多くが会話文で文章の隙間が多いのと、先述の通り間取り図が何度も出てくるので、244ページですがすぐに読み終わります。
映画化もされるみたいですね。映像で見た方が分かりやすい作品のような気がします。
Audible版もありましたが、音で聞いても間取りが分からないしなあ。
余談
ええ、ひとりなのに3LDKのマンションを買って住んでるって?
変だな…