「栞と嘘の季節」 米澤穂信 著
想定が綺麗ですね。
あらすじ
図書委員の堀川次郎と松倉詩門の二人が、図書室で返却本の確認作業をしていたところ、凝った作りの栞が挟まっているのを見つけた。
押し花が入ったもので、単なる忘れ物として処理しようとしたところ、松倉が「それはトリカブトの花だ」と言い、それが毒物であることが確認された。
また、写真部が校舎裏で撮影し、コンテストで入賞した作品にも、トリカブトの花畑が写っていることが判明。
さらに時を同じくして、評判の悪い生徒指導教員の横瀬が、突然倒れて病院に搬送された。
その症状は、トリカブトによる中毒と酷似していた。
こうして栞に挟まれたトリカブトを巡り、堀川と松倉の調査が始まっていく。
一応、続編という扱いにはなっているものの、それほど前作を読んでいなくても大丈夫です。
感想:長い
前作はそこそこ楽しんで読めたのですが、今作は少し食傷気味でした。
栞と嘘の季節…というタイトル通り嘘が多いのですが、「あなたが嘘ついちゃ駄目じゃないかな」という人も嘘をついていることも多かったので、結局疲れてしまいました。
あとは二人の会話がかなり演劇チックな印象で自然な高校生らしくなく、気取った会話を聞かされ続けたのも、気力を削られる要因でしたね。
古典的なオタク同士の会話みたいなわざとらしさというか、同じ推理物で例えるとコナン君みたいなイメージです(大人ぶってる時の)。
前作は短編5本で構成されていたのが、今回は1つの事件で1冊かかったというのもあるかもしれません。
思い返してみると、それほどの文章量が必要だったのかなと思います。
少しずつ解決に近づいていくというのが魅力なのかもしれませんが、だらだらした感じが少しあります。
もちろん最後まで読みましたが、最後もあれで良かったのか?というようなグレーな印象でした。
栞を持つきっかけについては、納得できる内容でしたが(トリカブト&栞であるかどうかは別として)。
毒
毒については、先日の「毒」展でも少し触れました。
毒、怖い。でも必要。頭のいい人、頑張って使いこなして。
そんな感想です。
ポケモン(緑・赤世代)で好きな技は、どくどく&やどりぎのタネ でした。
フシギバナは、ねむりごな&やどりぎのタネにしてたかな。
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