約5年ぶりのニューアルバム。
待望の10枚目のアルバム。
メンバーの年齢も年齢ですし、癌を患ったこともあってなかなか大変な状況だったと思いますが、ひねり出してくれました。
何曲か、個別の感想。
「透明passenger」は爽やかなイントロから始まりますが、これが昔ながらのロックという印象です。
軽快なキーボードにベタなギター音が印象的ですが、ボーカルはハイトーン。
「Make Over」も同じように爽やかで、Pura Vidaは「純粋な人生」「良い生活」みたいな意味らしい。
「ラプソディ」。普通に聞くとほとんど「パパからもらったクラリネット とっても大事にしてたのに パッキャラマド」みたいな歌で、元ネタがありそうです。たぶん知ってるでしょう。
クラリネットが壊れちゃったのと、ご本人の喉が壊れちゃったのをかけているのですが、それでも明るいトーンです。
サビの大半が「オパオパ」繰り返すだけ。
同じような歌詞として、「ドライフルーツ」も「ビンビン部分ベンボンボン」という意味のないオノマトペ(でもないか)のようなリズムを刻むようなもの。
「Beaver」。動物のビーバーです。
ビーバーをメインにした曲は初めて聞きました。でも「ダム」という言葉は出てきません。
寂しいビーバーの様子を歌った歌ですが、それでも前向きな優しい歌でした。
軽快なピアノも印象的。
そして最後の曲は「復活の日」。
前回のライブでも本人生歌ではなく、事前に撮ったMVが東京ドームのビジョンに映し出され、歌詞と共に流されました。
ちょうど吉井和哉の癌の様子も流れていたので、まさに癌からの復活LIVEにふさわしい曲でした。(三國さんの復活の意味もあったかもしれませんが)
全体的な感想。
病気の吉井和哉の喉の調子もあり、インタビューでは「ベタなロックンロールに縋った」そうですが、私としてはかなり新鮮でした。
最初にさっと一周聞いたときは、「変な曲ばっかりだな」と思いました。
しかし、ちゃんと改めて聞いてみるとボーカルもさることながら、音楽としていろんな新鮮味を感じました。
たぶん昔ながらのロックンロール的なところもあるのでしょうが、それを知らない私には新しく聞こえる上に、現代的なアレンジもされているような。
音楽を聞く時にボーカル中心に聞きがちなのですが、しっかり演奏も聞こうという感じのアルバムだなと思いました。
新しい引き出しを知れて、いい意味で裏切られました。
なお歌詞については、相変わらず恋愛の歌がないのがいいと思いました。
どちらかというと人生とか限りある命を歌った歌。
私にもそういう歌を歌える日がくるだろうか。