「百年の孤独」 ガブリエル・ガルシア=マルケス (著)
私には難しかったです。
なので、感想は浅め。
概要
舞台は18~19世紀頃(たぶん)のマコンドという地域。
ホセ・アルカディオ・ブエンディアは錬金術を研究する傍ら、街の発展にも従事。
妻であるウルスラは一族の繁栄を誰よりも案じて、一生涯をかけて家に尽くす。
子どもたち・子孫たちは、ある種では奔放に、ある種では何かに憑りつかれたような生活を刻んでいく。
そんなブエンディア一族の、百年にわたる栄枯盛衰の物語。
感想
海外文学はとにかく苦手なので、600ページのボリュームも相まって、ものすごく読むのに時間がかかりました。
会話が文章全体の1~2%くらいしかないので、人物の描写や性格を理解するのが難しい。
また、文章の強弱がつかみづらいので、登場人物があっさりと死んでいることもあります。
ストーリーとしては、たぶん半分も理解していませんが、それでもそれなりの楽しさはありました。
それぞれの登場人物の心理状態はあまり推し量れませんでしたが、彼ら・彼女らの一生はどうだったんだろうと思うと、そこそこ感じるものはありました。
おおざっぱに言えば、女は家を守り、男はけっこうやりたい放題だったかな(浅い感想)。
設定はよく分からなかった…
氷や磁石を知らないくらいの状態から錬金術だけでなく、魔法の絨毯が飛んでいるようです。それがちょっと珍しいもの、くらいの扱い。
それが割と冒頭に出てくるので、結構なファンタジー世界として読んでましたが、必ずしもそうでもないというか。
ただ、登場人物が150歳くらいまで生きていることもあるので、結局ファンタジーなのでしょうかね。
しばらくまあ許容範囲かな‥と思っていると、ある登場人物が文字通り「天に昇って」突然失踪します。
死亡の比喩ではなくて、物理的に空に昇っていったようで、そういう描写が時々出てきて、ただでさえ分かりにくいのに更に混乱しました。
そのほかにも、雨が約5年間降り続くなど不思議なことも起こります。
あとがきを読むと「マジック・レアリスム」と評されていました。
文章やキャラクター
ちょっと気にいった文章。
架空の人間の見せかけの不幸に流す涙などあるものか、自分たちの苦労だけでたくさんだ
これは映画?活動写真?でフィクション作品をみたマコンドの人々の反応ですが、こういう悲劇作品を楽しめるうちは余裕があるということですね。
本作では、こういう分かりやすい感情を表した文章がほとんどなかったように思います。
特に、ブエンディア家以外の一般市民が何をどう思っていたのかは、あまり触れられていないように感じました(特に後半)。
キャラクター問題は非常に難解でした。
まず、ホセ・アルカディオ・ブエンディアとホセ・アルカディオとアルカディオという3人の別キャラ(一応親子)がいます。
しかもアルカディオの本名は、ホセ・アルカディオです。
その後も、ホセ・アルカディオ・セグンドやまたホセ・アルカディオが出てきたり、アウレリャノも数名+17人、ウルスラやレメンディオも何人も出てきます。
そんなに覚えきれないって。
急にスポットの当たる人物が代わるので、「これ誰だっけ?」が多発しました。
私が読み進めるのに手間取り、毎回内容を忘れていたせいもあるんですけどね。
あぁこれでようやく他の本に手を付けられるという解放感が強いです。