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【読書感想】「N」。道尾秀介の仕掛け本。

「N」 道尾秀介 著

 

 

概要

実験的な取り組みの本です。

この本は6話で構成される短編集です。

特徴的なのは、まず最初に6話の冒頭(1ページ分くらい)が羅列されます。

そこから好きな話から読み始めてね、というもの。

「N」のひとつの意味は階乗であり、読む順番が6(N!)通り=720通りある、とのこと。

また1話ずつ、上下反転して印刷されているので、本をひっくり返して読む必要があります。

「N」という文字は上下反転しても同じなので、その意味も含んだタイトル。

 

ぐるっと

イメージ的には、こんな感じですね↓↓。

 

スマホをひっくり返すか、首を折って読んでみてね。

1話ずつひっくり返って印刷されています。

文庫本では縦書きですし、違う作品が書かれているので、ちょっと異なりますが。

 

感想まとめ

内容について少し触れますと。

舞台は日本のとある海沿いの街を中心に、海外へと移る話もあります。

時代は現代〜数十年前くらいですかね。

話のほとんどは人の死が絡んできますが、そんなに暗い話ばかりではありません。

短編それぞれが結構面白かったので、短編集としても楽しめました。

文量がちょうどよく、1話だいたい30~60分ほどで読めます。

 

もしかすると同じ上下向きの3話ずつでは更に繋がりがあったり、時系列にきちんと整理するともっと何かわかったりするのかもしれません。

そういう視点で誰か読んでみてくれ。

 

前に読んだ「唇に残像を」もかなり実験的な取り組みのある本でした。

(徐々に使える文字が減っていく作品)

本という限られたアナログのフィールドでもいろいろ試せるものなんですね。

 

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