漫画の感想。
概要
私は最近めっきり藤子・F・不二雄づいてますが、短編集も買ってみました。
ミノタウロスの皿がメインの話のようですが、そのほかにもいくつか作品が含まれています。
ミノタウロスの皿の概要ですが…
ウシとニンゲンの家畜・飼い主という概念が入れ替わった惑星に流れ着いた地球人の主人公。
最初はミノアという若い女性に助けられますが、徐々に違和感を覚え始める。
その星に暮らすニンゲンは「ウス」と呼ばれ、牛のような見た目をした「ズン類」に飼育される生き物でした。
そんなウスにとって、「ミノタウロスの皿」と呼ばれる大祭の生贄に選ばれることが最大の栄誉とされる。
主人公はそんなのはおかしい!とウシやニンゲン達に説いて回りますが、誰にも理解されません。
ミノアに死の恐怖はないのかと尋ねても、祭りの生贄に選ばれた栄誉を失くす方が怖いと言い放ちます。
それでも主人公は、生贄となるミノアを止めようと祭りに乗り込むが‥
感想
ミノタウロスの皿は短編なので、数十ページのもの。
せいぜい10分もあれば読み終わります。
ただ、強烈なインパクトのある作品でした。
住民であるウシたちや家畜の人類、特にミノアとも、大祭について全く価値観の合わない主人公の何とも言えない焦りや感情が描かれています。
クライマックスの祭りで生贄にされるミノアとのシーンは、祭りの大音量な盛り上がりなども描かれています。
昔の漫画はコマ割りがきちんとしていますが、それでもものすごい迫力でした。
さらっと数コマで流されてましたが、ちょっと恐ろしいのは「人工心肺」というのが用意されていること。
これは生贄(ミノア)の首をはねた後にミノアの頭部と繋がれ、自分の肉がどれくらい美味いのか感想を聞くために、ミノア自身が希望して用意したもの。
そういう細かいところも含めて、狂気感もまといつつ訴求力のとても強い作品だなと思いました。
読んで良かった漫画です。
他にも「ヒョーヒョロ」や「カイケツ小池さん」など狂気じみた、ホラーじみた作品も載っています。
「気楽に殺ろうよ」なんて、ドラえもんやキテレツからの藤子F不二雄のイメージとは、タイトルからして全く異なります。
早速、短編第二巻もお取り寄せすることにしました。
大型書店に行っても売ってないんですよね・・・