「いけない」 道尾秀介 著
概要
自殺の名所である弓投げの崖付近で交通事故にあった安見邦夫。
急発進した車を避けようとしたものだったが、避けきれずに重傷を負う。
しかし、車から降りてきた男は、邦夫にとどめを刺すために何度もハンドルに頭を打ち付け、金も奪って去って行ってしまう。
邦夫の妻・弓子の元彼氏である刑事・隅島は丁寧に操作を進め、犯人の絞り込みはかなり進んでいた。
そんな邦夫の事故現場で、背後から頭部を岩で殴りつけられる殺人事件が発生。
怪しい宗教団体も弓子の周りを嗅ぎまわる中、操作は更に進んでいく。
全4章に分かれた構成です。
各章の最後に写真・画像があり、それによって「真実」がわかるというもの。
これまでの話の捉え方をガラッと変えられる…かも。
感想
ここ何冊か道尾秀介作品を読んでいるので分かってきましたが、今作もミスリードものです。
最後の1ページでひっくり返そうとするその仕掛け自体は面白かったのですが…
いきなりなるほど!というほど分かりやすくはなく…
うん?あぁ言われてみれば、ああそういうこと?(ただし確証無し)というややもやもやする感じ。
また、仮にひっくり返されて私の解釈が会っていたとして、だからと言ってストーリーとしてそれで面白いかはまた別でした。
解釈が曖昧に感じたのと、やむなくネットでネタバレを検索すると、予想自体は合っていたものの「そりゃちょっと強引では」と思うこともありました。
強引な部分もきちんと描写があれば納得できたかもしれませんが、それもなく「察せ」ということなので・・・
まあそれが正解なのか、そもそも正解があるのかも分かりませんが…
ひっくり返されたい人は良いと思いますが、どちらかというと納得のいくストーリーがあった方が良かったかなと感じました。
普通に読む分には面白かったです。