「変な絵」 雨穴 著
概要
大学生の栗原は、オカルトサークルの後輩である佐々木から、ネット上の「七篠レンの心の日記」というブログを紹介される。
そのブログは一人の男性が書いたもので、妻との出会いや妊娠の様子などが書かれていた。
さらに読み進めると、妻が出産と同時に死亡したことが書かれている。
気になったのは、出産間近のころに妻が描いたという絵が複数、ブログに上げられている。
一見なんてことのないその絵を並べてみると…
なぜその男性は、妻の死をブログに残したのか。
そして死から3年後の「ブログをやめる」記事まで、その間の記事を全て消したのか…
ある家族をめぐる奇妙な展開が見えてくる。
感想
人と人が絡み合って、そしていい意味で後味の悪い作品でした。
先入観を裏切られるのですが、裏切られる楽しみのためには最初はあまり細かいところに固執しないで読んだ方がいいのかなと思いました。
人のブログからそこまで推測して…というのはありますが、私のブログも何か謎を残しておいてもいいのかもしれない。
↓変な絵。
読むのにかかる時間は、挿し絵も多いため同じくらいのページの小説に比べて半分くらいで読めるのも、気軽に読めて良かったです。
比べるのもあれですが、前作「変な家」より面白かったように思います。
変な家はちょっと突飛な話というか、それほど別に違和感を感じなかったのですが…
まあ今回も、リアルさを考えると「いくら絵にしても、遠回し過ぎじゃ?」と思わなくもないですが、その辺はミステリーですからね。
あまりにシンプルでもしょうがない。