「雷神」 道尾秀介 著
少しだけネタバレあり。
あらすじ
幼い娘・夕見がマンションのベランダから落としてしまった植木鉢。
下を走っていた自動車がそれに驚き、ちょうど歩いていた藤原悦子が轢死。
主人公の藤原幸人は、娘に対してこんな決して言えない秘密を抱えていた。
15年後、幸人の下に「娘に全てを話すぞ」と脅迫する人物が現れる。
そこから逃げるように向かったのは、キノコ栽培と油田(現在はほぼ廃止)が主要産業の新潟県の羽田上村。
ここは父・南人がかつて住んでいた村。
30年前、村の有力者2人死亡・2人が重体となった毒キノコ混入事件が起こったが、その容疑者は父だった。
幸人は姉の亜沙美、娘の夕見とともに、その事件の真相を辿っていく。
感想
謎を残しながらミスリードして、徐々に真実を展開していく雰囲気というか進め方はさすがという感じでした。
また、男性陣の弱さと女性陣の強さが対比されているような印象も受けました。
それにしても田舎の自治って、「地元の有力者」が本当に強いんですよね。
千葉県に住んでてもそう思うので、もっと閉鎖的なところ‥特に離島だと地元の人からそんな話も聞きますしねえ。
ミステリー小説全般について。
ちょっと強引な設定というか、禁じ手的な部分が多いというか…
ミステリーにおいて双子は駄目、みたいな話は聞いたことがありますが、記憶喪失もダメじゃないかなと少し思いました。
あとは本作に限りませんが、帯に「大どんでん返し」って書くのはやめてほしかったかな。
雷について。
雷自体が怖いと思ったことはありませんが、先日も雷で亡くなった方もいるとのニュースを聞きました。
あのエネルギーを何かに使えるようになればいいのになあ。
そういえば、雷に7回も打たれて生き延びた方もいるそうです。
どういう構造と運をしてるんでしょうね?幸運なのか?