「くますけと一緒に」 新井素子 著
ホラーっちゃホラーですが、そうでもないかも。
あらすじなど
主人公は成美という10歳の少女。
くまのぬいぐるみの「くますけ」をどこでもいつでも連れており、もっぱら会話をしていた。
しかしそんなぬいぐるみ離れができない子を両親は不振がり、また学校でもいじめの標的とされてしまった。
そうやって願ったいじめっ子は交通事故に遭い、数か月のけがを負った。
しかしその翌日、今度は自分の両親が事故に2人とも遭って亡くなってしまう。
事故後は、成美の母親の親友であるという裕子の家に引き取られる。
裕子と夫の晃一は、突然できた養子の娘と何とか心を開かせようと努力する。
成美もそれを感じ取って二人に心惹かれていくが、くますけが両親を殺したのではないか?という疑問が心に残り続ける。
感想
率直に言えば…うーんという感じですね。
成美の性格というか行動原理というか、その辺りが一貫しているようにも思えず全く共感できないため、最後まで話がふわふわと他人事のようでした。
成美は妙に大人びているという表現もありましたが、それでいてやたらと子どものような側面も出すので‥
まあ10歳なんてそんなものかもしれませんけどね。
ホラーと聞いていましたが、特にそんなこともありませんでした。
じわじわとした怖さがないわけではないですが、いわゆるホラーを想定するとちょっと違うかも。
筆者のぬいぐるみ愛は大変伝わりました。
口語と文語
地の文がちょっと読みづらかったです。
子どもの独白部分があるからかなと思っていたら、それだけでもないし…
何というか、微妙に脚本(セリフ回し)っぽいというか…
そうだ。ならばこうする、成美、そこで考えた。くますけを黄色く塗って赤いベストを着せれば大丈夫(でもでも、そんなことしても怒られないかな?確か権利は切れてるって聞いたけど)
みたいな感じで、句読点に違和感があったり、()内がやたらと長かったり…
※文章は適当です
そうじゃなくても
「成美はそう思った」みたいな文章も「成美、そう思った」というような感じで、句読点で切るんですよね。
その辺りも独白なのか客観視した文章なのか曖昧で、ふわふわした印象になった一因かもしれません。
筆者のあとがきの文章もこんな感じで、口語と文語が入り繰ってる作風なんですかね。
ぬいぐるみと私
うちにも何体かぬいぐるみがいますが・・・
買ったりもらったりしますが、結局困っちゃうんですよね。
特にオリックスの株主優待でもらったオオサンショウウオとペンギンのぬいぐるみ。
(画像は拾い物)
オオサンショウウオが90㎝くらいあるのでかなりでかいんですよね…
まだ袋からも出してませんが、いつか価値がでるのだろうか。