G-log 日々思うこと

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「銀行員が勧める商品は買うな」説について、元銀行員が思うこと

最近、マイナス金利やらメガバンクの人員削減案やら、

銀行を取り巻く環境はよろしくありませんね。

 

今日も仕事中にネットサーフィンをしていたら、

「銀行員にはお勧め商品を聞いてはいけない」という記事をみました。

manetatsu.com

 

私も一応、元・銀行員としての立場で本音を言いたいと思います。

なお「元」ですので、銀行側を擁護するのもけなすのも本音です。

 

 

変な記事も多い

最近の銀行に関する記事をみると、否定的なものが多いですね。

冒頭にもリンクを貼った『銀行窓口で絶対に聞いてはいけない「3つのNG質問」』

これを見て違和感があったのですが、その中身は

①おすすめの金融商品はありますか

②固定金利と変動金利、どっちがお得ですか

③どんな投資商品を選ぶとお得ですか

がNGとあります。

 

この記事を具体的に見ると、

①おすすめの金融商品を聞けば、カードローン付きキャッシュカードと返ってくる。

②固定金利と変動金利は、変動金利しか勧めてこない。なぜなら見かけが安いから。

③投資商品は、外貨預金など銀行にとって手数料が多い商品しか勧めてこない。

 

槍玉に挙げてしまって書いた人には申し訳ないのですが、

今どきこんな回答をする銀行窓口があるのでしょうか?

 

私の感覚と経験則なので、必ずしも実態に即しているとは言えませんが、

①おすすめの金融商品なんて漠然とした質問で答える人はいない。

②固定と変動は好みのお客さんの好みの問題。銀行収益には大きく影響しないので、どっちも説明するし、どっちも差がない。

③投資商品は、相手を儲けさせないといけない、が鉄則。なぜならその方が結果的に儲かるから。外貨預金に「投資商品」という認識はない。

こんな感じでしょうか。

もちろん、個々の窓口担当者の意見がありますが、外れてはいないと思います。

 

補足

③について補足すると、投資信託を売れば数%の手数料が入ります。

売る投資信託の銘柄によって銀行が貰える手数料が違いますので、

同じ1000万円という金額で投資信託を売っても

10万円だったり、20万円だったりします。

なら手数料の高い商品を、という考え方もありますが、

お客さんは儲からなければすぐに投資信託を解約し、

特に損失が大きかった場合には二度と買いたがりません。

 

投資信託は売った時の手数料が一番大きいため、

売り買いを繰り返してくれるお客さんが一番うれしいです。

なので、少しでも儲かれば次を買ってくれる可能性が大なので、

綺麗ごとではなく銀行が稼ぐためにも、「いい商品」を売らねばなりません。

 

というわけで、同じくらいのリスク・期待感の商品なら

手数料の高い方を勧めるかもしれませんが、

長期取引を失うリスクを取ってまで手数料の為に、

金融商品を薦めることはまずないでしょう。

 

手数料ビジネスへの批判

「銀行への批判」の多くが「手数料ビジネス」への批判というところに、私の違和感の正体があると思います。

そもそも銀行は預金で金を集め、貸出で金利を貰って稼ぐ商売でした。

それが、今や企業への貸し出しが減り、手数料で稼ぐようになっており、

「金融」業としての本懐を果たしているのか?というものです。

 

企業への貸し出しが減っている批判は正しいと思います。

手数料で稼ぐことへの批判は間違っていると思います。

金融機関とはいえ民間企業が、手数料ビジネスを推進して収益性を高めることに何の問題があるのでしょうか?

 

ちなみにATMの引き出し手数料が高いという批判が最も身近だと思いますが、

コンビニのATM利用をすると、銀行からコンビニに手数料を支払うため、

100円程度では赤字と聞いたことがあります。

なのでコンビニ的には儲かりますが、銀行的には儲かりません。

 

資産運用を銀行に相談するか?

最近の銀行のカードローン推しは、どうかなと思っています。

あれって高い利息の借金を煽っているだけですからね。

ちなみに銀行員の中でも(極めて少ないですが)、

まともに自分の家計すら管理できず、カードローンを借りている人もいます。

 

また、銀行員は「有価証券取引が原則禁止」されているので、

自分の資産運用に非常に制限があります(やってる人はやってるけど)。

なので、せいぜい投資信託や外貨預金程度の運用経験しかないので、

個別の株式銘柄などの相談はそもそも的外れです。

なので、本当は証券会社に相談した方が幅広い提案を受けられるでしょう。

 

とはいえ、自分の資産管理の手間(新たに証券口座を作るとか)や、

支店との物理的な距離や担当者との信頼感を含めて考えると、

銀行に相談するというのもアリと言えばアリだとは思います。

 

手数料を払ってでも付き合う価値があるか

企業にとっては、銀行は金の貸し借りだけの関係ではありません。

例えば銀行の別の顧客を紹介してもらったり、

経営アドバイスをもらったりなど、メリットは他にもあります。

もちろん、いざというときにお金を借りられる関係というのは、

企業のリスク管理としても非常に重要な視点です。

(そこにつけ込む銀行の営業マンがいるのも事実ですが)

 

個人の取引では、銀行のメリットはまた異なります。

まずはタンス預金よりも圧倒的に安全であることですし、

手数料の有無はさておき、持ち歩かずともATM網によりどこでもキャッシュが下せます。

 

そういう意味でも、預金として預けるのは必要だと思いますが、

「資産運用」は銀行ばかりではない方がいいかと思います。

 

結論としては

資産運用という視点に限っていえば、銀行半分・ほかで半分くらいがいいのかと思います。「銀行半分」には現金で持っておく部分も含みます。

先にも述べたように、自分の運用経験もないため、証券会社等に比べて提案力に劣るでしょう。

もっと言えば、銀行は3年程度で転勤がありますので、担当者レベルで信頼できる提案を受けたとしても、その人がずっと残ることはあり得ません。

 

自分で運用できる人はネット証券会社で十分ですしね。

とはいえ、話だけ聞いてみる分にはタダで済みますので、

特に投資初心者の方などは、銀行窓口でちょこっと話を聞いてみるのはありでしょう。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

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