G-log 日々思うこと

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駅前再開発とタワマン問題

たまには社会派を気取りたいGOです。

なので、真面目な記事です(普段も真面目に書いてますが)。

 

私が住む千葉県の中心駅の一つ、「JR千葉駅前」も現在、「再開発」が計画されています。早々にテナントも撤退しており、夜はだいぶ暗くなりました。

 

昨今の駅前再開発について思うこと。

 

 

<目次>

 

駅前再開発とは

都内でも、駅前の再開発が多いですね。確かに、まちの経済活性化の起爆剤になりますし、建物の老朽化対策にもなります。

よくあるパターンは、地権者・建物所有者が集まって、古い建物を壊し、大きな「再開発ビル」を建てるもの。

自分たちが元々持っている土地・建物の価値を計算して、新しい「再開発ビル」の「権利床」を決めます。

「権利床」は簡単に言えば、新しいビルの持ち分ですね。

 

そして、新しいビルの方が古い建物より価値が高いので、元々の所有者達が持つ「権利床」だけにはなりません。

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余った床面積を、「保留床」と言います。

この保留床を売り飛ばしたお金で、再開発ビルの建設費の一部を賄います。

保留床は、通常はデベロッパー(野村不動産とか三菱地所とか)が買い取ることが多いです。

そしてデベロッパーは、テナントを住まわせる・床を転売することで、その事業費を回収していきます。

 

公共機能を持たせる代わりに容積率UP

土地には「容積率」と呼ばれる「建物を建てられる広さ」が決められています。

例えば「容積率500%」なら、「1000㎡の地面に5000㎡の建物が建てられる」ということです。

(他に建ぺい率の問題もあるけど)

 

事業者からすると、「駅前」の貴重な土地には、できるだけ大きな建物を建てたいというニーズがあります。

駅前ならすぐ借り手が見つかるので、大きな建物ほど利益が高まる可能性が高いからです。

しかし、容積率が制限となっているので、それ以上の広さの建物は作れません。

 

そこでいろいろと裏技がありますが、その一つに「公共機能を持たせる代わりに、容積率を上げてもらう」というものです。

例えば、「人々が集い、防災拠点にもなる広場」をつくる代わりに「容積率を200%プラス」といった交換条件でボーナスが付きます。

大阪駅の周りに、大きな広場があるのはそのためです。

 

駅前再開発の問題点

改めて、駅前再開発というとどんなイメージでしょうか?

都市化して街並みが綺麗になるというメリットもあれば、

どこも金太郎あめのように個性のない駅前になってしまうという批判もあります。

 

また、そもそも「権利者の合意形成が難しい」という問題があります。

権利者同士が一致団結しないと大型の再開発はできませんが、当然利害関係者が多いほど、揉めることも多くなります。

そんなことをやっていると、合意形成だけで10年以上かかることも、珍しくありません。

 

駅前タワーマンションの問題について

再開発に合わせて、駅近くの分譲タワマンが流行ってますね。

武蔵小杉がよくニュースなどでも出ますが、よくあんな乱立したところに住みたがるなあと個人的に思います。

 

さておき、駅前は交通・買い物など、何でも便利なのですぐに売れます。

しかし、修繕で騙しだまししても、マンションの耐用年数はせいぜい50年でしょう。

そうすると、50年後には「マンション建て替え」を視野に入れなければなりません。

そして再開発から50年経てば、周りの商業施設等も含めて「更新」が必要になります。

 

タワマンの分譲となると、同じ建物一つで、何百人という地権者が生まれてしまいます。

再開発は合意形成が難しいと先ほど言いましたが、分譲マンションではその人数のせいで、さらに合意形成が難しいです。

企業ではなく個人が細かく権利を持っているし、マンションが老朽化する頃には、相続されてしまって更に権利関係が複雑化しているケースもあり得ます。

郊外ならばマンション単体の問題ですが、まちの中心となる駅前だと、まち全体に関わります。

 

駅前再開発を「分譲マンションと商業施設」のような今売り抜くことを考えた画一的なものではなく、50年後の将来まで考えたうえで、スキームを考えることが重要でしょう。

 

まあ50年後も駅前が栄えているような社会かどうかは、分かりませんけどね。

私も50年後は生きてない可能性の方が高そうですし。

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