苦労は買ってでもする時代になるのだろうか?
利便性と成長と
うちの職場はけっこう文章を書く仕事が多いんですよね。
私より若い社員達の傾向として、長い文章を書くのは苦手なタイプが多いです。
『私は今日は、東京には行こうと思います」みたいな、ちょっと違和感を覚える文章を書いてくるんですよね。
そこへ話題をさらったChatGPTの登場。
あんなこともこんなこともできる、と夢が広がっているようです。
ただ、無料で使える現行のChatGPT(3.5でしたっけ?)って、今のところは高性能文章書きマシーンです。
(※私の認識においての話ですので、間違っているところがあったらすみません)
業務効率だけ考えれば、ChatGPTを使った方が圧倒的に早いでしょう。
適当な箇条書きで「レポート書いて」でも「紹介記事書いて」でもできますしね。
ただ、これを続けるとおそらく自分で文章を書く能力は確実に衰えるでしょう。
新入社員なんて元々能力がほぼないですから、育たないまま終わります。
そして、良い・悪いも恐らく判断できなくなるので、もはやAIだけあれば人間が不要になります。
そんなわけで、とりあえず社内利用禁止にしました。
情報漏洩などの問題も孕む可能性があるので、という建前です。
それ以外もそうですよね。
ソフト開発でも、末端のコーダーはAIに置き換えられそうです。
要件定義などの前段階と、全体の統合ができるプロジェクトマネージャー的な人が一人いれば、あとはAIがコードは書いてくれます。
そうすれば一人でもソフト開発ができるでしょうが、コードを書く人間はいなくなります。
そうすると、何らかの想定外が起きたときに、コードを理解できる人間がいない、ということにもなりえます。
イメージしやすく言えば
ある会社に新人とベテランがいた場合。
全ての仕事は新人よりベテランの方が早いので、新人にやらせるよりもベテランが全てやった方が早い。
そんな場合でも、新人を育てる(その他、リスクヘッジや労務管理など現実的な問題もありますが)ためには、一時的には効率が下がっても新人に仕事をやらせるでしょう。
AI代替業務も同じで、早くやるならAIにポイっと任せられるかもしれませんが、成長や経験といった意味では、人間にもやらせておいた方がいいでしょう。
二度とやる必要もないような仕事、ちょっと前の流行りで言えばブルシットジョブ(くだらない仕事)なら、人間がやらず全てAIで完結させても良さそうですけどね。
極論でした
上に挙げた例は極端な話で、AIに代替されても、そのスキルを持った世代がまるまるゼロになることもないでしょうし、全く習得していないということもないでしょう。
逆にもっと極端になれば、人が介在する仕事というのが更に限定的になるのでしょうから、例で挙げたプロジェクトマネージャー的な人間すら不要になります。
コストだけでなくても、人間がやるからこその価値もありますしね。
寿司ロボットができたって、寿司屋の大将はいなくならないでしょう。
他の業界ではどうなんでしょう。
3Dプリンターは大工を駆逐するか?うーん難しいですね。
宮大工などは少なくとも当面は機械に代替されない気もしますし。
そんな感じで、AI+ロボットがこれだけ身近になっていくと、先々どうなるんでしょうね?
人間が関与する仕事は、大きく価値が下がるのか、価値はそのまま数だけ激減するのか、逆に希少価値が上がるのか?
「AIでも代替できるしその方が短期的には安いけど、人間の経験・判断力向上のためにも、あえて人間がやる」というのが贅沢になってくるのかもしれません。
正に苦労は買ってでも(コストをかけてでも)する時代へ。
まとめ
だいぶ話が取っ散らかりました。
AIだったらもっと上手く書いていたのかもしれません。
まとめると、ChatGPTのようなAIは便利だし使いこなすスキルも必要でしょうが、そもそもの成長といった部分や、品質の見極めなどのスキルは、AIに頼りっきりになると育たないし得られないような気がしているということです。
短期的な経済合理性を考えれば、
ただどのみち、社内で禁止にしたところで使う人は使うでしょう。
そうまでして使いたがる人は、きっと効率的な使い方を考える人、もしくはサボるタイプの人です。
前者はそんなに向上心があれば勝手に成長できるでしょうし、後者はどっちみちサボるので成長など見込めないでしょう。
なお、私は後者のタイプですので、仕事で文章を書く時にもChatGPTを使っていくつもりです。
私しかアプリ管理やログ管理権限を持っていないので、使ってもバレませんしね。