千葉市加曽利貝塚が国の特別史跡に指定されましたね。
千葉県民としては喜ばしいです。
特別史跡はいまだによく分かってませんが、加曽利貝塚は最近行ったので、少し調べてみました。
<目次>
貝塚とは
貝塚と言えば、歴史の教科書のかなり最初の方にも出てきます。
まあ今更説明する必要があるかは分かりませんが…
しかし、単なるゴミ捨て場と思われていることもしばしば。
今から1万年ほど前、縄文時代と呼ばれる時代。
人々は狩猟や採集を中心に暮らしており、海の恵みとして、魚と並んで貝が食べられていました。
貝殻は当然食べられないため、一か所に山のように捨てられていました。
これが貝塚です。
貝殻だけではなく、土器や石器、住居跡・人骨なども残されており、古代の人々の暮らしの名残を感じることができます。
日本の土地の大半は酸性であるため、一般的に土中に化石などが残りにくいとされています。
しかし、貝殻に含まれる炭酸カルシウムが酸性を中和するため、貝塚周辺では様々なものが残されているのです。
加曽利貝塚について
「加曽利貝塚」は、現在の千葉市若葉区に位置します。
JR千葉駅から車で25分くらいかかります。
また千葉都市モノレールでは、桜木町駅から徒歩10分ちょっと。
閑静な住宅街の真ん中で、目立たずひっそりとあります。
特に周りに店があるわけでもなく、観光地でもないので極めて地味です。
しかしながら、「日本最大級の貝塚」であり、非常に価値のある場所なのです。
歴史的には、縄文時代の中期、今から7000年前くらいに、加曽利貝塚に人が住み始めたとされています。
それから約4000年間、人が住み続けた結果、巨大貝塚となったそうです。
相当住みやすい地域だったのでしょうね。
かそりーぬ
ちなみに2014年からPR大使がおり、「かそりーぬ」と言います。
当時の狩猟には「猟犬」がついていることもあったそうで、犬がモチーフです。
最近は、千葉市のキャラクターの一人として、いろんなイベントに出張しています。
少しガタが来ている(?)、「ちはなちゃん」より人気があるかもしれません。
2017年10月、念願の「特別史跡」へ!
加曽利貝塚は、もう何年も前から、国の特別史跡指定を目指していました。
「かそりーぬ」も、その色々な努力の一つとして生まれたものです。
もちろん学術的な発掘・保存に携わった方も大勢いらっしゃいます。
今回の特別史跡指定は、メディアでも数多く取り上げられました。
これにより知名度上昇が期待でき、多くの来場者につながることでしょう。
ちなみに日本の特別史跡にどんなものがあるかというと、
五稜郭、名古屋城跡、キトラ古墳、大阪城跡などなど、有名どころもあります。
ただ、割と知らないものも多いかな…
加曽利貝塚の課題と期待
加曽利貝塚では、いわゆる貝塚の断面だけではなく、縄文時代の家=竪穴式住居の再現などが展示されています。
そんな加曽利貝塚ですが、個人的にはもっと集客できると思いますが、課題も山積み。
- 住宅街のど真ん中にあること(これは仕方ない)
- 案内が少ないので場所が分かりづらいこと
- 駐車場が少ないこと
- 展示の説明が足りないこと
- お土産がない(かそりーぬグッズはもっと欲しい)
- 飲食店が周辺含めてほとんどない
・・・などなど、努力はしているものの、活性化につながるほどは足りません。
私が一度視察させてもらったときは、ほぼマンツーマンで解説していただいたので、
この貝塚がどれだけすごいものかと、大変魅力的に映りました。
しかし、研究員の方がマンツーマンで付き添うのは難しいですし、
ボランティアガイドの方にも限界があります。
やはり周辺も含めたソフトとハードの両面の強化を期待しています。
加曽利貝塚の裏手には田畑・森が広がっています。
千葉市では、加曽利貝塚の周辺を含む土地の活用の見直しも進められており、
博物館などもリニューアルされるかもしれません。
今現在でお勧めスポットか?と聞かれたら、「ぜひ行ってください!」とは
言い難いのが正直なところですが、今後に期待したいと思います。