競歩。
速さを競うにも関わらず、走ってはいけないというのは何だか矛盾している気がして、いつも違和感を感じています。
というわけで、競歩について考えてみました。
競歩のルーツ
競歩のルーツには諸説ありますが、ローマ軍の娯楽、貴族の散歩が競技化等の説があるそうで、いずれにしてもヨーロッパ産のようです。
「散歩を競技化」ということは、欧州貴族(イメージは豪華な衣装にヒゲ、または貴婦人が片手に日傘)の人達が、優雅に散歩中。
何かをきっかけに突然相手より前にすっと出て行き、それを相手がイラっとして抜き返し…というような、現代で言えばマウンティングとマウンティング返しの応酬みたいな形で「ハアハア・・・じゃあちゃんとよーいドンで勝負しようぜ」となったのでしょうか?
審判すげー
競歩と言えば、あの独特の歩き方ですよね(うっかり、走法という言葉を使いそうになりますが)。
競歩のルールを少し調べてみました、Wikipediaですが。
常にどちらかの足が地面に接していること(両方の足が地面から離れると、ロス・オブ・コンタクトという反則をとられる。以前はリフティングという名称だった)。
前脚は接地の瞬間から地面と垂直になるまで膝を伸ばすこと(曲がるとベント・ニーという反則をとられる)。
競歩競技には上記2つのような定義が定められており、その定義に違反しているおそれがあると競歩審判員が判断したときに、競技者はイエローパドルを提示される(ロス・オブ・コンタクトの時は波型の書いてあるものを、ベント・ニーの時はくの字が書いてあるもの)。定義に明らかに違反している場合はレッドカードが発行される。ある競技者に対してのレッドカードが累積3枚になると、競技者は主任審判員より失格を宣告される。ただし、主催者などが「ペナルティゾーン」を採用した場合は、レッドカードが累積3枚になった競技者はペナルティゾーンにおいて所定の時間(20キロ競歩では2分、50キロ競歩では5分など、レース距離10キロに対して1分)待機し、レースに復帰することができる。この場合は4枚目のレッドカードで失格となる。(競歩のWikipediaより)
これらのルールを守っていくので、あのような尻をフリフリ歩く形になるんですね。
こうした判定が必要な競技にも関わらず、レースは50kmコースがあり、それには3時間30分以上の競技時間がかかります。
つまりこの間、審判がずっとこの項目を守っているのか見続けていることになります。
マラソンだって42.195kmで2時間~ですし、特にフォームを判定することは必要ありません。
野球の試合も4時間近くかかることがありますが、チェンジや投手交代などの合間は少し気を抜けるでしょう。
50㎢を競歩スタイルで移動するのも大変ですが、審判もかなりすごいのでは?
夏のオリンピック
ただ、真夏のオリンピックで50㎢、3時間30分以上も全力で歩き続けたら、いくらアスリートでも大丈夫なんですかね?
マラソンは会場変更で札幌になったけど…と思っていたら、競歩も札幌になってました。
ただ札幌だって暑いは暑いでしょうし、選手も観客も果たして無事なんでしょうか。
記録はさておき、雨でも降った方が人命は助かるかもしれません。
スピード+αの他の競技?
私が抱いた単純な違和感は冒頭に書いた通り、単純に速さだけを競うなら走る方が速いからです。
ただ合理性ばかり突き詰めると、マラソンも原付で走れば早いという極論になってしまいますし、そもそもスポーツというのは合理性で図れるものではありません。
いろいろなレギュレーションを設けていくことは、多様性にもつながるというのは否定できません。
なので、スピードだけではなく、何かプラスアルファの競技こそが盛り上がるのかもしれません。
運動会で言えば、スプーンに球を乗せたまま走るとかね。
競歩のルーツは、「何か衝撃に弱いものを運ぶのにあの歩行方法がベスト」なのかと勝手に思ってました。
ならばUber Eatsみたいなリュックに衝撃で割れやすいものを運びながら速さを競い、ゴールと共にリュックを開けて、割れていたら失格というどんでん返し付きのレースはアリかなあと考えました。
また、競歩が競技化されてレースとして成り立っているのならば、「後ろ向き走」とか「ほふく前進競走」「でんぐり返し競争」も地味に盛り上がるんじゃないかなーと薄ぼんやり考えました。
いや、どうかな・・・