最近、こんなニュースを見ました。
「今、金欠でもハワイに行ける!?旅行代金をツケで払うアプリ始動」だそうです。
そんなサービスを見て思うこと。
<目次>
どんなサービスか?
冒頭のリンク先にも書いてありますが、簡単に。
このアプリ(サービス)は、旅行料金を最大2か月間、「ツケ」=後払いで支払いを待ってくれる旅行代理店アプリです。
正式名称は「TRAVEL Now」。
水族館のチケットから、最長でハワイ旅行まで。
金額でいえば10万円以内で、基本的には無審査。
「金欠で旅行を我慢している層」がターゲットだとか。
そもそもクレジットカードを使えば後払い
そもそもクレジットカードを持っていれば、その支払いは後払いになるので、このサービスが不要となります。
とすると、クレジットカードが持てない層=学生などが主な利用者と想定されます。
あるいは、何らかの金融事故(返済不履行等)でカードが持てない人たちですかね。
いずれにしても、お金が無い人たちということは間違いないでしょう。
若者をだましているイメージしかない
ZOZOのツケ払いもそうですが、敢えて強めに言えば「若者をだましているイメージ」しかありません。
記事によれば、「友達との旅行で日程を合わせたいのにお金が無い人のために~」等といった発言もあります。
しかし、後払いやツケ払いという表現を使っていますが、いずれもあくまで借金です。
「奨学金」ですら借金という認識がない学生もいると聞きますが、そもそも借金の基本が若者にはイマイチ理解できていないように思います。
(住宅ローンの説明などをしていると、元利均等と元金均等の理解を得るだけでも時間がかかる人もいて、そりゃリボ払いに引っかかる人も増えるわけだと思います)
特にTRAVEL Nowは、「旅行」という全体が見えづらい商品性のため、本来無用な金額が乗っかっているのではないでしょうか(ここは想像で申し訳ない)。
それは金貸しから言えば「利息」や「貸倒損失」に当たる部分で、通常の旅行には必要ない部分です。
金が無いのに無理して行こうとしたおかげで、通常よりも高い金額で旅行することになります。
今、金欠なら絶対行くな
結論から言えば、そういうことですね。
ZOZOTOWNの「ツケ払い」も、後から返済に苦しむ若者が増えているとの報道も見かけました。
TRAVEL Nowは10万円、ZOZOTOWNは5万4000円が上限のようですが、
その程度の額が即支払えない、又はクレジットカード等も持っていない人が、旅行に行く・服を買う時点で、馬鹿じゃないのと思います。
※そもそもクレジットカード決済で旅行に行く人は、後払いがしたいのではありません。
現金決済が面倒くさい、カード購入による特典(ポイント等)が欲しい、というのが、クレジットカード払いにする理由のほとんどでしょう。
「今は手元にも預金にもお金が無いけど、来月には給料が入るから、クレジットカードで支払って旅行に行ける!」というギリギリの生活をどう思うでしょうか?
百歩譲って、「新婚旅行を分割払い」くらいなら納得できなくもないかな…
このサービスがビジネスとして成功したならば
旅行というのは生活に潤いを与えるものですが、生活必需品ではありません。
このサービスが成功したとすると、よっぽど「金融リテラシーの無い人が多い」ということの証左になりえるでしょう。
「旅行代金の回収は専門の業者が行う」とあるので、このアプリの制作会社は、一定のリスクヘッジをしているようです。
しかし、独自の商品企画・サービスを充実させた旅行プランを販売するならさておき、既存の旅行パッケージを後払い=無審査借金で行かせること自体、ビジネスとして成り立つ・成り立たない以前に、「良くない」と思います。
余裕がないのにスマホゲーに重課金しちゃうような人がまだまだいる中、
このようなサービスは非常に危険を孕んでいるように、元金融機関の人間としては思った次第です。
お金の教育
借金自体は、リスクとメリットを理解しているならば、必ずしも悪いことではありません、
そのためには、やはりお金の教育は大事ですね。
ということで最近、縁あって中学校の「総合的学習(?)」の先生役に立候補してみたのですが、中学校から連絡がないなあ。