尾道と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
坂、工業地帯、サイクリング(しまなみ海道)、坂、港、猫、坂。
森見登美彦ファンの方は「夜行」の舞台の一つとしてもお馴染みかもしれません。
私もおおむね、その程度しか浮かばなかったのですが、尾道グルメと言えば「尾道ラーメン」が有名です。
というわけで、尾道ラーメンを食べたお話。
尾道ラーメンとは?
尾道ラーメンの定義をWikipediaで調べてみました。
こういうどうでもいい情報はWikipediaに限る。
尾道ラーメンは1947年に「朱華園」を開業した台湾出身の朱阿俊が提供したラーメンに始まったと言われる。醤油味ベースのスープに平打ち麺。トッピングに豚の背脂のミンチを乗せたものは現在でも朱華園で「中華そば」として提供されている[1]。
1990年代になると福山市鞆の浦の珍味メーカー「阿藻珍味(あもちんみ)」が「お土産用尾道ラーメン」を販売する。鶏ガラスープに平子いわしを使ったもので、以後、この系統のラーメンを出す店が増え、一般的に「尾道ラーメン」といった場合には、こちらを指すことが多い。
なお、阿藻珍味が福山市のメーカーであるため、岩岡洋志は「尾道・福山ラーメン」と呼ぶべきかもしれないと述べている。
このように尾道ラーメンは朱華園をルーツとするものと阿藻珍味をルーツとするもの、二つの系統があると言える。
(尾道ラーメンのWikipediaより引用)
大事なことは赤字にしてみました。
つまり、
1.醤油味ベースのスープに平打ち麺
2.現在でも朱華園で食べられる
3.二つの系統があって、それぞれ異なる
結論としては、細かいことは気にせず、元祖と言える朱華園とやらに行ってみようということになりました。
朱華園の場所
朱華園は、尾道駅南口を出て左、尾道商店街を10分ほど進んだところにあります。
10m~20mくらいですが、メイン通りからは外れるので気をつけてください。
なお、駅前から商店街の中にも、数多くの尾道ラーメンのお店が点在しています。
昔ながらのラーメン屋といういで立ちの店もあれば、中華料理屋、少しこじゃれた感じなど、ラーメン屋もそれぞれでした。
朱華園に着いたよ:行列ができている
こちらが朱華園の店構え。パッと見はラーメン屋っぽくないですね。
他の尾道ラーメン屋と違って、「尾道ラーメン」をPRしている様子もありません。
しかし、訪問時は13時過ぎでしたが、行列が10人程度できていました。
平日の真昼間なんですが、観光客っぽい感じですね。
ただ、回転率は悪くないので、行列の長さの割には早く回ってきます。
注文は、先にカウンターで行います。
といっても、「中華そば600円」以外には何もありませんでしたが…
注文して会計を済ませると番号札が貰えるので、それを持って席に移動します。
なお、店内はかなり狭い上に満席の時も多い(と思われる)ので、ラーメン食べてる人にぶつからないように気をつけましょう。
尾道ラーメンを食べる
5分ほど待って、尾道ラーメンが到着しました。元祖です元祖。
聞いていた通り、麺は平べったいといえば平べったい…があくまで中華麺。
具はチャーシュー、メンマ、刻みネギとシンプル。
スープは黒い醤油スープで、豚の脂が浮いています。
しかし見た目に反して味は濃くなく、脂っぽくもなかったです。
逆に言えば、そこまで特徴的という感じもせず可もなく不可もなく…というのが正直な感想です。
いまどきの行列店で、ラーメン一杯600円というのは良心的。
たぶん昨今のラーメンブーム、行列度合いから考えても、100円くらいは値上げしても問題ないでしょう。
ただ、1947年創業と地元で長くやってこられたのも、値段は抑えてるからなんでしょうね。
【2019.06.07追記】
なんと、2019年6月19日をもって、店主の方の体調不良につき無期限閉店だそうです。
また支店である福山市の松永店は完全閉店。
残念ですが、代理や跡継ぎの方などいらっしゃらないのでしょうか。
地元の銘店も、こういう属人化によって閉まってしまうのはもったいないですね。
属人化が魅力になっているのも然りですが…
森見登美彦の「夜行」について過去記事を書いたつもりが書いてなかったようです。
「熱帯」並みに不思議な話ですが、再読しようかしら…