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【企画展】『ミイラ「永遠の命」を求めて(上野科学博物館)を鑑賞。肉体だけ残ることは?

ミイラ展に行ってきました。 

ミイラとはいえ人間の遺体ということで、展示は全て撮影不可です。

なので、画像はほとんどありません。

その代わりに、大沢たかお氏による音声ガイドや文献資料をメモってきましたので、ミイラに関する知識を少しご提供。

 

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ミイラ展とは

ミイラ展は、2019年11月2日~2020年2月24日まで上野にある国立科学博物館で開催されている企画展です。

見どころは、世界各地から集められた本物のミイラ43体。

様々な人生を送り、死して尚、当時の時代を雄弁に語る無言の死体。

そんな展示です(たぶん)。

www.tbs.co.jp

 

ミイラの名産地・エジプト

ミイラには人工ミイラと天然ミイラがあります。

そもそもミイラとは、長時間朽ちることなく人の形を維持しているものであり、白骨化とは区分されているようです(正確な定義はよく分からぬ)。

 

そんなミイラですが、イメージするのはやはりエジプトでしょうか。

その他、南米インカ帝国もミイラの名産地だったそうです。

エジプトでは(諸説ありますが)1億5000万人がミイラ化したという調査もあるそうです。

今の日本人が全員ミイラ化するようなものですね。

 

ミイラの作り方(エジプト式)

少しグロい表現があるかもしれませんのでご注意。

 

  1. アヌビス神の被り物をします。
  2. 死後数日の死体を用意します。
  3. 内臓を取り除きます。
  4. 肝臓、胃、腸、肺は特別な部位として、特定の壺に格納します。
  5. 脳みそは鼻の穴から棒でひっかきだして、そのまま捨てます(当時は脳は重要視されていなかったので)。
  6. 心臓はあの世の「死者の審判」で使うので、そのまま残されます。
  7. 水で洗ったあと、塩などをまぶして水分を吸い取ります。
  8. それを二度繰り返した後、香油を塗り、最後に包帯を巻いて完成です。
  9. ここまで70日間くらいかかっています。

 

こんな感じの説明が、アニメーションで流されていました。

これで皆さんもミイラづくりができますね(犯罪教唆になるのか?)。

 

古代エジプトでは死んだ人の魂(=バー)は鳥の形をして帰ってくるので、その器として体が必要=ミイラを作っていたそうです。

なお、それは人間に限らず、猫やハヤブサなどもミイラにしていました。

(実際に展示もアリ)

 

特にネコはバステト神とも重なり、ネコのための神殿や、盾にネコの絵を描いて攻撃されないようにしたなど、様々なネコ好き逸話が遺されています。

 

インカ帝国とミイラ

インカ帝国といえばマチュピチュで有名な、14~16世紀頃まで南米にあった巨大国家です。

ここでもミイラ作りが盛んであり、特徴としては、内臓を抜いた後に土を詰めていたそうです。

インカ帝国では、子どもは神に捧げる人身御供として、ミイラ化させて献上していたそうです。

ですので、大人よりも子どものミイラも数多く出土しています。

 

ただ、ミイラは乾燥したり骨を抜いたりするので、普通の子どもよりも更にこじんまりとしています。

なお犠牲になった子どもですが、献上される1年前から、アルコールやコカの葉っぱなど幻覚剤も与えていたとか…

 

ヨーロッパのミイラ

ヨーロッパではミイラ文化はあまりなかったようです。

むしろキリスト教が広まっていくと、エジプトのミイラ作りも禁止するなど、ミイラ作りという点ではマイナス方向に向かっていました。

ただ気候的には低温低湿な場所もあり、天然のミイラも発見されています。

有名なのは「アイスマン」と呼ばれるミイラです。

 

今回のミイラ展のポスターになっている二人は、オランダで発見されています。

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ウェーリンゲメンと呼ばれる彼らですが、沼地から発見されました。

骨まで溶けていて、皮だけ残ったミイラだそうです。

男女ペア説もありましたが、最近の調査では男性二人、しかも殺害された二人のようです。

どんなドラマがあったんですかね。

 

パプアニューギニアのミイラ

パプアニューギニアのアンガという地域では、ミイラがより身近なものでした。

村民が亡くなると、椅子に縛り付けて3か月間、煙でいぶし続けます。

そうすると、高温多湿なミイラ作りに向かないパプアニューギニアでもミイラが作れます。

できたミイラは集落を見下ろせる場所に設置されます。

ここはナショナルジオグラフィックの映像で、ミイラ作りの様子もはっきりと残されていました。

 

中国と日本のミイラ

意外というか、中国にはほぼミイラがないそうです。

ただ、死後も肉体を残すことを目指し、「金ナントカ」(メモし忘れ)という金属でできたフルアーマーを遺体に着せて、腐敗から逃れようとはしたようです。

 

日本には、人工ミイラ約20体、天然ミイラ約20体が現存しているそうです。

うち4体が展示されていました。これがインパクト強め。

まず2体は江戸時代の兄弟のミイラだそうですが、これは自然のモノ。

 

一体は、江戸時代末期の本草学者。

本草学者とは、草や木、動物などから薬品を研究する学者だそうですが、この人は死後の肉体保存について研究する人です。

そして遺言として「機会があったら掘り出してみろ」と言い残して死んでいったそうですが、昭和になって子孫が掘り返してみたら、本当にミイラ化していました。

胃腸を調べたところ柿の種(植物の方)を大量に摂取していたそうです。

タンニンが豊富な柿の種によって、死体の防腐効果があったとされています。

ミイラになりたい人は、柿を食べてお茶を飲みましょう。

 

そしてもう一体が、弘智法印・宥貞(こうちほういん・ゆうてい)という僧。

90歳を超えた後、修行の完成として「即身仏」になるべく、自らミイラ化しました。

徐々に食事を減らして水分も摂らなくなり、最終的には箱(?)の中に入って、鈴を鳴らし続けます。

鈴が鳴りやんだときは死亡…ではなく、「永遠の瞑想=入定」という状態だそうな。

17世紀頃の方だそうですが、民の幸福を願って過酷な修行に入るという姿勢は凄いですね。

現在は、福島県浅川町の貫秀寺というところにありますが、今回は運んできて展示されています。

 

ミイラ展・感想まとめ

精神と肉体、生物学的に言えば脳と肉体ですが、脳が死んで肉体だけ残ることに、個人的にはあまり意味を感じません。

私は精神の死が「人間の死」であり、あとは微生物がばらしてくれるか、火で燃やすかというだけで、死後の世界というのも信じておりません。

ただ、過去から現在まで死後の世界を信じ、永遠の生命を夢見るというのは壮大でロマンティックをもらった感じがしました。

白骨よりも人に近いミイラですが、見た目のインパクトはそれほど感じませんでした。

生で観れば、もっと心に来るものがあるかなあと思ったのですが…

 

さて、展示会としての感想です。

まず、開催2日目に行ったということもあって、それなりに混雑していました。

そして保護のため仕方ないのですが、かなり暗いです。

更に、多くのミイラは布にくるまっているので、そこまで人体が見えるというわけではありません。

 

音声ガイドは、結局なくても(600円払ってまでは)なくて良かったですね。

展示の合間に動画説明が結構あるので、音声ガイドで言っていることもかぶっていましたし…

首からぶら下げていると邪魔でしたしね。

 

本物のミイラを世界から集めたというだけでも、その苦労は相当なものだろうなあと思いました。

ミイラという人の死体を見る機会もなかなかありませんし、これをきっかけに生死について考えてみるのも良いと思います。

 

ミイラ展のグッズ・お土産

久々にこういう企画展で、お土産を買ってきました。

まずはこちらのアヌビス神キーホルダー。
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そしてメジェドとバステトのブックメーカー。

メジェドは一回も出てきていない気がしますが、人にあげる用です。

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そしてエジプト神のクリアファイル。こちらが表。
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そして裏。「エジプト9栄神」はJOJOで聞いたことありましたが、8体なんですね。

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やりませんでしたが、ガチャ。

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女性のミイラのレプリカを商売に使うのはいいのか?

画像が小さいですが、一番下の左から2番目の細長いのが、本物の展示もあったネコのミイラです。

他にもミニオンズとのコラボとかもありましたね。

エジプト雑貨も少し興味がありましたが、使い道がなさそうですし…

私の死後に、墓に入れてもらえば良かったかな。

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