最近、ずいぶんと叩かれているのが転売屋とパチンコ屋。
マスクの転売は有罪となりましたが、次は消毒液やらホットケーキの材料やらに意向しているみたいですね。
パチンコ屋は休業要請を守らず営業を続ける店舗が問題視され、そこに多くの客が集中して、いつも以上の「3密」になっているようです。
そんな転売屋、パチンコ屋について思うこと。
- コロナ前のパチンコ屋と転売屋のイメージ
- 未だにマスクが少ないorお高い
- メルカリがなければ転売屋は出なかった?
- 機会を作る方が悪いのか、利用する側が悪いのか?
- 提供する側のモラルに期待するしかない
- ハームリダクションについて
コロナ前のパチンコ屋と転売屋のイメージ
結論から言えば、コロナ云々関係なく、もともと両者に良いイメージを全く持っていません。
という人も多いかと思いますので、それが余計に叩かれる要素になっているのでしょうね。
まずパチンコ屋について。
そもそも三店方式が違法かどうかという問題もさることながら、あの大音量でよくやってられるなあと思います。
パチンコ屋に入れるようになった18歳の頃に一度だけやりましたが、音がうるさすぎ、かつ一瞬でお札が無くなったので、それ以降2度とやっていません。
まあ客層も良くはないですよね。
だいたいタバコとセットですし、開店前の行列で路上で吸っている人もしばしば。
次に転売屋について。
製造⇒物流・卸⇒小売(ネット含む)⇒消費者というのが、ごく一般的なモノの流れです。
その流れを邪魔するのが転売屋。
きちんとした商品管理や価格維持、需給バランスをある程度調整してくれ、責任も雇用も受け持っている物流・卸業者とは違い、今問題になっている転売屋はBtoCの過程において全く不要です。
昔々のように、現地でなければ買えなかったものを買いに行ってくれる、などの付加価値があるならまだしも、単に買い占め・行列占拠で供給をストップさせて、値を釣り上げて売るなんてのは商取引にしてみれば邪魔以外の何物でもありません。
仮に儲かるとしても自分でやりたいとは全く思いません。
余談ですが、電通と仕事をすると、下請けの下請けの「ひ孫請け」くらいまで登場するケースがあり、「電通や他の下請けは必要か?」と思わなくもないのですが、彼らは最低限、責任だけは負いますからね。
未だにマスクが少ないorお高い
今年の2~3月頃、コロナ蔓延と並行してマスク不足が問題になりました。
一時期は、メルカリ等で50枚=数万円単位で売買される始末。
(その後はドラッグストアに朝から並ぶ高齢者も問題になってましたが)
個人的には、マスクのストックがあった&追加で貰ったから何とかなってますが、コロナよりも花粉症の方が怖い私からしてみれば、この時期にマスクが売られていないのは恐怖でした。
パチンコ屋は、緊急事態宣言後に問題になってますね。
首都圏など一部地域のみで緊急事態宣言が出されたときは、県を越境するパチンコ客が問題視されました。
5月現在でも、休業要請(一部都市では指示)に従わず営業を続ける店舗が残っており、それによって多くのパチンコ客がそこに殺到している状態のようです。
メルカリがなければ転売屋は出なかった?
メルカリだけ名指ししてますが、他のオークションサイト等も同様です。
転売屋については恐らくメルカリ、ヤフオク、ラクマなどのフリーマーケット・オークションサービスがなければ、これほどまでに問題にならなかったでしょう。
一方で、メルカリやヤフオクだって、「自分には不要だけど誰かが使ってくれるなら」という純粋な「もったいない精神」等もあるでしょうし、パチンコ屋だって「店はやっていても、外出自粛中だからなあ」と客が思えば、3密が生まれることもなかったでしょう。
パチンコ客だって、パチンコ屋が営業しなければ外出しなかったかもしれませんし、こんなに叩かれることもなかったでしょう。
少なくとも、わざわざ外出自粛の中で隣の県まで打ちに行く、なんてことはなかったはずです。
機会を作る方が悪いのか、利用する側が悪いのか?
改めて整理すると、メルカリ・ヤフオクなどのオークションサービス・フリマサービスは、リサイクルなど「もったいない」をなくして不要なものを新たに必要とする人へ届けるという社会的な価値を生んでいるという側面があります。
パチンコも(あくまで法律上は)遊戯であって、お客さんを楽しませるというのが社会的価値といえます。
世の中の全ての人が優しく思慮深いため、こういったサービスを提供する場があっても各自の判断で適切に利用がされる、というのが最大の理想でしょう。
ですが、人間はそんなに賢くも優しくもないので、「マスク買い占めてメルカリで売って儲けたる!」「パチンコが打ちたい!知事が、あそこは休業指示に従ってないって言ってるなら、あそこなら打てるんだ!」という環境が整ってしまえば、道徳なんてモノより自分の利益を優先する人はいくらでもいます。
ましてやどちらも(マスク販売も当初は犯罪ではなかったですし、パチンコも換金はない設定なので)犯罪ではなかったですからね。
提供する側のモラルに期待するしかない
なので、一定数のそういった「仕方のない人」がいることを前提に、いろんなサービスを提供しないといけないんですよね。
逆に言えば、マスク転売について対策を取るのが極めて遅かったメルカリは、私からしてみれば(上場企業であることも含め)モラルの乏しい企業・サービスだなあという感想しかありません。
あくまで狭義のコンプライアンス(=法律)上は何の問題もなかったわけですから、モラルの問題です。
広い意味でのコンプライアンスというか、CSR(企業の社会的責任)上は大問題だと思いますが。
以前、テレビか何かでメルカリの社長が、違反物の売買は人の目も駆使して迅速に対応していると自慢げでしたが、今回は違反じゃなければ我関せずという態度が目につきました(しばらくたって、一応禁止としたようですが)。
おかげでフリマ部分の決算は非常に良かったそうですね。
パチンコ屋もしかりで、ゲームセンターですらきちんと休業要請に従って痛みを我慢しているのに、それで営業してしまうのは、やはり社会的責任という意味では叩かれて仕方ないと思います。
犯罪での例えで言えば、駅前に鍵をかけずに置いておいた自転車をパクられたら、鍵をかけ忘れた方”も”悪いと言われるでしょう。
玄関を全開にして出て行ったら空き巣に入られた、というのも同様です。
もちろん機会があったからといって犯罪を犯した人が一番悪いですが、そんな人に理屈は通用しないため、それは「仕方のない人」に対して隙を見せたという落ち度があるからです。
ハームリダクションについて
最近知った言葉で「ハームリダクション」という考え方があります。
Wikipediaでは以下の通り。
個人が、健康被害や危険をもたらす行動習慣(合法・違法を問わない)をただちにやめることができないとき、その行動にともなう害や危険をできるかぎり少なくすることを目的としてとられる、公衆衛生上の実践、方略、指針、政策を指す。
日本語に直すと「被害低減」です。
元々のハームリダクションは、麻薬犯罪者の中で注射針の使い回しによってHIVが急増した際、「麻薬中毒は短期的にどうしようもないから 、まずは注射針を衛生的にすることで、せめてHIVの軽減はしよう」という取り組みだったそうです。
同じようなことは、タバコにも言えるでしょう。
パチンコも転売もそれ自体は健康被害が起きないので、麻薬やタバコとはまた違った考え方が必要ですが…
素人の思い付きレベルですが、例えば転売屋をどうにかするためにハームリダクションを徹底しようとするとどうなるでしょうか?
転売屋が自己の利益のみを考えて行動するのは防ぎようがない。
しかしマスクなどの生活必需品でそれが行われれば、実害としてそれを真に必要としている人が困窮する。
本来はここでメルカリが動いて販売禁止にすればいいのですが、それはあまり見込めません。
メルカリが動くとすれば、生活必需品の取引の場合は通常10%の手数料を30%にする、とかそういった手段でしょうか。そうすれば転売屋もモチベーションが下がりますし。
「生活必需品の転売の利益については所得税を高めに設定」とかの方がハームリダクションっぽいのかもしれません。システム上、実現可能かは別として。
パチンコ屋の場合は、元々「換金はされていない」前提で未だに行政が動いているので更にややこしい気がします。
「客が現金で儲かることは無い世界」という架空の世界ですね。
そのような前提だと「害」があまりなく、今回もコロナ感染拡大の「可能性」レベルなので、はっきりと実害が出ているわけではありません。
何か良いアイディアが浮かんだ方がいれば教えてください。
私にアイディアがあったからって、別に政治に対して何のチカラもないんですけどね。